第15話 折上と独自創作論のはなし──弐

 続いて「プロットの立て方」についてまとめていこうと思います。

 プロットの立て方はいくつかあって、起承転結から考えるものと、書きたいシーンを補完していくものと、パッションで書き進めていくものがあります。長編は起承転結をしっかり決める方で、短編は書きたいシーンを中心にしたり、パッションで書いたりすることが多いです。今回は前者二つについて詳しく話していきます。


 まず一つ目、起承転結から考える方法です。これは割とスタンダードなのではないでしょうか。起承転結が一番型としてはしっかりとしていて、話が作りやすいです。全体の話の雰囲気が決まっている時にこの方法を使います。これを使う時のポイントは、ストーリーの流れが決まっていることです。全体的な流れが決まっていないと、少し難しい気がします。起の話、承の話、転の話、結の話がある程度イメージできている時に、折上はこの手法を使います。いくつかのシーンが決まっているのなら、このやり方がやりやすいでしょう。


 それに対してもう一つの方は、書きたい明確なシーンが一つある場合に使います。一つのシーンに到達できるように前半パートを考え、そのシーンが終わってからの余韻としての後半パートを作る。起承転結も多少は意識して作りますが、書きたいシーンが中心となるので、しっかりとした起承転結にはなりません。

 技術書にはよく「起承転結を意識して書く」という項目がありますが、折上は書きたいシーンを中心にして書いてもいいのかなと思っています。特に短編で短くまとめたい時には、書きたいシーンに力を入れて、他のシーンは書きたいところを強調するように書くと楽しいです。


 昔、専門学校のオープンスクールに行った時、プロットの体験授業を受けました。そこで講師の先生に言われた、「このプロットは短編向きだね」という言葉。昔の折上にはその意味がわからなかったのですが、今ならちょっとだけわかります。多分、一つの書きたいシーンが強くて、他のシーンが薄かったから。長く書けるほどの情報量がなかったんでしょうね。その先生に聞いたわけじゃないから真意はわからないけれど。聞いておくべきだったと今かなり後悔しています。


 そんな感じで、長編はしっかりと起承転結があった方が書きやすいのと、短編は書きたいシーンさえあれば割とパッションだけでどうにかなるよって話でした!

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