なんでばれたー!!

第2会議室で待っていたのは3人の男女だった。


いかにも仕事ができますと言いそうな20代の女性。


爽やかな笑顔でこっちを見つめているイケメン。


いかにも頑固な職人面の男の3人だ。


イケメンがあたしたちを案内して来た男性に話しかけてきた。




「ブロードさんご苦労様です、すいませんがこのまま話に参加してください」




「ああ、わかった」




「あとすいませんがもう一人参加しますので、少しお茶でも飲んでおまちください」




待つこと5分くらいだろうか最後の一人とやらが部屋に入ってきた。




「すまぬな、皆、待たせた、始めてくれ」




金髪の40代のイケメンが話を始めてくれと述べる。




話の進行役がきまっているのか爽やかイケメンが話し始める。




「さてまず、そちらの黒服のお嬢さんに自己紹介といこうか」




にっと微笑んで自分を指さして




「私はグランドギルド、アズエル支部、討伐、採取部ギルドマスター、アレックス・エビオンだ」




次に20代の女性が立ち




「次は私ねグランドギルド、アズエル支部商業部ギルドマスター、エリアル・クシュナよ」




次に職人面の男が立ち




「俺はグランドギルド、アズエル支部職人部ギルドマスター、ガイズ・アッシュナーだ」




最後に金髪の40代イケメンが立ち




「私の名はアストレイ・アズエル、アズエル領の領主だ」




は?領主?領主って偉い人じゃなかったっけ?なんでこんなとこにいんの?


あたしの方を見てあたしの言いたいことが分かっているとばかりに言葉がつむがれる。




「A級モンスターが現れたという事はそれほどの事態ということだ」




向こう側の自己紹介がおわったのであたしも名乗る。




「旅人のレンです、あとそっちの2人はニアとエステル」




そして森での出来事をレンと説明した。




「なんとまあかなり濃厚な体験をしたなぁ君は」




アレックスがあきれたように言いながら




「あと君の身分証見せてくれないか?ギルドカードでもいいよ」




え?もってないけど・・・ここは素直に持ってないと言おう。




「旅しててもってないよ?」




その一言で向こうの4人が驚いた顔をした。


エリアルが代表して恐る恐る尋ねてきた。




「・・・・あなた【渡り人】ね?」




?????




「渡り人ってなに?」




首をかしげながらきてみる。




「別の世界から何らかの形でこちらの世界に来た人のことよ」




なんでばれたー!!!




「なんでわかったって顔してるけどすぐわかるわよ?この世界では身分証は誰もがもっているわ。


貴族なら貴族証、平民なら市民証かギルドカードをね。持っていないのはあり得ないのよ。


それに街に入るときは必ず身分証のチェックがあるわ」






おおおう・・・・予想外だ!!

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