第5話 足跡から見えるもの

「いったいどういうことなんだ?」

「よく分かりませんが、被害者と関係のないことなのかも知れませんが、ここには、そういう痕が所々に残っているんです。向こうには目立ちませんが、まわりは誇りが、積雪のように積もっているのに、ある一つの大きな円のあたりは、ジグザグに見える感じがするんです。きっと、真上から見れば、形にならない図形を形成しているのではないかと思えるようなですね」

 その場所はまだほとんど工事が進んでいない中で、珍しくコンクリートで固められた床が出来上がっていたのだ。

「ますます分からない」

「つまり、いつかは分からないけど、ここで揉みあいのようなことがあったのは間違いないでしょうね。しかも、それが同じ時期ではないと思えるところが、この場所の不気味なところなんです」

 と一人の刑事はいった。

「じゃあ、明日は、この工事現場の昼間の様子と、夜の管理について聞いてみようじゃないか」

 と言って、その日は、遅いのでそのまま現場保存を鑑識と警官に任せてから、一旦署に戻った。

 その途中で、辰巳刑事は清水刑事と話をしていた。

「さっきの第一発見者の鮫島という男なんですがね」

 と辰巳刑事が言った。

「あの男、本当にここを通ったのは、偶然だったんでしょうかね?」

「どういうことだ?」

「いくら残業が続いているからと言って、こんな不気味なところを一人で歩けるような度胸のあるやつには見えなかったんですけどね。何かここを歩く理由が彼にはあったのではないかと思うんです」

「何だというんだ?」

「よく分からないんですが、ただ、気になるのは、あの場所が何かのたまり場になっているのではないかと思えるところです。ただ、昼間工事の連中合きて、いろいろ運び込んだり歩いたりすれば足跡も残るんだろうけどね。その足跡がないんですよ。揉みあっているような足跡は残っているのに、どういうことなんでしょうね?」

「意外と工事が進んでいないんじゃないか? 更地にするまでは結構早かったけど、それから先が進まないなんて、マンションの建築現場にはよくあることではないのかな?」

 と清水刑事がいうと、

「そうなのかな?」

 とまだ、納得がいかない辰巳刑事であった。

「清水刑事、これを見てください」

 と言って、一人の鑑識管が連れて行ってくれたのは、一つの仕切られた場所の奥にあるまたコンクリートで固められていない足場がドロドロのところだった。

 そこには、数十本の吸い殻が、放置してあった。きっとここで、屯していた連中が吸って、そのまま放置していたのだろう。

「こんなの普通、いくら作業員がだらしない連中が揃っていたとしてもありえませんよね?」

 と鑑識管が訊いてきた。

「そうだな。いくらだらしがないと言っても、吸い殻入れくらいは用意してタバコを吸うよな。これだと最初から放置するつもりで吸い始めて、そのまま放置しているだけじゃないか。こんなのを監督などに見つかったら、作業員はクビ問題になるだろうかなら」

 と、清水刑事は言った。

「ところで辰巳君、君は何かこの事件で気になることがあるかね?」

 と訊かれて、

「そうですね。先ほど第一発見者の男の話を訊きましたは、情報として新たなことは出てきませんでした。被害者とは面識もないようです。彼がここに立ち入ったのは、会社の残業で毎日のように遅くなるので、最近はこの近道をよく使っていると言っていました。何でも、帰り着くまでに十分以上違ってくるらしいからですね」

 と、他S罪刑事は話した。

「そうか」

 と清水刑事が一言いったが、今度は辰巳刑事のような質問した。

「ところで、今回の死因は毒に夜中毒死のようなものですか?」

「ああ、そのようだな。それがどういたんだい?」

 と聞いてくるので、清水刑事は気にならないのかと辰巳刑事は感じていた。

「毒殺だったとしても、自殺だったとしても、どうしてこんなに寂しい場所で一人で息絶えたんでしょうかね? 遺書などないようなので、自殺というのもおかしな気がするんですが、毒殺だったりすれば、普通なら食べ物か飲み物に毒を仕込んでおくことが普通でしょうから、ここで何かを飲食したとは思えないんですよ。その証拠にまわりに食べたり飲んだりした跡が残っていない。誰かが一緒にいて食べさせたものを片づけたのでしょうか? それも何かおかしな気がするんです」

