どう? どんな気持ち?


 私はスマホのカメラを用意してから、馬鹿みたいに座っている心悠莉の膝の上に座るように、乗った。

 正直、抵抗はあるし、普通に嫌だ。

 でも、こうしないと、直接私の唾液を心悠莉の口の中に入れるなんて、出来ないから。

 心悠莉は座ってるんだし、立ってでも一応は、出来るかもしれないけど、普通に失敗して、心悠莉の顔に私の唾液がかかるだけになっちゃったら、私以上の後悔なんてさせられない。

 だから、狙いを外さないように、渋々、私はこうしているんだ。


「……伶乃?」


 すると、何を勘違いしたのか、私のことを抱きしめてきながら、私の名前を呼んできた。


「口、閉じるなって。次、喋ったら、怒るから」


 そして、そう言うと、心悠莉は無言になって、こくこくと私に向かって頷いてきた。

 さて、さっさと飲ませるか。

 

 そう思って、私は狙いを外さないように、ギリギリ心悠莉にバレないラインを見極めて、顔を近づけた。

 そしてそのまま、舌を少しだけ出して、心悠莉の口の中に私の唾液を垂らしてやった。

 

「飲んで」


 心悠莉が吐き出しても困るから、一言だけ、そう言った。

 すると、直ぐに心悠莉は私の唾液を飲みやがった。

 ……全然気がつく様子もないし、まだ、飲ませられそうだな。

 待てよ……これ、動画に撮って、後で心悠莉に送ってやろう。

 やばい。我ながら、最高すぎる。

 催眠術が切れた時、そんな動画が送られてきたら、心悠莉は本当に絶望すると思う。


 そう思った私は、心悠莉にバレないように、スマホの録画ボタンを押して、私と心悠莉が映るように、その辺にスマホを立てかけた。

 そして、スマホにちゃんと私たちが映ってるのを確認して、私はまた、少しだけ舌を出して、心悠莉の口の中に自分の唾液を垂らした。

 今度はさっきより多く。

 そして、心悠莉がまた、飲み終わった頃、私はわざと、心悠莉の口の中じゃなくて、顔に唾液を垂らしてやった。


「心悠莉、もう喋っていいよ。目も、開けていいから」

「……れ、な?」


 あぁ、笑いが込で出来そうだけど、まだ、我慢しないと。


「ねぇ、心悠莉、さっきから、何か飲んだでしょ? なんだと思う? ちなみに、その顔にかかっちゃったやつもそうだよ?」

「……ぇっと、何、これ?」


 分かんないよね。そりゃ、分かんないよね。

 ふふっ。大丈夫、ちゃんと、私が教えてあげるから。


「これだよ」


 そして、私はまた、少しだけ舌を出して、心悠莉が見ている前で、心悠莉の顔に唾液を垂らしてやった。


「ぇ」

「ふふっ、どう? どんな気持ち? 私の唾液を飲んだ気持ちは?」

「……うれ、しい」


 は? ……いや、何、言ってるの? 

 私がそう困惑していると、心悠莉はそのまま、私のことを器用にゆっくりと、押し倒してきた。

 

「お礼に、私のも、飲んで、いいよ」


 そう言って、心悠莉はさっきの私みたいに、舌を少しだけ出して、私に唾液を飲ませようとしてきた。

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