殴り飛ばす可能性が高かったから良かったよ!!

「ポーラ、テレス今からお出かけしてくれるかな?」


あたしの言葉に二人は不思議そうな顔で頷く。


「「何なりと」」


「急いで実家に戻りな、あたしの考えすぎならいいが、もしかしたらやばいかもしれない」


あたしの言葉に二人はハッとした顔になる。


「シン、ライ、ミズキ、蒼天も一緒に行って、蒼天は宿を出るとき皆を見えないようにして」


「クワッ」


「あたしを監視してるならあたしは動かない方がいいからここに残る」


あたしの言葉に皆が頷いた。


「あ!テレス、ポーラこれを」


二人にミスリル聖貨を一枚ずつ渡す。


「レン様なんですかこれは!いただけません!!」


「これは・・・・私達は首という事ですか?」


二人が詰め寄ってきたので笑いながら首を振る。


「これはいつも頑張ってくれている二人に特別給金だよ、前にエルスさんにはメイシェル王国の王都の土地を特別給金として渡したけど二人にはまだ何も渡してなかったからね、実家に帰るついでにと思ってね」


あたしはニコニコしながら説明すると二人はエルスさんの方を見た後にため息をつき、深々と頭を下げる。


「ありがとうございます、我々は貴女に仕えることが出来てとても幸せです」


「私達の忠誠心の全ては貴女の為に」


「大げさだよ?いつもあたし達がお世話になってるんだ、それにエルスさん、テレス、ポーラはもうあたしの家族も同然なんだよ、お礼を言うのは当たり前だろう?」


あたしの言葉にエルスさん達は嬉しそうに微笑んだ。


「それで、さっきの話なんだけど、あたしの勘違いだったらそのまま少し実家でのんびりしてきていいからね?こっちはヤバいと思ったらアズエルに帰ってるから慌てて戻って来なくていいからね?」


その言葉に移動組は皆が頷く。


それから移動組は移動する為の準備をした後すぐさま出かけて行った。





「エルスさん、皆が戻るまでは此処に居る事にする、ただ子供達はあたし達と一緒じゃないと外に出ないようにしてもらっていいかな?」


「もちろんですわ」


もし人質になんてされたらあたしはそいつら許すことはできないだろう、王族だろうとそいつら相手に暴れる自信があるからね!!


そんな事を考えていたら扉をノックする音が聞こえた。


「レン様私が行きます」


カナデが扉に向かって歩いて行きしばらくしたら戻ってきた。


「レン様にお客様ですがどういたしましょう?」


「誰が来たの?」


「プレシア様です」


・・・・・来てもらいたくない人が来たよ、あたし確か監視されてるんだよね?これってかなり厄介な事になるんじゃないのかな?まあ会うけど。


「会うよ、一人だった?」


「はい」


護衛のあの女が来ていたらまた殴り飛ばす可能性が高かったから良かったよ!!


「こんばんは」


「ども」


あたしの向い側に座ったプレシアにエルスさんは紅茶を用意してあたしの後ろに控えた。


「今日の事を謝ろうと思ってね、泊っている所を調べて来たの」


そう言った後深々と頭を下げる。


「私の護衛が貴女を侮辱したこと、家族を侮辱したこと、友を侮辱したこと、本当にごめんなさい、護衛の責任は私の責任、貴女の気のすむまで殴るなり蹴るなり好きなようにしてください」


この人はまともなんだよなぁ・・・何であんな護衛を付けたんだろう?


「謝ってもらえばそれでいいよ、一つ聞くけど何であんなの護衛にしたの?」


「彼女は我が家に仕える騎士なのですが、我が強いと言いますか、王族に仕えそれを誇りすぎるきらいがあって・・・注意はしているのですがあまり聞かなく」


「それは忠誠心じゃなく、自分に酔ってるだけじゃないの?」


その言葉がしっくりくると思うんだよね、仕えてる主の言葉を聞かないとか騎士としてダメじゃん?


少なくともメイシェル王国の騎士はケインにそんな態度はとらないし・・・・・なんていうか彼女は騎士ごっこで偉ぶる子供みたいな感じがする。


あたしの言葉にプレシアはあ然とした顔をした後、大笑いをし始め部屋の中に笑い声が響く。

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