 と辰巳刑事はいった。

「なるほど、確かに遺書のようなものもないし、彼の所持品から、薬のようなものも発見されなかったな」

 と清水刑事は言った。

「それともう一つ気になるのが、この場所の電気が赤々とついていたということです。第一発見者の鮫島という男の証言では、普段はこの場所は暗いのに、今日は明るかったので近寄ってみると、死体を発見したということでした。どうして今日だけ明るかったんでしょう? 被害者が自分で明かりをつけたということでしょうか? もし、そうであれば、被害者はここにしばらくいたことになる。誰かとここに一緒にいて、ここで毒を盛られたのでしょうか?」

 と辰巳刑事がいうと、

「そうだね。そう考えるのが自然だね」

「でも、実際には被害者が別の場所で毒を前もって服用していたとすればどうですか?」

 という辰巳刑事に、

「というのはどういうだい?」

 と清水刑事が聞き返した。

「実は、別の場所で毒を飲まされたのだが、その読破カプセル化何かに入っていて、すぐには効かない。飲んでから一時間以上してカプセルが解けて、毒が全身に回るとすれば、どうでしょう?」

 という辰巳刑事の話に対して。

「それは少し考えすぎではないかと思うね」

 と静かに清水刑事は答えた。

「その理由は?」

「それはこうだ。確かに君の言うとおりに被害者が他でカプセルのようなものを飲まされてしばらくして死んだのだとすれば、犯人の目的はなんだろ思う?」

 と訊かれて、

「アリバイ工作ですか? 被害者が死んだところに犯人がその時間いることができないという一種のアリバイ工作ですよね。それだと考えれば、被害者が絶命する場所はどこでもよかった。死んでしまう時間に、自分は誰かと一緒にいたなどというアリバイが成立すれば、それでいいわけだからですね」

 と答えた。

「うん、その考えは私も賛成なんだが、そうなってくると、じゃあ、この部屋の電気をつけたのは誰かということになる。犯人がアリバイ工作をするために他の場所で毒を盛ったのだとすれば、この場所にはいないことになる。とすれば、被害者は何らかの目的があってここに来たのではないかと思われるんだ。誰かと待ち合わせがあったか、それとも誰かを待とうと潜んでいたか。相手が来る前に電気は消すつもりだったが、電気を消す前に毒牙回り始めたと考えるのもありではないかな? とにかく被害者が何者なのかが分かってみないと、何とも言えないだろうね」

 と清水刑事は言った。

「被害者を特定できるものを持っていないんですか?」

 と辰巳刑事がいうと、

「そうなんだ。財布はあったけど、他に所持品はないんだ。定期券も健康保険所も所持していない。財布の中に名刺は幾種類もあったが、自分の名刺はなさそうなんだ」

「そうなんですね。じゃあ、彼は一体誰なんでしょうね? サラリーマン風の姿には見えないが」

「分かっているのは、三十代くらいの男性で、体格とすてはそんなに大きくはない。一応警察の霊威暗室に運んでいるので、明日司法解剖に回されることになる。その時に何かがハッキリとしてくるだろうね」

 と言った清水刑事に対し、時計を見た辰巳刑事は、

「もう、今日で宇sけどね」

 と言い返した。

 なるほど、もう二時近くになっていた。自分たちだって寝ているところを起こされた口ではないかっただろうか、清水刑事は少し脱力感を感じていた。

「とりあえず、今日はどうする?」

「さすがにこのまま帰ってまた出勤してくるのはきついので、警察の当直室でひと眠りしますよ」

 と辰巳刑事がいうと、

「よし、じゃあ、俺もそうしよう」

 と二人で当直室で休むことにした。

 当直室は二人にとって久しぶりだった。前はよく泊まり込んでの捜査もあったは、最近は犯罪も落ち着いてきたのと、何よりも二人が少し年を取ってきたことの証拠ではないだろうか。

