【狐の寝床】に食べにいこー!!

「なあレン、キングの死体はどうした?」


「ん?『アイテムボックス』に入ってるよ」


「なら・・・ここにだしてもらえるか?」


室内を見渡して出せそうなスペースにだした。


「確かにキングだ・・それとこの剣と鎧はレスティのものだ・・・・」


震える手で剣を握り歯を食いしばっている。


知り合いのものなのだろうか?


「その剣の持ち主しってるの?」


「ああ・・・・飲み仲間だよ・・・・Bランカーで確か3週間前に護衛依頼で街を出ているはずだった」


「そう・・・身内は?」


「カミさんとそのお腹に子供が・・・・」


「その剣と鎧奥さんに・・・届けてあげて」


ばっと驚いたようにこちらを見るアレックスにあたしはそう言う。


「キングを倒したからこの剣と鎧の所持者はレンだがいいのか?この剣も鎧もかなり高額でうれるぞ?」


「かまわないよ?お金なんかより・・・・遺品があった方が・・・気持ちに整理がつけられるとおもうし・・・・・」


「ありがとう・・・・・」



アレックスが一度退席して10分くらいしたら戻ってきた。


「待たせて済まないゴブリンキング討伐の報酬・・・金貨5枚だ受け取ってくれ」


金貨5枚か・・・・うーん・・・・・あっ!!


「その金貨5枚を使ってギルドに依頼を出したい」


「依頼?」


「んだ!依頼内容はこのアズエルギルドFランカー全員の教育・・・・・戦い方・剝ぎ取りそのほかのイロハを高ランカーに指導してもらいたい」


「・・・・・・・それは・・・君にメリットが無いのではないかい?」


Fランカー3人組を指さしながら


「あるよ・・・あたしはこの子達と知り合っちまった、そんな奴らが死んだなんて聞かされた日には飯がまずくなる」


「は?」


「うまい飯を食べたいからそういうリスクを減らす・・・かなりのメリットだろ?ほかのFランカーはおまけだ」


まあぶっちゃけ金貨5枚もらったとこでそれ以上持っていてつかわないだけだし、仕事をしたのは、ニア達に呆れられない為なのだから。



部屋にいるアレックス・レズリー・フィーナ・Fランカー3人組が一斉立ち上がりあたしに向かって頭を下げた。


「ギルドマスターとして礼をいう・・・ありがとうございます」


「気にしなくていいよ、ただの気まぐれよ」


集落と周囲探索の結果は後で教えてもらえることになり、Fランカー教育もまかせることになり、今日はお開きになった。


後日あたしはこのFランカー教育を考えた事を後悔することになる。




「ギンガ今日は大活躍だったから【狐の寝床】に食べにいこー!!」


「ガルゥ♪」


【狐の寝床】とはニア達家族と食事をした店でギンガのお気に入りなのだ。

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