忘れてた
授業が終わって、放課後になった。
はぁ、やっと終わった。さっさと帰ろ。……今日は心悠莉と関わりすぎて、疲れた。
「伶乃、一緒に帰ろ」
そう思って、一人で帰ろうとしたら、心悠莉にそう声をかけられた。
……嫌だけど、まぁいいや。どうせ、いつかこいつは後悔するんだし、今は人の目がいっぱいあるし、一緒に帰るのを断って、また悲しそうな顔をされるのも面倒だし。
「勝手にしたら」
「うんっ」
相変わらず、適当にあしらってるのに、嬉しそうにして、頭おかしいんじゃないの。……これが恋は盲目ってやつなのかな。
まぁ、どうでもいいか。
そう考えながら、荷物を持って、私は学校を出た。
「お仕置、楽しみだね」
そして、少し歩いたところで、隣に並んでいる心悠莉がそう言ってきた。
「……お仕置?」
「伶乃? 忘れたなんて言わせないよ?」
私が首を傾げてそう言うと、心悠莉は急に雰囲気を変えて、私に抱きついてきながら、そう言ってきた。
あー、そう言えば、そんな話、学校に来る前にしてたっけな。……こいつが、ああいうことをした後に手を洗ってなかったショックが強すぎて、忘れてた。
「あー、覚えてるよ。……覚えてるから、離れて」
「……嫌なの?」
嫌に決まってるだろ。……でも、そんなこと言ったら、また面倒なことになると思うし、どうしようかな。
「……外だと、恥ずかしいでしょ」
「じゃあ、家だったらいい?」
……まぁ、抱きつかれるくらいなら、家ならいいか。
家なら、人目もないし、夏じゃなければ、別にいい。
そう思って、私は心悠莉に向かって頷いた。
すると、心悠莉は嬉しそうに、はにかんでいた。
そして、そんな心悠莉を無視して、歩いていると、家に着いた。
私は何も言わずに、私の家に向かおうとした所で、心悠莉に止められた。
「……何?」
今日は精神的に疲れたから、早く休みたいんだけど。
「お仕置は、私の家でしたい」
あー、お仕置、また忘れてたわ。
はぁ、心悠莉の恥ずかしい写真を撮るって話でお仕置をしてもいいって話だったっけ。
約束を破るのは嫌いだし、仕方ないか。……どうせ、胸を触られるだけでしょ。普通に嫌だけど、心悠莉の恥ずかしい写真はちゃんと撮ってるんだし、我慢するか。
「分かったから、もうさっさとして」
「うん」
私はさっさとお仕置とかいうのをされて、さっさと休むために、心悠莉について行って、心悠莉の家の中に入った。
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