 辰巳刑事は三十号半、清水刑事もそろそろ四十歳後半になるところだ。後少しで清水刑事も警部補になるだろうと思っている辰巳刑事だったが、さすがに最近の清水刑事は老け方が顕著に感じられるようになっていた。

 今朝の捜査は何から始めます?」

 と辰巳刑事にいうと、

「そうだな、まずは工事現場の連中に話を訊くこと。そして現場の聞き込みだな」

 という清水刑事に対して、

「なるほどそうですね。タバコの吸い殻にしても、殺害現場の明かりについては最低聞かないといけませんよね。まずは、どうして彼があの場所に行っていたのかというのが分かるためにも、被害者が誰なのかを特定する必要があります。そうでなければ、想像する男系でもないということになりますからね」

 と辰巳刑事は言った。

 二人が警察署に着いてから、当直の刑事に、挨拶をして当直室に入り込んだのが、二時半になっていた。

 二人は一度寝込みを叩き起こされた感覚があるので、現場についてから今までがあっという間だったような錯覚があったが、実際には、かなりの時間が経過していた。

 頭の回転は警察署についた時点で、すでにストップしていて、今からさらに考えると今度は眠れなくなりそうなので、生理現象に任せ、睡魔という欲求を満たすことに専念したのだ。

 二人はすぐに就寝に、気が付いたら、すでに八時になっていた。警察署内ではすでに慌ただしく動いていて、扉の外を早歩きでいったりきたりしているのが分かった。

 普段の事件がない時の警察とは明らかに違う、早い段階で捜査本部もできるだろう。辰巳も清水も、他殺に違いないと思っているが、自殺の可能性もまったくないわけではない。これおw、

「殺人事件」

 として戒名に記すだろうか?

 それが疑問だった。

 刑事課に戻ってみると、

「おはようございます。昨夜は大変でしたね」

 と他の刑事からねぎらいの声を掛けられたが、まだ半分ボーっとしている二人を見ると、明らかに寝起きの状態が分かったことで、当直室に泊ったことは、昨夜の当直者から聞いていなかったとしても、一目瞭然だっただろう。

「捜査本部が、もうすぐできるみたいです」

 と言われて。

「戒名っはどうするんだい? 殺人事件で行くのかな?」

 と聞くと、

「そのようですね、どうやら、毒殺事件ということで出来上がりそうですよ」

 という話を訊いて、

「自殺の可能性はほぼないということでいいのかな?」

「そうだと思います。今朝から始まる司法解剖を見ないと何とも言えないでしょうが、今のところは殺人としての可能性は濃厚だということですね」

 それを聞いて、二人は一応納得した。

 捜査本部はまもなく立ち上がり、解剖も始まったが、被害者が誰なのか、そのあたりの方がまず最初に分かりそうな気配があった。警察署に朝一番で訪ねてきた人がいて、被害者というのが、自分たちの知っている人ではないかという訴えで、警察署を訪れたというのだ。

 どこから情報が見れたのか、真夜中のことだったので、新聞に載っているわけでもないし、当然警察も発表していないのだから、誰も分かるはずもないはずなのに、一体どういうことなのだろうか?

