第11話 初対面
「いらっしゃいませお客様。本日はどのようなご用件でしょうか?」
僕とルナはビルの中へと入り、入口から少し離れた壁際にある受付のほうへと進む。
「おはようございます。【個人ギルド太陽と月】のルナ=アストレアと申します。
「未島ですね。かしこまりました。しばしお待ちください」
ルナから要件を聞いた受付の女性は、手元に置かれている端末に視線を落とす。端末を操作したのち自身が装着しているヘッドセットのマイクに向かって口を開き通話を始めた。
女性はそのままマイクに向かって2・3回ほど相槌を打った後、通話を終えたようで手元の端末に落としていた視線をこちらに戻した。
「お待たせ致しました。未島は当ビル3階の第3会議室にお待ちしております。とのことです」
「ありがとうございます」
ルナは受付の女性にお礼を言い、受付から見て左端にあるエレベーターへと歩き出す。僕も受付に一礼してから彼女の跡を追う。
エレベーターの扉横にあるパネルに表示されている上を指す矢印のボタンを押す。しばらくしてエレベーターが来た。
僕とルナは、そのエレベーターに乗り込みパネルに表示されていた3階のボタンを押し、扉を閉める。
暫くしてエレベーターは3階へと到着し、扉が開いた。
エレベーターを降り、突き当りを左に曲がるとそこには長い廊下が、ずぅーと伸びていた。手前から順に部屋が並んでおり、依頼人がいるという第3会議室は1番奥にあった。
会議室前まで行くとルナは、扉を3回ノックした。直後ノックを受けた部屋の中から「どうぞ」という声が聞こえて来た。その声の後、ルナが「失礼します」と挨拶をし扉を開け部屋の中へと入って行く。僕も彼女の跡に続く形で部屋の中へ足を踏み入れる。
部屋に入ると窓側に2人と扉側に3人。彼らは机を境に椅子に座っていた。僕とルナの視点から窓側に座る2名の顔が見えていた。
1人は覇気のない痩せ細った顔出しの男性。もう1人は肩まで流れる長い黒髪に目鼻立ちの整った可愛い女性だ。しかしその女性の表所は暗く何かに怯えているように見えた。
そして扉側に座る残りの3名。後ろ姿しか見えないが全員同じような紺色の制服を身に纏っている。
入室してきた僕らに、痩せ細った男性が椅子から立ち上がり近づいてくる。
「あなたがアストレアさんですね。初めまして
「ご依頼に上がりました。【個人ギルド太陽と月】のルナ=アストレアと申します」
挨拶を交わす未島さんとルナ。挨拶を終えるとお互いにデバイスを取り出し、何やら操作を始める。しばらくして操作を終えたのか?未島さんと僕の眼が合う。
「アストレアさん。こちらの男性は?」
未島さんはルナに、僕という謎の存在について質問する。
「その子はですね。
ルナは未島さんに、僕を過大評価した様に紹介する。
僕は、ルナのその紹介に戸惑ってしまった。
「あ、え~と、海道灯といいます。よろしくお願いします」
「未島相助です。どーも」
挨拶し僕は未島さんと握手を交わす。未島さんはその後、ルナとも握手を交わした。
ルナは、未島さんとの握手を終えると依頼の件について切り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます