第12話 約束
髪を乾かし部屋に戻ると、アリアがベッドに座って待ってた。
「一緒に寝る?」
アリアの突然の提案に、思わずドキリとする。
彼女の目が少し照れくさそうに僕を見つめている。アリアの頬がピンクに染まり、
「へ、変な意味じゃないわよ!旅で疲れているだろうし、こんなにふかふかで素敵ななお布団があるんだから、ここで寝なきゃだめよって言っているの!ベッドが一つしかないんだから仕方がないじゃないっ!!
それはまあ、手くらいつないであげてもいいけど。。。」
照れた様子に、胸が暖かくなる。
彼女の純真さ、まっすぐな気持ちは何よりも魅力的だ。
「ありがとう、アリア。よろしくお願いします。」
と言って手を差し出すと。彼女はおずおずとその手を差し出して、握手をした。
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「はじめての海はどうだった?」
手をつないだまま同じベッドに横になっていると、アリアが聞いてきた。
「きらきら輝いていて、まるで宝石みたいだった。
潮騒も、その香りも含め、すべて思っていた以上にすばらしかった。
ありがとう、アリア。アリアがいてくれたから、特別なものになったよ。」
そう答えると、彼女は照れくさそうに顔をそむけた。
「ねぇ、これからのことなんだけど。」
躊躇いがちに、彼女の親指が僕の手の甲を撫でる。
「ヴィクトルが良ければ、、、一緒にお祖母様の家で暮らさない?」
言葉に、未来への期待と共に少しの不安が交じる。
「それはここみたいに快適じゃないけど、新鮮な食べ物もたくさんあるし、なにより海獣も来ないわ。」
彼女の目が輝き、新しい生活への情熱を感じさせる。
「まだ食べさせてあげてない料理もたくさんあるから、全部食べさせてあげる。」
彼女の笑顔が僕に向けられ、その柔らかな表情が心を温かくする。
「一緒に暮らして、たくさんお話して、たくさん笑い合うの。」
彼女が微笑みながら言う。
「季節ごとの遊びだって教えてあげる。ヴィクトルは雪とか見たことないんじゃない?すごく冷たいのよ。」
彼女の目が冒険への誘いをしている。
「そしてまた、たまにまた、二人で海を見に来るの。
二人でおじいさんとおばあさんになって、こう言うの。
今日も一日、良い日だったって。」
彼女の顔が少し切なげになる。未来への期待と共に、今の時間の尊さを感じる。
「だからどうかな。」
彼女の握る手に、力が籠る。
「ヴィクトル…。私と一緒にいてくれないかな?」
彼女の瞳が僕を見つめていた。
海の藍のようだと思った、その瞳。
そして、僕にっとて何よりも美しいその瞳が、僕がうなずくのを不安げに待っていた。
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エ様『これ、、、もう、プロポーズじゃろ?』
門東『私もそう思えてきました。』
エ様『こう、、、ばがっと行かんのか、がばっと?』
門東『・・・おや、こんな夜更けにだれだろう?』
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