閑話 それぞれの衝撃2
私はアストレイ・アズエル。
この地の領主をしている。
今日緊急事態がおきた。
エレメンタルウルフが街に現れたという使いが来たのだ・・・・・が・・・その10分後くらいにまた使いがきて簡単な情報を持ってきた、そしてその騒動の中心人物の女の子を交えてギルドで話し合いがあるので出席して欲しいという。
なのですぐさまギルドに向かう。
「すまぬな、皆、待たせた、始めてくれ」
部屋に入って問題の女の子を見ると確かに美しい、それとその隣に大人しくエレメンタルウルフがすわっている。
近くで見ると美しい毛並みだ。
話を聞いていてエレメンタルウルフと単騎で戦って勝った?信じられん・・・・・
「あと君の身分証を見せてくれないか?ギルドカードでもいいよ」
アレックスの問いにレンは「旅しててもってないよ?」と答えたので私達はあることに気付いてあ然とした。
「・・・・あなた【渡り人】ね?」
【渡り人】・・世界を渡る際様々な力を得るという・・・・ならばエレメンタルウルフに勝てるほどの力を得てもおかしくないのではないだろうか?
「で?あたしが【渡り人】だからどうかするつもり?」
警戒したようにこちらを見つめる彼女に
「別になにもしないわよ?そもそも今回の集まりはそのエレメンタルウルフに危険性があるかどうかを確認するためのものですもの」
とエリアルが答えた。
「ならこの子に害意がないのはわかったでしょ?もう解散でいいの?」
確かにもう脅威ではないと分かったから帰してもいいかも知れない。
が・・・最後に彼女が退室する前にこちらに向かい合い
「あと一つ・・・この子をあたしから奪おうとかこの子を討伐だとかになった場合・・・・どうなるかわからんからな・・・・人も街も」
そう言って部屋を出て行った。
「さて・・・・どう思う?あの子?」
私は3大ギルマスに先程の女の子の感想を聞いてみる。
「・・・・あの殺気・・・小娘がだせるもんじゃない・・」
そう部屋を出るときに彼女は殺気を出したのだ・・我々が雪山にいるかのように錯覚させるほどの殺気を。
「ブロードさんあなたは彼女にかてますか?」
「無理だな・・俺はエレメンタルウルフに単騎で勝てるほど強くない」
ガイズが真顔で
「なら話はまとまったなアストレイ、馬鹿な貴族にしっかり通達しとけ、へたすれば街が滅ぶからな」
「まあ、信頼を得るまで大変だけどもしかしたら向こうの技術とかも教えてもらえるかもしれないし各部門とも気を付けておいてあげましょ?それに・・・今の彼女は本当に1人なんだから」
エリアルの言葉に皆はっと思い当たる。
そうだ、彼女は【渡り人】家族は別世界にいるのだから。
人としても親としても彼女が困っていたら助けてやらねばと思うのであった。
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