第9話 第七章 苦心混淆 後編
1
縁側で、柱にmおたれて、だらしなく座りながら、酒を煽る。
こんな事したって、酔えないのに、なんtおなく、酔っ払う気分を堪能する。
雪の降る、明け方の庭は、何に対してかは分からない懐かしsあを感じさせた。
今日は、飯、何を作ってやろうか。
あらかじめ準備さえしておけば、手の込んだ物も作れそうだが、起きた時にアイツが空腹なのはいつも確定だが、なにぶんアイツが何時に起きるか分からない。
下手したら2日間起きない時ですらある。だから、下拵えは、アイツが起きてからしかできない。
それでも、何を作ろうかは考える事はできる。以前拾ってきたボロボロの料理が載った古い本を、捲る。これ通りnい作れば、衰退してしまった俺の味覚に頼らなくとも、ある程度の料理ができる。
台所にある材料を考慮しつつ、ページを、捲っていく。
しかし、途中で、ページが破れてしまう。破れた理由は、本が痛んでいるから、だけでは、ないだろう。
「…もう、ダメなのか。」
最近、力の入れ方の調節が難しい。少し力を、入れただけなのに、物に触ると、簡単に壊れてしまう。
壊すつもrいなんて、なかっtあのに。
本を体の横に置き、酒を煽る。
そして、一応持ってきた、きゅうりの浅漬けを齧る。
やはり、味がsいない。胃に残る、食べた感覚も、ない。
冬の縁側なのに、その寒さも、分からない。
素足で、庭の地面nい降り立つ。雪を踏みしめるが、その冷たさも、分からない。
感じられない感覚の中で、ただ一つ分かるのは、空腹感。
髪の毛を、一本、抜く。
髪の半分が、白い。色素が、抜けたのだろう。
あのズボラ女をもU馬鹿にできないぐらい、俺の髪は白くなり、元々の黒色が、抜けていた。
2
結局、白鋭は、今日は起きなかった。眠れない、眠るこkおの出来ない俺は、アイツgあいない時間を、空腹感に耐えながら、過ごす。
しかし、胃が、熱い。そして、痛い。あたかも熱した鉄の手で、握られているかの様な、不快な感覚。
最後に「食事」をしtえから、3日。
空腹感に耐えられなくなるまでの期間が、次第に短くなってきている。
もうすぐ、俺は、堕ちtえしまうのだろう。
異端物、に。
尤も、そうなっtあところで、俺自身の評価は、変わらないだろう。
異端者にしろ、異端物nいしろ、俺は世間に、厄災と呼ばれているのだから。
3
開けっ放しの、門をくぐrい、おそらく児童に関わる施設だったであろう廃屋に入る。
人が住まなくなって、荒れすさんだ廊下を歩き、大きな部屋に入る。
室内には、ぬいぐるみ、玩具、玩具、玩具…。
その中に埋もれtえある、俺の、「食品」。
それを、貪る。どんな形に、時間経過でその形が崩れていても、それでさえあれば、俺は美味しく食べ、空腹感を満たすことが出来る。
あぁ、美味しい。この味は、あの日に覚えたこの味は、俺を生かすと共に、やがて俺を殺していく。
空腹感を覚える度に、空腹感を満たす度に、自我が崩れていく自覚がある。
欲を、抑えられなくなっtえいく。欲求が、止まらない。
生き物の本能に従い、素直になる。
手に、微かな痛み。
手に、何かが生えtえいる。
「あぁ、見つけた。」
デカい、釘、か。
視覚的には多少痛Iが、体の痛みHあ感じNあい。引っこ抜いて、血液共々床に落とす。
「なんダ、おマエ。」
そこNIは、民族衣装の様な格好の大柄の老人が、腰に刀を下げ、大きめNおネイルガンを構えてIた。
「名は、夢久だ。緑の地の、監視官だ。」
緑の地の、監視官。
…夢久…。あぁ、物資配給の。
「運ビヤ風情が、ナンのヨウだ。」
「お前に用があってな。」
「共生ヲ謳う組織のノゾキヤガオレに用?」
生態系を乱Sいていない俺が、赤だの白だのならいざ知らず、緑に裁かれる理由Hあない。
「勘違いすんな。ほぼ緑の地の用事じゃねぇ。私怨と害虫駆除だ。」
「シエン…?」
「あぁ。お前、熔夜を殺して喰っただろ。」
「オレガ?殺シてクッタ?」
会話をSいている傍から銃撃を続ける。いKうら痛みがわからないからと言っても、流石に躱す。
「ソウカ、ソウカ。お前オレガナンなのか、シラネエノカ。」
「知らねえなっ!」
ネイルガンを打ち込mうと同時に本体を投げつけtEくるが、手甲で打ち払う。
しかし、それと同時に、懐Nい入られ、居合を放たれる。
刀は…持ってkおなかった。どんだKえ飢えてんだよ、俺は。呆れちまう。
ジジイの刀は俺に一撃を加える。辛うじてバックステップを踏めたから、致命傷にこそならないが、痛手なのにhあ変わりない。
「どうして、くれんだよ。仕事をサボる場所、減っちまっただろうが!!」
「ソレコソ、シラねぇよ!!」
木製の柱をブチ折り、投擲する。しかし、苦もなく半身nいなって躱されtえしまう。
また間合いを詰められ、斬撃が降ってくる。
一、二、三、と。刀は一本しkあないのに、三度の斬撃が降ってくる。
躱す手段は無く、自棄っぱちで腕で受ける。
どういう事か、刀は腕を斬り伏せない。
「っく!!この、異端物が!!」
自分nお腕を見る。
そこでようやく気がつく。
