人の形をした物には魂が宿る

この話は実話ながら信じてもらう事は難しいと思う。

そして不可解な出来事ではあるが、怖さは微塵もない点を最初に告げておく。


当時私は暇つぶしにガンプラを作っていた。

部屋のラックには組んだガンプラがいくつか飾ってあった。


ある夜仕事から帰ると、ガンプラの中のひとつがおかしな動きをしていた。

ラジオ体操第一の「体を横に曲げる運動」である。

指先もピンと伸びていた。

私の帰宅に気付いたのか、一瞬ビクッとし、腕をだらんと下げた。

そのガンプラは発売が結構古く、腰などは全然動かない作りになっているし、手は銃を握らせていたので、その形のまま動くわけが無いのだが、確かにあの瞬間、出来るわけのない動きをしていた。

人の形をしているので、魂が宿ってしまったのだろうか。

それか、ずっと同じポーズだったから体がしんどかったのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る