第12話 窓と妖精

ある日の打ち合わせ。


「あのぉ、最近あった山奥の家での自殺事件知ってますぅ?」


「あぁ、知ってるよ、最近結構話題みたいだからね」


「らしいですよねぇ、それで私その事件があった場所が気になってるんですけどぉ、先生も気になったりしてません?」


「不法侵入してまで調べたいとは思わないね」


「もぉ、いくらなんでもそこまではしませんよ」


「でもぉ、私って編集部の人間ですからぁ、取材って体にしたらいけると思うんですよねぇ」


「で、君はそれをするのかい?」


「まぁ、先生がどうしても事件について気にならならぁ、考えなくもないですねぇ」


「僕はそこまでする気はないから、やるなら君一人でやってくれ」


「えー、でももう先生がどうしても取材したいっていう体で編集部に話通しちゃいましたぁ」


「は?」


「だからぁ、この打ち合わせの後に取材の予定ですよぉ」


「人の名前を勝手に使うな!」


「まぁ、一緒に旅行した仲だからいいじゃないですかぁ」


怒鳴っといてなんだが、もはやこの女を更生させるのは無理だと思って怒りを通り越してため息をついてしまう。


「とりあえず仕方ない、何で移動なんだ?」


「バスですねぇ、私免許持ってないので」


「そうか、バスの時間は?」


「えーっとぉ、あー、十時半にくるバスですねぇ」


「おい、後四分しかないじゃないか?」


「そーですねぇ、まぁバス停すぐそこだからなんとかなりますよぉ」


「偉そうに言ってないで早く行くぞ!」


急いで会計をすませ、急いで店を出てバス停まで走る。


「ほらぁ、まだ二分ありますよぉ、もう少しゆっくりでも良かったですってぇ」


「君社会人なんだよな?もう少し前持った行動をできるようにしたらどうだ」


そんな言い争いをしているとバスが着き、僕たちはそれに乗り込んだ。


事件のあった家が山奥ということもあり、駅からのバスだとかなり時間がかかるようだった。


一時間後


ようやくバスが着き、二人でバスを降りた。


「この後はどんな予定なんだい?」


「えーっとぉ、取材のために鍵を借りるんですけどぉ、そこの家への訪問予定時間まではまだ一時間くらいありますねぇ」


「ここに時間潰せるものなんてないぞ」


「まぁ、バスもそんなに通ってないみたいですしぃ、仕方ないですねぇ」


「とりあえず周りの住人に聞き込みでもしてみるか」


「先生本格的ですねぇ」


「この取材を取り付けたのは勝手に取り付けたくせに適当に煽てるな」


あーだこーだ言っているが、実際この事件については少し気になっていた。

なぜなら、山奥の家で自殺があったというところまでは別になんてことない話しだが、その男が住んでいる家にはかなりの数の窓が取り付けられていて、その理由については少し気になっていたからだ。


とりあえず、その家がある山の入り口近くの畑に人がいたのでその人に話を聞いてみた。


「あのー、すいません」


「どうしました?」


「私達、この山の奥であった事件について取材しているんですが、少しお時間よろしいでしょうか?」


「いいですけど、そんなに詳しいことは知りませんよ?」


「ご協力ありがとうございます、早速なんですけど、この山奥に住んでる人ってどんな方だったんですか?」


「たまにこの辺散歩してるの見たことあったけど、なんか若いくせして覇気のないやつで、確か都会の暮らしに疲れて山奥で暮らすとか言ってたかな」


「引っ越してして来てからは毎日買い物のために夕方ごろ車で山を降ってくる音が聞こえてたんだけど、いつ頃からか全然音沙汰なくなってなんか嫌な予感がしたから見に行ったんだ」


