レディース異世界満喫禄

閑話 本当の実力者２

ギンガに案内された場所は崖の上だった。

その崖に隠れるようにゴブリンの集落があった。

「なんて規模の集落・・・・・」

そう、家の形をしたぼろい建物がかなりありたぶん２００匹はいるように見える。

この規模だとＤランカー10人くらいは必要だと思う。

「3人はここから逃げたゴブリン討伐。あたしとギンガでアネットを助ける、それでいく」

突然レンがを木の棒を取り出しながらそう言い始めた。

「「「え？」」」

当然私達は納得できるはずもない。

私だって16歳でＤランカーになって中々強いのだ、反論しようとしたころで。

「あんたらは足手まといだ、ギンガと一緒に闘った方が安心できる」

そう言われると皆黙ってしまう。

「じゃあ行ってくる」

こっちを無視したように崖をギンガと一緒に飛び降りていった。

それから起こったことはただの殺戮。

レンの攻撃を受け上半身が吹き飛ぶ者、逆に下半身をなくすもの、頭を吹き飛ばされるものもいた。

だが、殺戮を起こしている本人、レンの動きが、とても美しいのだ。

一流の踊り子が、剣をもち舞っているように。

あの戦い方は武器の性能に頼った戦い方ではなく剣術・・・技術がかなり高くないとできる戦い方じゃない。

「すげえ・・・・・あの人・・・・」

「本当に2人で終わらせられるよ・・・・これ」

一緒についてきた男の子達が啞然としながら見つめている。

「「「は？」」」

また・・・・非常識なことが起こった。

ゴブリンアーチャーが放った弓矢を勢いを殺すことなくゴブリンアーチャーに返したのだ。

何言ってるかわからない？私もわからない！

そしてゴブリンマジシャン１０匹が放った魔法を全て切り裂いたのだ！！！

「魔法って切れるんだ・・・・」

啞然と信じられなさそうにトビアが呟いた。

戦いが終わったのかレンがギンガの頭を撫で始めた。

その次の瞬間レンが2メートルくらい弾き飛ばされた。

「レン！」

思わず転がっていくレンを見て悲鳴を上げてしまった。

でもダメージを受けてないのかぴんぴんしていた。

レンの前に出てきたのは

「「「ゴブリンキング・・」」」

ゴブリンキングの剣から放たれる攻撃を何回か受けたあとは全部躱していたけど普通最初の一撃で死んでるはずなのだ。

私なら絶対死んでる！断言できる。

そして最後はゴブリンキングを投げ飛ばしてとどめを刺して終わりだった。

私は16歳でＤランカーになったと調子に乗ってたところもあるだろう。

でも今日本当の実力者を見た。

私の目指すべき人はこの人だ・・・・・・そう思った。

「どこまでもついていきます・・・・お姉さま！」