「和也くんは。いつ結婚したんですか？」

兄が、祖父に尋ねた。

「2019年06月だ。。4月に和也から『良子に似た、おっとりした優しい女性です。おじいちゃん、おばあちゃんに会ってもらいたいです』という手紙がきた。

和也と婚約者が来る3日前から、真也さんと奈津が来た。掃除してくれた。キッチンとリビング、トイレがピカピカになった。

裕福な家庭で育った優しい女性だ。かあさんも喜んでいた。

内祝のカタログで、折り畳み自転車か電話機か迷って奈津に相談した。『電話機が古くなっているから電話機にしたら』と、言ったからそっちにした。

あんたから内祝は無かったな。

8月、額縁の写真が届いた。可愛らしい和装のふたりは幸せそうに写っている。

他に、写真をいっぱい送ってくれた」

祖父は、窓から景色を眺めていた。

「あっ、違った。今のところ左折だった」

「ナビがあっても道を間違えるのか、馬鹿か」

祖父は、嫌味をよく言う。

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