うたそら八首連作「わかるよ」
(思い立って書き始めただけあって、ここで紹介する連作のうたそら掲載時期は順不同です)
これは初連作だっただろうかどうだっただろうか。女子アナの歌についてフォロワーさんのnoteで触れてもらえたの、嬉しかったな…。
私は「わかると表明すること」「自分がわかった気になること」に対してすごく警戒していて、どちらかといえば「よくわかりません」というスタンスを貫くことで安全圏にいたい方だ。良い歳した大人としてはどうかと思うし、一応わかった風を装うくらいのことはするけれど。それにしても、「わかる」と「わからない」はどちらが自らの身を守れるだろうね?(もちろん、知識が身を守るということは疑いようのない事実。そういう話ではなくて、人間関係における話だ)
歌にしても、私が詠む主体はいつもあやふやで、何かを言い切ることをあまりしない。気がする。三十一文字は「背景や詳細の説明」を省ける分、さもそれが真実であり真理のように言い切ることができるはずなのに、詠み手の性格が出てしまうんだなぁ。
誰かに対して「わかる」って、どういうことだろうね。踏み入った「わかる」なんて、地雷でしかないと思っているよ。
なんとなく目覚めればまだ不安げなパウダールームみたいな朝だ
豆乳の白ではない白注ぎつつ知らない国の惨劇を観る
開襟のシャツから喉笛覗かせて敵ではないこと示す女子アナ
dボタンから参加して多数派に属することだけ期待する、赤
いま暇?と問われて困る大量のブラジャーなどを手洗いしてる
ドーナツの穴なのだろう旧姓に戻った友が失くしたものは
晒し合うほど子供じゃないコーヒーに沈んだ氷は存在しない
暮れなずむ時にようやく曖昧を許せる気がして「わかるよ」と言う
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