「そしたら見つけちまってよ、死体、すぐに通報したけど、俺はその後に見たあいつの家にもっと驚いちまったよ」


「なにせ、家の壁よりも窓の方が多いんだもの」


「それに、その山全体の雰囲気がなんだか落ち着かない感じでさ、早く警察来てくれって思ってて、警察に話を聞かれた後は飛ぶように帰っちまった」


「なるほど、他には何か?」


「いや、他には何も知らんね」


「取材のご協力ありがとうございました」


「他にこの事件について何か知ってそうな人っていますかね?」


「あー、地区長ならなんか知ってるかもな」


「ほら、そこの突き当たりの家だから」


「分かりました、ありがとうございます」


軽く礼を済ませて、次は地区長の家に向かった。


「あの人が通報したんですねぇ」


「らしいな」


特に意味のない会話をしながら突き当たりの家まで向かう。


ピンポーン


「はい?どちらさま?」


「いきなりの訪問すいません、私達、ここであった事件について取材してまして、何かお話聞かせてもらえたらと」


「あー、なるほどね、あなた方がそうでしたか、いいですよ」 


「あの人、山奥買って自分で家作ってたみたいなんだけど、まだ引っ越してくる前で作業しに来たときにね、私の家に訪れて、こんな事を聞きに来ました」


『あのぉ、いきなりこんなこと聞くのもアレなんですけど、ここって妖怪とかの伝説があったりします?』


『妖怪?んー、子供の頃からここに住んでるけど大人からもそんな話聞いたことないなぁ?』


『そ、それじゃあなんか伝承とか地域の歴史について書かれてる本なんかはあるんですか?』


『いやいや、ただの地区にそんなものないよ』


『そ、そうですよね、いきなり訪問してこんなこと聞いてすいませんでした』


「てなことがあって、それから気になって私も周りの人に聞いてみたけど、誰もそんな話し聞いたことないって言ってましたよ」


「私が知ってるのはこれくらいですかね」


「ご協力ありがとうございました」


「他にその人について何か知ってそうな方っていますかね?」


「うーん、あんまり付き合いのいい人じゃなかったから分からないなぁ」


「そうですか、ありがとうございます」


「後、この鍵、渡しておくよ、取材の人でしょう?」


「警察も自殺として片付けた後に、あの家を不気味がって家の鍵とか渡して来て残りの処理はお願いしますって、いなくなっちゃって」


地区長の家を後にし、その辺をぶらぶらと歩く。


「ここぉ、歩いてる人もあんまりいませんねぇ」


「まぁ、田舎だし仕方ないんじゃないか、見る限り家よりも畑の方が多そうだし」


「ここの地区の地図があるな」


案内板のようなものがあり、どこか人がいそうな場所がないか見てみる。


少し先に公民館があるな、そこだったら誰かいるかもしれないし一旦向かってみよう。


「というか君、誰にアポ取ってたのか把握してなかったのか?」


「まぁ、取材のアポは他な人が取りましたしぃ」


「それでも地区長さんから鍵を受け取るとかは覚えてないとダメじゃないか?」


「まぁ、結果オーライだったからよしですねぇ」


「君本当に社会人か?」


「失礼ですねぇ、こう見えて社会人歴五年ですぅ」


「一年目でももう少しまともだよ」


そうして公民館まで向かうと、公民館の前に設置されているベンチに二人の男女が座っている。


