第五話:友達と勝負した:全編

あれから一夜明け、私は昨日と同じように能力の練習を行った。しかし母曰く一個忘れていたことがあったそうで人を対象とした訓練はまた次の時にやるようだ。


「ごめんねー。複数の物を止めるってことをやるのを忘れてたから、先にそれをやらせてちょうだい。じゃないと人の物を止めるってのはかなり難しいと思うから。」


「わかった。準備はできてるからいつでもいいよ。」


「じゃあまずは2個からね。」


2個から始まった。5分程度でこれはできた。

次は3個。これも5分程度でできた。

4個。これも5分程度でできた。

5個からは一気に難しくなってこれは15分ほどかかった。

一気に飛ばして10個。難しいどころじゃない。めちゃくちゃ時間がかかった。でも1時間で習得できた。

そこから少し休憩して次は20個。これで最後だそうだ。もちろんこれも時間がかかった。時間を気にしてなかったが2時間は経っていたと思うがそれくらいで習得。


「今日はこれでおしまい。20個が出来れば1000個とかよっぽどの多さじゃなければ何個でも止めれると思うわ。疲れたでしょ、今日はゆっくり休みなさい。」


「わかった、ありがとう。」


そしてまた武器の方の訓練が始まって数日のある日、先生から、


「よし、今日はみんなに戦ってもらう。相手はこちらで決める。ルールは1対1、先に倒れて相手の武器が自身の頭部や首付近に向けられて5秒経った時点で倒れた側の負け。今回は1本先取で勝利とする。武器の威力は射撃系は当たったとわかる程度、打撃系はほんの少し痛い程度に調整してある。また、みんな何かしら能力が使えると思うが、自由に使ってもらって構わない。みんな、全力で取り組むように。」


と言われた。今日は1対1での勝負をするようだ。相手はソラだった。

戦う場所は縦横メートルくらいの正方形の部屋。友達だからと言って容赦はしない。


「まさかサキちゃんとやることになるとはね。友達でも、容赦はしないよ!」


「こちらこそ、全力で行かせてもらうよ。」


「2人とも、一度部屋の対角線上に立て。準備はいいな?ルールはさっき言った通りだ、では、始め!」


試合開始の合図とともに、一気に私は地面を蹴り上げソラのもとに一直線に向かい、鎌を振り下ろした。もちろん避けられたが。


「その程度じゃ当たらないよ?」


横から彼女の蹴りが飛んできた。私はそれを鎌の持ち手で受け止めたが、2メートルほど後ろに飛ばされた。そのまま行こうとも思ったが、1つ閃いた。


「えっ?なんで?動けないんだけど!?」


もちろん驚いただろう。だって私が彼女の武装脚の時間を止め動けなくしたのだから。今回は能力も自由に使える。それを利用したのだ。

そのまま私は鎌から動力部分を引き抜きライフルに変形させ、足元を何度も撃った。母からは教えられていないが、時間を止めれる系なら止められている間になにかしらの衝撃を受けるとその衝撃が停止が解除された瞬間に一気に解放されることはよくあるから、それを試してみた。そして時間停止を解除した瞬間、案の定後ろに飛ばされていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る