 ただ、警察を訪れた人の話というのが、どうやら、少し事情が違っているようだった。

「自分の知り合いに行方が分からない人がいて、ひょっとして殺されるかも知れないので、早急に探してほしいと願い出てきたようです」

 という話だった。

「殺されるかも知れないというのは、穏やかではないね。実際にこうやって昨夜身元不明の死体が発見されたのだから、放っておくわけにはいかない。話の辻褄がどれほどあっているかというのは、少なくとも確かめなければいけないだろうね」

 という清水刑事の話だった。

 訴え出てきた人は刑事課に通された。一人ではなく二人だったが、一人は奥さんらしき人と、一人はその父親であろうか、義父であろうか、還暦を迎えたくらいの人が神妙に控えていた。

 名前は、加倉井静子というらしい、旦那の名前は加倉井保というそうだ。

「何か、早急に人を探してほしいということですが、その人が殺されるかも知れないとお話されたそうですね?」

「ええ、そうなんです。私どもは探してほしい人の妻と、彼の父親なのですが、彼が変な書置きを残して、家を出たんです。それがこれになります」

 と言って、まだ、三十歳前半くらいの女性がメモのようなものを取り出して、提示したのだ。

 そこには、

「私は、少し身を隠すことにする。このままでいれば、自分の命はおろか、家族にまで迷惑をかけることになりそうなので、一時身を隠すことにする。心配しないでくれ、私がいない間に何もかも解決するかも知れないので、私はそれを待つことにする」

 というようなことが書かれていた。

 文字は本当に殴り書きと言ってもいいだろう。清水刑事もやっとの思いで読んだくらいだった。

「ところでご主人はおいくつで、どのようなお仕事をされているんですか?」

 と辰巳刑事が聞くと、

「年齢は三十五歳です。仕事はK市に今回できた、『スポーツ大会運営代行業』というところです。二年後をめどに、中学生を中心としたスポーツの全国大会を開催しようという話が盛り上がっていて、ほぼ決まりではないかと言われているんですが、その時に運営を代行してくれる団体がありまして、そこが招致先で、臨時の社員を雇うのですが、主人はその団体に参加していたのです。運営をうまくやれば、過去の実績から言って、大会が終わった市町村の体育健康関係の業種に推薦してもらえるかも知れないということで、主人は張り切っていました。元々大企業の営業にいたのですが、いつの間にか子会社に出向になっていて、そこがブラックだったもので、主人は辞めることになったんです。私は親会社に辞めさせられたという気持ちが強く、今では大企業に対して偏見を持つようになったくらいです。本当に世の中の企業というのは、信用してはいけないとことが多いんだなと思うようになりました」

 と、奥さんを名乗る人が言った。

「奥さんは、旦那さんからの手紙を見て、旦那さんが何かの事件に巻き込まれたかも知れないということが怖くなって、警察に出頭したということですね?」

「ええ、そうです」

「旦那さんを最後に見たのはいつですか?」

「もう三日も前になります」

「じゃあ、この手貝をいつ、どこで発見されたんですか?」

 と清水刑事が聞くと、

「主人が一日くらい何も言わずに帰ってこないということは今までにもあったんです。同僚と呑み潰れて、そのままビジネスホテルかサウナに泊ったという話は今までにも聞いたことがありましたからね。でも、二日も帰ってこないということは結婚してから七年になりますが、一度もありませんでした。それで不思議に思って、普段は入らない主人の部屋に入ってみると、机の上にこの手紙があったんです」

 と奥さんはいった。

「旦那さんの部屋に入らないというのは。何か旦那さんが隠し事をしているか何かなんですか?」

 と辰巳刑事がいうと、

「そんなことはないと思い出す。ただ、以前、旦那がいる時に、部屋に入ろうとすると、普段見せない怒りをあらわにして怒り出したので、それからは、いてもなるべく入らないようにしているんです。でも、別に部屋にカギを取り付けるというようなこともしていないし、入るなら入っても怪しいものは何もないと思っているからではないかと思っています」

 と奥さんが答えた。

「なるほど、では旦那さんが机の上に分かるようにそれを置いていたということは、いずれ奥さんがそれを見るということは分かっていたとして、奥さんならどうするとお考えだったんでしょうね?」

 と今度は清水刑事が聞くと、

「さあ、どうなんでしょう? あの人のことだから、警察にはすぐには届けないと思っているのではないかと思います。ただ、彼の言葉は衝撃的でしたが、見方によっては、時間が解決してくれるとも取れないこともない。だから、私はそれほど慌てるようなことはないと思ったんじゃないでしょうか?」

 と奥さんが言った。

「でも、旦那さんは奥さんに見つかるように置いていて、最初の方で脅かしておいて、後の方で大丈夫だということを強調する。旦那さんという人はそういう書き方をする人なんですか?」

 と清水が聞くと、

「そんなことはないですね。もっとも、あまり書置きなどする人でもないですが。もしするとしても、前で脅かして後で宥めるような書き方をするよりも、むしろ最初安心させておいて、その後で少し釘を刺すようなタイプではないでしょうか?」

 と奥さんが言った。

「でも普通の人なら、そういうやり方をされると、後からの方がきつく感じるので、嫌なものではないかと思えるんですが、どうなんでしょうね? 私などはそんな文章が残っていると、相手の神経を疑うくらいですけども?」

 と今度は辰巳刑事が言った。

「ええ、でも彼は人に気を遣うことがうまい人なので、私に対してもちゃんと考えてくれています。私の場合は、やはり最初に宥めてくれて、釘を刺される方がどちらかというと気が楽なんですよ。刑事さんは、信憑性を考えられているのかも知れませんが、私は直感的に楽な方を選ぶので、きっと彼も分かってくれていると思っています」

 というと、

「なるほど」

 と、辰巳刑事としては、どうにも納得できないという顔で頷いた。

「じゃあ、旦那さんがいなくなったのは三日前ということですね?」

「ええ」

 じゃあ。旦那さんの写真か何かありますか?」

 と清水刑事が訊ねると、

「ええ、今日は持参しております」

 と言って、二人の刑事の前に差し出した。

 その写真は夫婦でどこか遊園地か植物園にでも行ったのか、綺麗な花が後ろで咲いていて、芝生の上に座っている二人が映っていた。実に楽しそうなその姿は、どこにでもある幸せそうな夫婦を描き出している。

 その写真を見た二人の刑事はお互いに顔をみ合わせていたが、その様子はどちらかというと、苦み走ったような顔だった。その表情を見た奥さんは何かを言おうとしたが、あまりにもその形相が異様だったので、声をかけるタイミングを失ってしまった。誰にもであることだが、人に声をかける時というのはタイミングがあって。声を掛けられなかった時には、どう対処していいものか分からずに、結局何も言えずに、自分の中で気持ちが堂々巡りを繰り返すだけになってしまうものであった。

「いや、ありがとうございます」

 と言って、写真を奥さんに返した。

 もし、何か検証が必要であれば、写真を預かるなどするのだろうが、それがないということは奥さんとしても、今この街で起こっている事件で、少なくとも旦那が表に出てきてはいないということだろう。それを思うとホッとはしたが、逆にいうと、夫が被害者ではなく、加害者の可能性もあるわけで、そちらの方が気になって仕方がなかった。

「分かりました。まずは捜索願の方を出していただくことになります。そしてその時に、さっきの写真をご提示いただければ、こちらで捜査に使用する資料を作成いたしますので、ご協力をお願いします」

 という形式的な話で清水刑事は最後結んだ。

 奥さんが、捜索願を出すのに退室してから、

「どう思うかね?」

 と清水刑事が聞いた。

「そうですね。てっきり同じ人間だと思ったんですが、まったく違っていましたね」

 と辰巳刑事は少しショックだった。

 写真に写っていた人は奥さんと並んでいたこともあったが、結構体格のいい、身長も高そうに見えた男性だった。顔の輪郭もしっかりしていて、スポーツマンタイプであり、なるほど、スポーツ大会運営の仕事に携わっているのも分かるというイメージの男性であるが、昨夜発見された死体は、男性としては小柄で、顔も小さく痩せていて、全体的に小さい感じの人間だった。そのイメージだけでも、二人がまったくの別人であることはハッキリとしていりのだった……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る