第12話 斉藤家が岡山へ

6月、斉藤家が引っ越すという知らせが、叔母からあった。

「裏切り者、なんで岡山なのよ」

毎日、母は不機嫌だった。

サラリーマンだから転勤は仕方ないと思うが、従弟妹が岡山に行くのは寂しかった。

母は、2週間に一度斉藤家に連れて行ってくれていたのに、全然連れて行ってくれなくなった。

8月、祖父母の家に母と行った。母は、私だけ車から降ろして何処かへ行った。

そこには、和也と良子がいた。1週間前から来ていたそうだ。

「夏休み前に学校でお別れ会、夏休みになったら友だちの家でお別れ会があって忙しかった」和也と良子が交互に喋った。

「おじいちゃんとおばあちゃんと、プールに行ったりゲームセンターに連れていってもらった。明日、お父さんとお母さんが迎えに来て、浜名湖に1泊、三重の忍者屋敷の近くで1泊してから岡山に行くんだ」和也が言った。


夕方、母が迎えに来て和也と良子にさよならした。


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