第18話 トロール


「なあ、トロールって倒す必要かあるのか?」

「だってレベル上げしたいだろ?」

「したいけどさー、トロールってあれだろ?腹のでてる巨人だろ?」

「のはずだよ」

「勝てるか?巨人だぞ?」

「そこまでデカくないだろ?」


「ってでっけーって!」

「デカっ!勝てるかあんなもん!」

「逃げろって!」

「こっち向かってきてるって!」

「クイック」

「うおっ!はやくなったけど!」

「ダメだ!追いつかれる」

「戦うぞ!」

「「おう」」

 サティ達は置いてきて正解だった。

「とりあえずコールド」

「お!効いてるぞ!ウインドカッター」

「ホール」

 徹底的に足元狙いだ。落とし穴にハマり抜けなくなっている。

「いまだ!とりゃー!」

「おりゃー!」

「このやろう!」

 剣でぶった斬ろうとするがやはりデカさで敵わない!

「「「ウインドカッター」」」

 三人のウインドカッターを、合わせるとようやくダメージを与えられた!

「「「ウインドカッター」」」

 今度は首狙いで放つと首が斬れてトロールは倒れた。アイテムボックス収納して、やっとの思いで帰り着く。

「ばーか!やっぱりデカすぎだったじゃねえかよ」

「しるか!もっと、小さいかと思ったんだよ」

「二人ともとりあえずは開拓村を目指そうぜ」

「あぁ、そうだな」


 とりあえず開拓村を目指して旅をする。

 途中の村なんかで情報を聞いて開拓村を目指すと海岸が見えた。

「着いたぞー!」

「けど。まだまだだな」

 そこにあるのは気持ちばかりの衝立と、ちょこちょことした掘立て小屋。

「おーい!お前たちも、ここに住むのか?」

 門兵が声をかけてくる。

「そのつもりだけど何もないね」

「そうなんだ、あるのはダンジョンくらいでな」

「ダンジョンあるのか!」

「ギルドは?」

「あの一番でかい建物だ。あいつら自分達のことだけやって帰っていきやがった」

「マジかよ!上下水道は?」

「今作ってる最中だよ。あとは諸々の手が足りなくてな」

「俺ら魔法が使えるから手伝うよ」

「ほ、ほんとか!!そりゃ助かる!」

「だから土地ちょうだいね」

「あぁ、まだ決まってないからな!」

 よし一丁やったるか!

「やるぞ!」

「「「「おう」」」」

 サティもエリーも泥だらけで働く。俺らも泥だらけだ。


 魔法を使っても一ヶ月近くかかったが、多少は町に見えるようになってきた。

 俺たちの場所は少し高台になってるところにした。手続きはすぐすんだ。

「いよいよ家だな!」

「立派なの頼むぞ」

 開封するとそれなりに立派に家だった。 


 おお。これは良いじゃないか!

 庭付きの大きなお家だ。

「中に入ってみよーぜ!」

「土禁な土禁!土足厳禁」

「おー。日本の家みたいだな!」

「家具も揃ってんぞ!」

 エリー達はポカンとしている。

「エリー達も、入っておいで、靴をここで脱ぐんだよ」

「は、はい」

一番良い部屋がダイジロウな、次からはジャンケンな!

「おし!俺は二階の角部屋な!」

 ダイジロウはすぐに入っていく。

 二階には五部屋、一階には三部屋部屋がある。

「よし!俺は二階の逆の角部屋」

「エリーはそこの次の部屋か」

「俺は下の広い部屋でいいぞ」

「んじゃ、サティも二階の真ん中の部屋な」

 これで部屋割りが決まった。


 浴室もあり風呂に入れるのがたまらない!

 何故か電気が通っている様で電気などがつくのに驚いた。下水も繋げてないのに何処か不思議空間につながっている様なのだ。

「テレビあるけど見れねー!ってかDVDがあるから買って来れば映画なんかが見れるか!」

「でもずいぶんと不思議な家だなぁ」

「なんでだ?」

「上下水道も繋げてないし電気も勝手につくし」

「お前の車だってガソリンなしで動いてんだろ?」

「あ、そっか」

「なら不思議な家万歳だな!」

「ここらで一番立派な家だよ」

「だな!」

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