第2話 最上空
「この星はもうダメだな…」
宇宙の最上空
指令である青年が言った
「彼女らを送りましょう」
秘書である男が言った
「その中で地球と契約関係にあるものは?」
「3人ほど…」
「一番幼いものを送れ」
「かしこまりました」
『用意せい!できるだけ早くな!』
「カジ…後は任せた、私はまだ仕事を残しているからな
信用しているぞ」
「はっ!」
秘書は少し口角を上げ
指令の言葉の美しい余韻を満喫した
「と、言った感じか…」
「何を勝手に解説を…」
「どうせ死ぬんでしょ私…好きにさせて」
「連れて来ました!!」
仕事の早すぎる新人だ
黒髪の少女
キャスの正装を着て…というより着られているような少女
この少女は地球と契約し
【地球のキャス】として成っている
つまり、この少女が死ねば
星も死ぬ
だからダメな星のキャスを殺す
殺すと言っても、死ぬのは少女が行動を起こさないといけない
「何で死ねばいいですか?」
「自分で考えろ、地球には死ぬ為のものが揃いに揃っているだろう?」
「だから!手段がありすぎるんです!」
「…はあ」
「しね!」
「なんでだよ!お前がしぬんだよ!」
「何を口論してるんですか、行きますよ」
「はい…」
輸送人
この最上空とさまざまな星を繋ぐ橋である
「死ぬなら、早く死にたいよね」
「別に地球を満喫してからでいいのでは?」
「これから自分が滅ぼす星で遊ぶのはなあ…」
「…こんなこと言うのもなんですが。」
「なにさ」
「今までずっと閉ざされた空間で娯楽もなかったのでしょう?」
「うぅん…」
しばしの沈黙
「…私の使命は死ぬことだから」
「悲しいですね」
憐れまれた
ちょっと悔しかった
けど謎のプライドが邪魔してしまう
「着きましたよ」
思ったより光源が眩しかった
だけど嫌ではなくて、ここち良くて
これから滅ぼす星なんだけどなあ…
不思議な気持ちになってしまった
キャス 天 @tensuke0628
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