サボるなよ
はぁ、今日こそ、学校サボろ。
昨日、お風呂でカメラをつけちゃったこと、全然忘れられなかったし。
目が覚めて、そう思った瞬間、インターホンが鳴った。
……心悠莉、だろ。こんな朝から、あいつ以外には考えられないし。
そう思った私は、耳を塞ぎがながら、布団に潜って、目を閉じた。
すると、直ぐに意識が薄くなっていって、眠りにつけそうだったのに、心悠莉から、電話が掛かってきて、一気に意識を覚醒させられた。
私は思わず舌打ちをしながら、スマホの音を切った。
そして、今度こそ、眠るために、目を閉じた。
すると、いつの間にか、ちゃんと眠れていたみたいで、お昼頃に目を覚ました。
……結構、寝たな。
まぁいいや。お昼ご飯でも食べよっかな。
作るのは面倒だし、久しぶりに、近くのラーメン屋に食べに行こうかな。
最近は、心悠莉を後悔させることばっかり考えて、ずっと心悠莉と一緒にいたから、今日はサボってよかったな。
心悠莉は、まだ学校だろうし、一人でゆっくり、食べよう。
そう思った私は、適当な服に着替えて、お金を持って、家を出た。
スマホをチラッと見た時、心悠莉からのメッセージがいっぱい溜まってたけど、既読をつけながら、特にメッセージを返すこともせずに。
めんどくさいし。
「……伶乃、何してたの?」
「は?」
そうして、家を出た瞬間、心悠莉が家の前にいて、そう声を掛けられた。
いや、なんで、こいつがここにいるんだよ。……学校は? ……サボったのか?
「なんで……学校は?」
「そんなの、どうでもいい。それより、早く、私の質問に答えてよ」
……どうでも良くないだろ。
サボるなよ。学校。……大事だろ。学校。
……私が言うなって話かもしれないけど。……一応こいつ、優等生だろ。サボるなよ。
と言うか、こいつ、いつから私の家の前にいたんだ? まさか、あの、朝にインターホンを鳴らしてきた時から? ……頭、おかしいのか?
「伶乃? 答えられないの?」
あぁぁぁあ、もう、ウザイな。
変な噂がたったら、どうしてくれるんだよ。
……いや、惚れ薬を使ってから、こいつがおかしいのは今更だし、今はこいつを利用して、後で後悔させることだけを考えよう。
「心悠莉、お腹すいたから、ご飯、作って」
そう思って、私は心悠莉のくだらない質問を無視しながら、そう聞いた。
「…………別に、伶乃がそんなに食べたいって言うなら、いい、けど」
「うん。食べたいから、早く」
こいつ、料理は私と同じくらい上手いし、まぁ、ちょうどいいかな。
変な噂が立つ可能性を考慮しなかったらだけど。
「うん」
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