任せときな!!

お花畑が出ていった後もロビーの雰囲気はあまりよくは無かった、まああれだけ『薄汚い討伐者』とか人を見下したようなことを大声で言われれば、自分の事じゃなくても気分は悪くなるよね。


「お前らこっちにこい」


ムキムキ猫耳が受付のテーブル越しにあたし達に向かい『こいこい』と手招きしているので向かう。

その後ろでレッサさんがニコニコしていた。


「グラマス・・・アンタ見てたんなら声かけなよ、もしかしたらお花畑が大人しくなるかも知れなかったかもしれないじゃん?」


あたしが文句を言うとグラマスがニヤリとして胸を張りそれでいいのか?って言う言葉を言い放つ。


「あの騒ぎは討伐者ではない民間人同士の言い争いだからなギルドは口は出さないさ、討伐者同士だった場合喧嘩沙汰になると厄介だから仲裁には入るようにはなってるがな」


「で?本音は?」


「めんどくさそうだった!!」


確かにめんどくさうだったけど!グランドマスターとしてそれはどうなのさ!!




「で?王族同伴で何でギルドに?」


グラマスが真顔になり視線がプレシアに向き、プレシアに問いかけたのでプレシアがニコリと微笑み用件・・・・ギルドに依頼を出す。


「それはレン・・・・・・【輝夜】に護衛依頼をする為ですわ」


「指名依頼ですか?」


レッサさんがグラマスを押しのけて前に出て来たのでプレシアが手続きをする。


その光景をぼーっと見てるとムキムキ猫耳は手招きをしてるのでそこに歩いて行く。


「なにさ?」


「知っていて受けるのか?」


「そうだけど?」


あたしの言葉にニヤリとして小声で「このお嬢ちゃんを頼む」と言って奥に歩いて行った。


まあグラマスなんだから王族とは顔見知りなんだろう、知り合いが困っていても立場上手が出せないとかもあるかもね・・・・・


「任せときな!!」


あたしの答えにその後姿が笑ったように見えた。






ギルドでの手続きが終わりすぐさま宿に帰ろうとして所、カナデに止められたのでギルドのロビーの端の方に用意してある椅子に座ってカナデの方を見る。


「で?何か用事があるのカナデ?」


「レン様、確か情報屋をお探しになるのではなかったのではありませんか?」


あ!!お花畑の存在が強烈過ぎてその事が頭からすっぽりと抜けていた!!


「教えてくれてありがとうカナデ!忘れてたよ!」


「お役に立てて良かったです!」


でもあのお姉さんどこに居るんだろう?名前は確か・・・・・ドラマさん・・・だったような?


あ!前もギルドに居たって事はもしかしたら討伐者として登録してるかもしれない!レッサさんに聞いてみよう!


あたしは急いでレッサさんのいる受付に並んで、すぐに話すことが出来た。


「あれ?レン様何かお忘れですか?」


ニコリとした後、首をこてっとかしげる・・・・・・くそぅ美人は何をやっても似合うよね!!羨ましい!!


「うんとね、聞きたいことがあったんだよ」


「何でしょうか?」


「えっと・・・・ドラマさんって人どこに居るか知ってるかな?多分討伐者の登録はしてあると思うんだけど」


首を傾げたまま考え込んだあと首を左右に振る。


「存じ上げませんね、ドラマさんと言う方は・・・・どういった御用で?」


「その人は情報に詳しいらしいんだよね」


あたしの言葉にまた考え込んでハッと顔をあげる。


「もしかしてドミナさんじゃないんですか?あの方は確か情報屋としても活動してらしたと思います」


・・・・・・ドミナさん?・・・・・ドラマさんじゃないの?・・・・・恥ずかしいぃぃぃぃ!!!


多分今あたしの顔は真っ赤になってると思う。

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