第14話 ダンジョン
「うぉーい!ダイジロウの場所狭くないか?」
「しょうがねぇだろ?2LDKだぞ?」
「ケンタ!この楽器をしまえ!」
「やだね、これは俺の分身だ」
「二段ベット買いに行くか?」
「そうしよう!俺が上な!」
二部屋しかないから俺とサティ、ケンタとダイジロウにしたらケンタのもので埋まってしまった。アイテムボックスからは出しておきたいそうだ。
二段ベットも買って組み立てたし、なんとか落ち着いたな。
サティは大人しくテレビに夢中だ。
「自転車あったよな?」
「ああ、ケンタが当てたやつな!」
「あれ使おうぜ」
「別にいいけどどうした?」
「いや、動くのに不便だからよ」
あぁ、車は俺のしかないからな。
「ちゃんと鍵しろよ」
「わーってるって!」
外で「うおっ!」と言う声が聞こえて、静かになった。鍵でも買いに行ったのか?
「なんか電動自転車で凄えんだけど?」
「は?充電しとけ、あと鍵がないなら中に入れとけよ?」
「うっす」
今日の夜は鍋にした。ちょうどいい季節になって来たしな!
「「うまそー!」」
「テキトーに食えよ」
箸の上手に使えないサティにはよそってやる。
「美味しい!」
「だろ?」
ケンタが自慢げに言う。
「お前が言うな!」
「俺が言いたかったのに!」
ダイジロウも怒るとこが違う!
さて、日本はこれくらいでいいだろ?金策もすこしだが出来たし。
「あっちに行くけどいくか?」
「「いく!!」」
「やっぱり槍がないといかんですわ」
「そこは剣でしょ?」
「槍です!」
「剣です!」
いやどっちでもいいよ、じゃあ、『アレク帰還』
「戻って来たぞー!」
「俺が戻ってきたぞ!」
知るか!
アレクに戻ってきた俺たち四人は先ずは街に向かって走り出す。
「街に行ってどうすんだ?」
「どれくらい経ったのかわからないだろ?」
「あ。そっか」
「わかったか」
「挨拶回りだな」
「違う、誤差の修正だ!ばか!」
「バカって言うな」
「ダイジロウ、ばか」
「なんだとー?」
「キャハハ」
日本で三日暮らしたらこっちでも三日なのかどうかだな?
「よう久しぶり」
「あ?まだ三日くらいしか経ってないだろ?」
俺は宵闇に話しかけた。やはりあまり変わらないようだ。
「そうか、ありがとな」
「ん?まぁいいか」
やはりあまり違いがないようだな。
と言うことは最初は三ヶ月もいたんだな。
「ケンタ、こっちとあっちの違いはあまりなさそうだな」
「あぁ。俺も受付で聞いて来たからな」
「ダイジロウは?」
「あそこでナンパしてるぞ?」
「あのバカ」
「おれたち、さいてててててて」
「ごめんね、こっち来いおまえは!」
ダイジロウの耳を引っ張って連れてくる。
「なんだよ!こっちならナンパ成功する確率高いだろ?」
「サティがいるんだぞ」
「教育に悪い」
「ダイジロウ、サイテー」
「おい誰だ!サイテーとか教えたやつ」
憤るダイジロウだが、
「知るか!サイテーおじちゃん」
「だな、サイテーおじちゃん」
「うっさい!おまえらまで言うな」
で?どうするんだ?
オーガも巣を作るのかな?
「オーガ退治か、ダンジョン作ってみるのもいいな」
「おぉ!ダンジョン!」
どんなのができるのか分からないけどな。
「どうせなら遠くでダンジョン作ったほうがいいよな?」
「そっか?みんな喜びそうだけどな」
「んじゃ。オーガのとこに作りに行こうか?オーガも倒して一石二鳥だろ?」
ケンタナイス!
車で北の山に来た。
「オーガ退散!」
「おらぁ!」
「どけどけぇ!」
オーガにも勝てるようになったケンタやダイジロウも大活躍だし、車からペシペシと魔法を飛ばすサティも頑張ってる。
「っしゃ!」
この辺りは一掃できたな。
「後は山の中か、巣でもあるのか?」
「行ってみようぜ」
車を収納して進んでいく。サティはダイジロウの肩の上だ。
あった、多いなぁ。
「車召喚!」
全員乗り込んでシートベルトを締める。
「オラオラオラオラ」
「オガァァァァァァ」
必殺車で弾き飛ばす。
「もうやめて!オーガのHPはゼロよ!」
「まだまだ!」
ある程度残して外に出ると、オーガはブチギレている。
「いくぞ!」
「「おう」」
オーガ退治をしていると、オーガが引き始めた。
「ん?」
「オガァァァァァァ」
「げっ!オーガキングらしいぞ!」
「グラビティ」
「ウガァァァァ」
いまだ!
「オラオラオラオラ」
魔剣で斬り倒すとオーガ達は逃げていく。
「初めて重力魔法つかったぜ」
「いいねぇ!」
それよりもオーガをアイテムボックスに入れてかないとやばいくらい多い。
オーガの集落は骸骨が多かったが、金貨なんかも大量にあった。キラキラしてるもんでも集める習性があるのか?カラスみたいだな。
小屋を燃やして場所を作る。
「ダンジョン生成!」
「ぬおおぉぉぉ」
何かが急速に抜けていく感じがする。
「大丈夫か?」
「な、なんとかな」
入口のようなもんが出来上がり、ダンジョン生成は終わった。
「入ってみっか!」
「「おう」」
一応サティも連れていく。
下に降りていくとそこは石造りのダンジョンになっていて久しぶりのゴブリンが出て来た。
「おい、ダンジョンって感じだな!」
「な!ワクワクすっぞ」
「二人ともくるぞ!」
ゴブリンを斬ると消えてしまい魔石をドロップする。
「いいねぇ!返り血も浴びねぇし!」
「ドロップだけはちゃんとしますね」
「これはダンジョン特有の現象か」
「消えちゃったね」
これはいいかもしれないな!
「サティも攻撃していいからな」
「うん!」
次のゴブリンがでてきたらサティがファイヤーボールと唱えると火の玉がでてゴブリンが消えていく。
「おお!やったな!」
「火はやめてくれ、頭が熱いよ」
「ダイジロウの髪の毛チリチリ」
「うそっ!だぁー!やってくれたなサティ」
「キャーキャハハ」
「まぁ、これからは歩かせるんだな」
「だな」
一階層を探索していると宝箱が出て来た。
「ここは慎重に」
「おーい開けるぞ」
「おい罠が!」
あるかもしれないだろ!
「なんにもなかったぞ」
「ちゃんと鑑定したからね」
「なら言ってくれるか」
「悪い悪い」
心臓に悪いよ。
「なんだこれ?探索ゴーグル?」
つけてみるとダンジョンの壁が透けて見える。
「これすげぇな!」
探索ゴーグルはサティがハメている。
「右からゴブリン五匹!」
「あいよ!」
すぐに撃破。
「あっあっちに宝箱がある」
二個目の宝箱だ。
「罠なし!いいぞ」
「わーい」
お、サティに良さそうな革鎧だな。
「おぉー!いいじゃねぇか!」
一階層は初心者向けだな!
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