第7話 母の教育方針
ウチに祖父が来た時、祖父と母はしょっちゅう喧嘩した。
「小学生の秀男に、家庭教師なんかつけるな。秀男は、昆虫好きなんだから外で遊ばせた方がいい。バカ大の家庭教師に至れり尽くせり。駅まで車で送迎。彼の好みの紅茶とケーキを用意する? 何をやっているんだ」
「私の教育方針に口を出さないで。気に入らないなら奈津のマンションに行けばいい」
母は、教育方針について誰にも譲らなかった。小川の祖母と父は、当然、兄が近くの公立小学校に通うものと思っていた。母は強引に私立に入学させたそうだ。
私の小学校受験の時は、母が面接官の役で、父と私が母の前に座らせられ、面接の指導があった。更に、父は、リビングで、スキップの特訓を受けた。
私は、父のスキップが面白くて笑っていたら「笑うな。お父さんは優しくていい人だ」と、兄に叱られた記憶がある。
しばらくして、祖父母は斉藤家のマンションに行った。その後、家が建つまでの3ヶ月間、祖父母がウチに来ることはなかった。
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