窒息するレベルかも!!
「こんなに笑ったのは久しぶりよ」
すっきりした顔であたしに笑いかけた。
「あんたストレス溜まってんだねぇ」
あたしの一言でそこまですっきりした顔になるとは思わなかったよ、あの女が四六時中隣に居ると息がつまるのかもね・・・・・・・いや息がつまるどころか窒息するレベルかも!!
「まあね・・・望んだ事じゃないけど、やるからにはとことんやらないといけないから」
楽しそうな顔から真顔になりきっぱりと言い切るのを見て意外だなと思った。
「望んでやってんじゃないの?」
あたしの質問に意外そうな顔をした後、真剣な顔に戻る。
「貴女、私の置かれている状況を知ってるのね?」
「うちの家族に『耳』のいい子が居てね」
あたしの言葉に苦笑しながら答えてくれた。
「私は【エルセア王国】に留学に行っていたの、でも【バイダスターナ】の為に呼び戻されたの、うちの一族には【バイダスターナ】をうけられる年頃の女性は私だけだったから」
プレシアの話だと【バイダスターナ】を受けられるのは女性のみ、しかも15歳から20歳までと限られているそうだ。
「妹が居るんだけど12歳なの、だから私が呼び戻されたのよ、他の国を見て来たからこの国が外からも中からも危険だと思うから、参加することにしたの」
確かに脳筋国家だと心配だよね。他国に『皆でツッコめば行ける!!』とか言い出して戦争吹っ掛けそうだし!!
「で?そんな時に何でアンタ裏路地なんかに行ったの?狙ってくださいって言ってるようなもんでしょ?」
「友達と会った帰りに近道をしようとして・・・・・」
視線をそらしながら答えに思わず笑いそうになる。
「そっか」
「まあそんな感じ、昨日の礼も含めて今日改めて会えてよかった、じゃあ行くね」
そのままプレシアは帰っていき、その背中を見送った後にエルスさんに声を掛ける。
「エルスさん、どう思う?」
「あの方はまともでしたね、外を見て来たことで今の国に疑問を感じているから危険でも試練に参加しているのでしょう」
やっぱりそんな感じだよねぇ・・・・・・
「エルスさん子供達の事を任せてもいいかな?」
「もちろんでございます、私達はそのために居るのですよ?」
あたしの正面から真顔で言われれば、この言葉しか思いつかない。
「ありがとう」
あたしは頭を下げた後立ち上がる。
「せぅかく助けた命だ勝手に死なれちゃ寝覚めが悪い、カナデあんたの【風】でプレシアがどこに居るか分かるだろう?もう一度ここに連れてきて」
「畏まりました」
あたしの言葉にカナデは出かけて行き、それを見送った後エルスさんが紅茶を用意してくれてので飲んで待つことにした。
「レン様、あの方に関わるのであれば、『輝夜』の指名依頼としてもらうのがいいと思います、そうですね・・・・・護衛として雇ってもらえば自由がきくと思いますよ」
なるほど!プレシアに向かって来た刺客を相手取る事もあるしその方がいいか・・・・・・衛兵さんにも迷惑を掛けずに済む!!・・・・かも!!
「なるほど、助言ありがとうエルスさん」
「お役に立てたようで何よりですわ」
その後はカナデか帰って来るまでこの王都の観光に関して話をして待っているとカナデかが得って来た。
「ただいま帰りました」
「レンさん・・・用事とはなんです?できればさっき会ってる時に言って欲しかったわ」
まあそうなるよね!でもプレシアの人柄をエルスさんと確認したかったから仕方ないじゃん?
「アンタに提案がある」
プレシアの訴えを無視して言ったあたしの言葉に不思議そうに首をかしげる。
「あたし達【輝夜】を護衛に雇わないかい?うちのメンバーはAランクの魔物と単体で戦い勝つことのできる者たちだ、疑うならギルドで調べてもらっても構わない、それに・・・・・試練の【軍】にあたし達が出ればかなり楽が出来るよ?」
知と武はプレシアが頑張ればいいけど【軍】は人材が勝利の鍵となると思う、少しでも手伝えばかなりプレシアが楽になると思う・・・・・それに・・・・・・・国の事を真剣に思う奴を放っては置けないしね!!
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