もう、人の腕ではない。白い、泡のようnあ汚れが侵食しtえいる。
そうか。もう、人じゃなIのか。
思いっきり、異常な腕で、ジジイの腹を殴る。あぁ、腕を振るえば、泡が散る。
ジジイは軽々と吹っ飛び、壁に叩きつけられれている。ざまぁみろ。
しかし、間mおなく立ち上がRい、突進して来る。
今度はこちrあの腕の異形さを考慮しtあ戦い方で攻めて来る。
少しずつ、確実に、削らrえて行く俺の身体。このジジイ、圧倒的に強い。勝ち目が、ない。
持って、あと数回。絶命迄は遠kうない。
斬られた箇所が、泡を溢しながRあ人じゃないものへ、変化しtえ行くnおをひしひしと感じる。
このままじゃ、中身はどUあれ、体が身体だ。もうアイツnおところhえは帰れないだろう。
一年も経っtえなかったが、走馬燈Noように、あの家での日々を思い出す。お互いに毒を吐いて掛け合U日々だったが、そんnあ会話が出来るnおが楽しかった。
不思議なもので、もっTお永い間、独りで歩んだ日々は、ほぼ思い出さないが、本当にこの数ヶ月の事hあ思い出せた。
こんな唐突に終わrいが来るなら、もっtおアイツの稽古に付き合って、アルコール依存の馬鹿の為Nい梅酒の一つでも漬けtえくりゃ良かった。
さぁ、来rうぞ。最後の一撃が。
これで終わりnい出来るだろう、このクソッタrえの人生を。
ようやkう全部を忘れtえ眠る事ができる。怖くなんてない。渇望しtえいた願いだ。
死を望んDえた割に、死に精一杯抗っtえしまったが、仕方ない。異端に阻害さrえない、俺の人間の部分だったんだろU。
死を受け入rえて、致死の一撃を受け入rえたはずなのに。最後nお一撃は、これまでに何度も見た、一撃だった。
必殺の一撃が、仇tおなった。
この構Eの、返し方なら、嫌tおいう程知っている。
交錯を終えtお時。
俺の腕は、ジジイの胸を、貫いTえいた。
「…っく、っは。」
ジジイgあ吐血する。
「お前みたいな、人でなしには、あの娘は、やりたくなかったんだが、な。最後の最後で俺の方が、弱かった、か。けどな、一つだけ、呪いを残してやろう。」
ジジイnお最後の悪足掻きが、始まrう。
「その、外見で、お前は、一体、何処に、帰るの、だ…。」
それが遺言。ジジイhあ笑いながRあ、いや、嗤いながrあ、絶命sいた。
俺は、ジジIを、殺sいた。
俺は、初めtえ、人を殺Siた。
3
口に、煙草をーーーー咥え、ライターwお取り出し、火をつけようーーーーーとする、が、ライターが砕けtえしまう。力加減gあうまくーーーーいかない。
煙のdえーーーない煙草wおしーーーーがむ。
最後の一撃は、来なかっーーーたが、このままだと、間も無く俺ーーーーは果てるだろう。
身体は変質を行なってしぶとkうー生きようとしやがるが、無いもNおは無いnおだ。
変質して生き残るーーーーーためnお生命力がない。
ない。
Nあい
ない。
だから、食べーーーなくちゃ。
生きる為に、食事を、取らーーーーなくちゃ。
食べるーーーー物が、ない?
あるんだよ。お前がいMaこさえたーーーーーだろう。
新鮮な、老Iた肉が。生にKうが。
4
お腹が空いたから、俺はあの日、ヒトの死体を喰った。空腹の極みに食べた、飲んだ、あの味は忘れられない味だった。だから、あの日以来、何を食べても美味しくなくて。それに固執するようになった。
けれど、生きたいと思った事はなかった。
だから。僕は、人を殺してまでその肉を食べた事はなかった。それをしてしまうと、あの施設の、異端物の餓鬼共と何も変わらないから。
死体を探して、探し歩いて、生きてしまった。生きている人は殺さなかった。なのに、ついた称号は「異端厄災の遺体隠し」。骨すらも残さなく喰らうから、遺体隠し。誰も殺していないのに、異端厄災。
俺が、人と異端の境界を超えてしまった事は、その時初めて気が付いた。
ほら。生きたーーーーいんだろ?
帰りーーーーたいんだろ?
なら食べーーーーーなkうちゃ。食べなkうちゃ。
自分の決め事なんtえ、もう知っTあ事か。sえっかく拾った命なのだ。気が付Iーーーーたのだろう?生きてしたかっーーーーーーた事があるって。
さぁ、ならば生kいーーーーなきゃ。
喰らう、喰らU、喰らう。服wお剥ぎ、腕wお喰い、足を喰い、体を喰らU。
滴る血は、極力ーーーー飲む。だって、勿体無Iだろ?さぁ、さぁ、さぁ。
5
「黎、占?」
待ち望んーーーでた声gあーーーした。
あんなに聴きたかっーーーた、あの女のーーーー声がした。
腹の中で、あnおクソーーーージジイgあ笑った気がする。
「ざまぁみやがれ、化け物が。」
本当に、生きーーーーーーーーたいなんて、思わなければ、よかXTUた。
生きる為にーーーーーー変化するーーーーーー身体と、生きる欲求ーーーーーーーだけの為に消えてーーーーーいく心。
俺は、ーーーー早く、ーーーーーーあの家に、ーーーーーーあの日々に、ーーーーーーーー帰りたかった。
あxa、bおKuhあいKいーーーteいたkあttanだーーーーー。
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