「あの、いきなりすいません、最近この辺であった事件について取材しているのですが、何か知っていることがあったらお話いただけませんか?」


「いいですよ、と言ってもそんな大したことは知りませんけど」


そう前置きして、二人のうちの一人が自殺した人を見かけた時の話をした。


「あれは私が飼ってる犬の散歩をしてたときですね」    


「うちの犬が、散歩で反対側から歩いて来たその人に向かって走って行っちゃった時に・・・」


『あ、こら、待て』


『ひっ、、ひぃ』


『だ、大丈夫ですか?」


『は、はい、大袈裟に驚いちゃってすいませんね、はは・・・』


「彼はその後どこか力無い感じで、また歩き始めたんですけど、犬が直進して来ただけであんなに驚いて腰抜かすなんて変わった人だなぁって思いましたね」


「なるほど・・・そちらの方は何か知りませんか?」


「私は実際に話したりとかしたことはないんだけど、噂でそこの家の人に会いに行ったって言ってたわね」


「あそこの家ですか?」


僕は公民館の向かいにある、お札などが貼られた不気味な家を指差す。


「そう、そこです、昔からそこに自称霊感持ちの怪しいお婆さんが住んでるんですけど、何か切羽詰まった様子でそこの家に駆け込んだのを近くに住んでる人が見たとかって」


「なるほど、ご協力ありがとうございました」


「あのお婆さん変わってますから、もし取材するなら気をつけてくださいね?」


「ご心配ありがとうございます」


軽く礼をして、僕は例の家に向かった。


「うわぁ、こんなに屋根の裏にも結構な数のお札がありますね、不気味」


「おい、家の前でそんなこと言うな、今から取材するんだぞ」


小声でそんな話をしながら、インターホンのないその家の扉をノックする。


コンコンッ


「誰だい?」


「すいません、ここの近くの山で起こった事件について調べているんですがお話聞かせていただけませんか」


「あぁ、あの男のことか、いいよ」


そうすると、ガラガラとドアが開き、髪はボサボサで、腕にはたくさんの数珠を巻いているいかにも怪しい風貌をしたお婆さんが姿を現した。


「あの男は以前いきなり訪問して来てねぇ・・・」


『あ、あの、霊感があるって本当ですか?』


『あぁ、もちろんだよ、それがどうしたんだい?』


『その、なにか除霊グッズ的なものってあるんですかね』


『なるほど、最近引っ越して来たって言うのはあんたかい、あの山で何かあったんだね?』


『はい、それで他の街の人は何も知らないからどうしようかと思っていたらあなたの話を聞きまして』


『そうだったのかい、でもねぇ、私は霊感があるだけで除霊師じゃあないから何もないねぇ』


『そ、そんな・・・』


『悪いことは言わないから別のところに引っ越したらどうだい?』


『そうですね、考えてみます、失礼しました』


「こんな感じで訪問して来たけど、来たときにはかなり追い込まれた表情だったよ」


「実際、私のところに来た後の夜に自殺しちゃったみたいだしねぇ」


カッカッカッと不気味な笑い声をお婆さんが発する。


「なるほど、他には何か、その男の人じゃなくて山のこととかでも」


「うーん、私もあの山には登るなって小さい頃から言われてたけど、詳しいことは教えてもらえなかったしねぇ」


