第24話 可奈ちゃん どうしちゃったの?
2017年03月20日、寒い日だった。
「おばあちゃんから、奈津が腰を骨折したという連絡があった。良子にLINEして。『骨折、そんなものすぐに治る。母は、もっと大変。祖父母の介護を毎日している。親の介護をするなら、這ってでも来るのが普通。親の介護をしないという事を後悔しないように』という内容で送って」
母から電話があった。仕方なく、言うとおりに良子にLINEした。
「腰椎体第一骨折という大怪我です。その後、圧迫骨折となりました。検査しましたが骨粗しょう症ではないです。コルセットと湿布薬、痛み止めの飲み薬での治療です。安静にしなければならないのです。父が『人の痛みはわからない。何でも言って』と、できるだけの事をしています。おばあちゃんからも『大事にしてね。真也さんがいてくれるから大丈夫ね』とお見舞いの電話がありました。可奈ちゃん、いったいどうしちゃったの?」
良子からのLINEの返信があったが、無視した。
「久しぶりに親の所へ行ったら、斉藤と奈津がいたわ。奈津が年寄りの婆さんみたいに腰が曲がっていた。哀れよねえ。斉藤がこんにちはと言ったので、私も言った。奈津は言わない。パンと牛乳を放り込んで帰った」
母の電話は、嫌な感じだった。
「あっ、そう」
それだけしか言わなかった。。
2018年06月18日、大阪北部地震があった。
「おばあちゃんから、電話があった。大阪の地震の話よ。どうでもいいのに。奈津の所も揺れが酷かったって。お見舞いの電話が斉藤一家にひっきりなしだったみたいよ。私には関係ない」
母は、私にそう話して叔母には何もしなかった。
私も、良子に連絡しなかった。
2018年09月07日、「奈津が急性虫垂炎だって。良子に、早くLINEして。『ビールと唐揚げの生活ですか? 野菜も食べましょうね』って」
母からの電話で、言われるまま良子にLINEした。
「緊急入院でした。3時間半の手術でした。執刀医のDr.が『よく来て下さいました』
と、仰いました。母は、危なかったんです。両親は、バランスの良い食生活を送っています。おばあちゃんに、25年間手作りの糠漬けを送っていて喜ばれていますよ」
良子からのLINEを無視した。
母に電話すると「へえ~、奈津、死にかけたんだ」と、笑っていた。
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