勤務につく

第11話 休日明け

スーと別れて帰宅した俺はシャワーを浴びている。


大人一人が体を洗うのに十分な狭さの個室。その天井から温水→泡→温水と全身に掛けて体を洗いながら、体のどこにもキズは無し。さっきよりも違和感が薄れてきているので明日には忘れているんだろう。


シャーーー・・・ピタッ


ブオオオオオオオオオ


天井からシャワーが止まり、ドア以外の壁、三方からエアーブローが勢いよく吹き出す。

頭から順に下がりながら体を回転させて全身の水気を飛ばす。


風呂から出た俺は寝間着を着て食事も摂らずにそのまま寝床へ着いた。

独身が過ごすには丁度いい広さの相変わらず殺風景な部屋だ。

時計はPM8:00を回った辺り。いつもより少し早いが無機質な天井を眺めながら目を閉じて明日からの仕事に備えた。



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・・げろ  逃げろ!!


周りの木々が燃えている中、村人達が同じ方向へ逃げ出している。

母親に手を引っ張られながら振り向くと、巨大な影が村の家畜を襲っている姿が見えた。そいつと目が合った。影の吐く炎が後ろを走っている人、馬車を焼き払いながら襲い掛かってきた。


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はっ!!っと目が覚めてしまった。


「夢か」


時計はAM5:30を指していた。

寝付く気がしないのでこのまま起きてしまおうと顔を洗いに風呂場へ向かった。

風呂場のドア横にあるスイッチを押すと、ドア向こうの風呂場が洗面所に変わる。

顔を洗ってから、朝食の準備に取り掛かった俺は

「昨日の夜は食べてないからなぁ、多めにしとくか」

いつもならスパム1つパン1つなんだが、腹が減っている。もう1つづつ追加でスパムに焼き目を付けながらコーヒーを淹れて、壁から板と棒を伸ばす。

板をテーブルにして、棒に椅子の様に腰かけて正面に投影されたテレビでニュースを見ようとしながら、朝食を頬張る。


時間的にニュースの前の占いがやっていた

・・・「今日の1位は・・・カシオペア座のあなた。新しい出会いがあるかもしれません。同性であれば大親友に、異性であれば将来を誓い合う仲までに発展するかも、一期一会を大切に」


んなバカな


そのままニュース番組が始まって、アナウンサーが様々なニュースを報道し始めた。


43階層で新しいスイーツ店がオープンしたとか


「今日から一週間、当宙域に留まり、周辺の惑星から補給を行う予定です、今回は数か月前から水が豊富にある惑星が発見されたとして話題になっておりますが」

「そうですね、今までも鉱物は小惑星、デブリ帯から問題なく採取できていたのですが、水に関しては恒星から一定の距離がある位置から少量の氷か、我々の排泄物を濾過するしかなかった訳ですからね。生存面でも大変助かります」

「彗星を追いかけた事もありましたね(笑)」

「ありましたねw結局、尾の方から少量の氷とガスを採取できただけで追いつけなくなりましたから断念しましたねw」

「水があるという事は、生物学的にも」

「はい、地球外生命体の発見の可能性も出てきますから、補給作業とは別に各分野から研究チームが派遣されます」

「新たな発見があるかもしれませんね。研究結果が待ち遠しいです。・・・続いては特報になります」

『特報』と言うデカ文字が画面左上に移動しながら小さくなっていった。

「第1宇宙移民群 『リモインミグラーティ』 居住艦『ケイツァ』の人気俳優ワン・ルイが同艦の人気アイドル笹瀬一華と結婚したとして一般艦民に対してのインタビューが映し出されていた。

「えーー!?本当ですか!?」

「おめでたいですね、ドラマを見ててお似合いだなって思ってました」

「そんなぁ、私仕事休みますぅぅぅ(泣)」

フォン・・・

俺はテレビを消して、朝食の片付けと仕事の準備を進めた。

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