「でも、何かがあるとだけは断言しておこうかねぇ、あんたさん達も行く時はくれぐれも気をつけるのよ」


「ありがとうございました」


またカッカッカッと笑うお婆さんに見送られながら、家を後にした。


「なんかあのお婆さん胡散臭いですねぇ」


「まぁ、そうだが、実際あの山で自殺してるんだから何かはあるのかもな」


「なんか怖くなって来ましたねぇ」   


喋りながら、最初に訪れた山の方へと向かっていると、一番最初に話を聞いたおじさんが話しかけて来た。


「もしかして今からあの家に行くのかい?」


「はい、その予定です」


「ならこの山道は結構キツイし、意外と距離もあるから俺が乗せてってやるよ」


「え、いいんですか!」


「あぁ、怖いとは言ったけど実際あの後家がどうなったのか気になってるしな」


「ではありがたく乗せていただきます」


おじさんの車の後部座席に乗り込み、山の中へと入る。


確かに、思ったよりも家は奥にあるようで、結構な時間がかかった。


三十分後


奥に建物が見えて来て、ようやく着いたようだった。


「わざわざこんな場所に住むなんて余程都会が嫌いだったんですねぇ」


「確かに、田舎暮らしに憧れるにしても交通の便はあまりよくないかもな」


家の前まで来ると車から降りて、家を見上げる。


家の中に入る前から、明らかな窓の多さが目立ち、かなり不気味な雰囲気を出していた。


「本当にすごい数の窓ですねぇ」


「あぁ、なんでこんなに窓をつけたんだろうか」


車の中で待っているとおじさんは言っていたので、早速地区長さんから借りた鍵を使って

二人で家に入る。


中は、木造建築で、木の匂いがした。


「結構広いですけどぉ、これを自分で作るなんてすごいですねぇ」


「そうだな、仕事は大工とかだったのかもしれないな」


玄関で靴を脱ぎ、まずはリビングに進んだ。


「中から見ると余計すごいな」


目の前には窓、窓、窓、これでもかというぐらいあり、わざわざつなげて大きな窓にせず、小さな窓をたくさん配置しているのが余計に不気味だった。


「よく見ると、窓がある反対側の同じ位置にも窓があるな」


窓の配置や感覚こそ不規則だが、窓が置かれている場所には反対側必ず壁があり、そして窓が置かれていた。


「先生、こことかすごいですよぉ」


そう言って指差したところにはトイレがあったのだが、トイレを開けると便器の後ろに窓があり、その直線上のドアにも窓が取り付けられ、さらにその直線にある壁にも窓が取り付けられていた。


「なんか、こう見ると何かの通り道みたいだな」


その後、一回はほとんど見渡したので二階に向かうことにした。


階段を上がり、二階の部屋に着くとそこにはさらにすごい光景が広がって来た。


二階の部屋はリビングと同じぐらいの広さだが家具などは一つも配置されておらず、これでもかというぐらいの窓が取り付けられているだけだった。


「ここまで来るともはやなんのための部屋なんだ?」


「別に変なものじゃなくても、こんなに数があると不気味なんですねぇ」


窓だけが無数にある部屋に圧倒されながらも僕はこの家に何故こんなに窓があるかを考えた。


間隔などに規則はないが、必ず反対側など直線上の通り道ができるように作られている窓。


でも何が通るのか?


