第12話 折上と大学のはなし
折上はつい最近まで大学生でした。高校生の時は小説の専門学校に行きたくて親に駄々を捏ねたのですが、賛成を得られず。結局、一悶着あったのちに私立の文系大学に進みました。一応そこも、創作の授業があったので妥協した感じで。
大学では様々なことを学びました。折上は学芸員課程をとっていたので、主に歴史のこと、あとはずっとやりたかった創作の勉強もしました。小説だけではなく、短歌、俳句、シナリオも勉強しました。折上の学生時代は真ん中にコロナがぶち当たったので、半分はリモート授業でした。隔週で授業に行って、先生と会うのが一年。本当にやりづらかった。けど、だからこそ物語をしっかりと考えられたと言うことはあります。
その時に初めて言われたのが、「折上さんの文章は独特の語り口だね」です。
折上は今まで、自分の文章の長所がわかりませんでした。短所ばかり見えてしまっていました。ここを直さなきゃいけない、もっとこうならなきゃいけないとばっかり思い浮かんで、でも上手くできなくて。
そんな時に批評をいただいて、視界が開けたような気分でした。折上はこの語り口を極めればいいんだと。短歌の先生にも「面白い文体だ」と言われたので、折上の長所はやっぱり語り口なんだと思います。そこから、自分の語り口を意識しながら小説を書いています。
専門学校に行きたかったのは本当です。専門学校に行けば折上は、学びたかった創作のことだけを考えて生きていたかもしれません。でも、折上は大学に行きました。それを間違いだとは思いません。学びたかった創作のことを学びました。それと同時に、創作以外のことも学びました。様々な分野に触れたことで、視野も広がりました。
今、折上のように、専門学校に行きたいけど賛同が得られない人へ言葉を授けるなら、「大学もなかなかいいところだよ」とだけ言っておきます。授業がいいネタ探しになるかもしれませんしね! もちろん、それでも専門学校に行きたいのなら、一生懸命説得するべきです。まあ心の片隅に、大学でしか学べないこともあるって残しておいてください!
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