正直ヒントになりそうな話は、地域の方々に聞いてもよくわからなかったし、ここに来てからもヒントになりそうなものは何もない。


僕が考え込んでいると、いつのまにか彼女の姿がなかった。


どこに行ったのかあたりを見渡すと、一枚の窓から外に出ている彼女の姿が見えた。


「あいつ、また勝手に行動して・・・」


ぶつぶつ文句を言いながら彼女の動きを見ていると、いきなり彼女の前を何かが通った。


いや、正確には早すぎて視認することは出来ていないが、その何かが通ったことによって巻き起こった風が彼女の服や足を切り裂いている。


事実、彼女はその場に倒れ込んでしまった。


「何かわからないがまずい!急いで彼女の元に行かなければ」


僕は家を飛び出し、彼女の元へ向かおうとした。


しかし、彼女を人質とばかりに、その何かが彼女の前をを何度も往復して通せんぼしている。


それにその何かが一体ではないことも分かった。


「くっ、くそ!一体お前はなんなんだ?」


「ホコラヲキヅツケルナ」


「何?」


「ホコラヲキヅツケルナ」


無機質な口調でそう言われる。


「祠?、祠ってなんだ、僕たちはここの家に取材しに来ただけなんだ、頼むから彼女を話してやってくれ」


そう訴えかけると、いきなりその声の主の声色が変化した。


「え?祠を荒らしに来たわけじゃない?」


「なんだ、やっぱりお前の勘違いじゃないか」


「すいません、今解放しますのでお待ちくださーい」


彼女の前を通せんぼしていた何かが消え、彼女の元へと近づく。


「おい?大丈夫か」


どうやら気を失っていて、まだ意識は戻っていないようだった。


「仕方ないから、先に君たちが何者か聞いてもいいかい?」


先ほどまで流暢に喋っていた何かに語りかける。


「あ、僕たちですか、えーっと、この山の神様の使いの妖精です」


「妖精?」


「はい、今姿を出しますね」


そう言うと、おとぎ話に出てくるような見た目をした小さな人型の生き物が目の前に現れた。


「普段はこの辺でみんなと遊んでるんです、

一応祠を守るのが仕事なので敵意はなさそうだったんですけど、ここに移り住んできたあの人以外の人が近づいて来たからつい警戒してしまって」


「なるほど、僕たちはその移り住んできた人間について調べてたんだ、何か知ってたら教えてもらってもいいかい?」


「あの人は確か二ヶ月ぐらい前にこの山に来て家を建て始めて・・・」


『ふぅ、やっと組み立て作業に移れるぞ』


『ねぇ、あれなんだろうね」


『さぁ、多分家を作ってるんじゃないかな』


『ここら辺に人が住むのって何年ぶりだろうね』


『もう覚えてないや』


『まぁ、別に困らないし僕たちはいつも通り遊ぼうか』


『そうだね、今日の鬼ごっこは誰が鬼をやる?」


『この前一回もならなかったから僕からでいいよ』


『分かった、じゃああの人が帰ったら始めよう』


「そしたら人間嫌いの奴らが住まわせるなって作ってる途中の家に穴を開けちゃって・・・」


『な、なんで木にこんな穴が・・・」


『帰るまではなんともなかったのに』


『やい人間』


『ヒッ、何者?』


『僕たちはここにずっと昔から住んだら妖精だよ、ここは僕たちの家なんだから勝手に住むなよ』


『えっ、でもそれだとせっかくこの土地とか木材買ったのに』


『そんなの知らないよ、別の場所に住んでくれ』


『そ、それじゃあ、僕の家にも君たちが遊ぶときに邪魔にならないように通り道を作るからそれで許してくれないかな?』


『ふーん、それなら許してやるよ』


「家に大量に窓があったのはそういうことだったのか」


「最初はあんなに通り道作られてなかったんですけど、下手に出る彼に対してその妖精たちがもっとつくらせたんです」


「まぁ、そいつらはもうこの山の神様に怒られて、ここに遊びにくることはできなくなりましたけど」


「でもこちらの勘違いでこの人に手荒な真似をしてすいませんでした、後で充分叱っておきますから」


「いや、こっちもいきなり立ち入ろうとしてすまなかった」


「それじゃあ僕たちもこの辺で帰らせてもらうよ」


「それでは」


そうして妖精たちの姿はまた見えなくなった。


「んー、あれ?」


しばらくすると彼女が目を覚ました。


「起きたな、大丈夫か?」


「先生、なんか知りませんけどぉ、私気を失ってたみたいですぅ」


「そうか、大丈夫そうだな」


「えぇ、気を失ってたんですけどぉ」


「まぁ、仕事疲れとかだろ」


足を怪我した彼女を起こし、肩をかしながら話を聞いた。


「君、何しようとしてたんだ」


「あー、二階の窓から家の裏を見てたら祠みたいなのが見えたのでぇ、近付いて見ようとしたら気を失っちゃいましたぁ」


「そうか、これからはむやみやたらに変なことはするなよ」


「はぁい」


おじさんの車に戻り、足の怪我は彼女が気を失っていたのをいいことに、転んだところにたまたま割れた窓ガラスの破片があったことにして誤魔化した。


怪我をしていたこともあり、わざわざ駅まで車で送ってもらって、僕も彼女を帰りの電車に乗せて帰った。


家について、結局なぜ彼が死んだかの理由について考えていると、一つの結論に辿り着いた。


多分だが、元々人の多いところが苦手だからほとんど人のいない地区のさらに山奥に住もうとしたのに、妖精たちのせいで心が全く休まらず、それに耐えかねて自殺したのだろう。


「いくら人嫌いでも、本当に人がいないところには別の何かが定住しているから要注意だな」


家の窓から見える山を見てそう思った。





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