#37 二人で初めてチャレンジ
翌日が大晦日だからなのか移動中の地下鉄は比較的に空いてて、座ることが出来た。
僕達は移動中も座っている間もずっと手を繋いでて、その間イロハさんはずっとニコニコとご機嫌で、そんなイロハさんを見ていると僕も嬉しくて、顔が緩んでいるのが自分でも分った。
でもイロハさん、お喋りしながらチラチラと何かを気にしてるんだよね。
目的のお店に着くと混雑してて、テーブル席が全部埋まっててカウンター席に案内された。
それでも待たずに座れたからラッキーだ。
二人で肩を寄せ合いメニュー表を見ながら、イロハさんがモンブランとミルクティーで、僕はキウイのロールケーキとカフェオレを店員さんに注文。
店員さんが離れて待ってる間もお喋りを続けてたんだけど、イロハさんはやっぱりチラチラと何かを気にしてる。
注文したケーキが運ばれてくると、イロハさんは目をキラキラさせて、興奮気味に「美味しそーです!」と連発して、モンブランをスマホで何枚も撮影していた。
この店のモンブランは、クリーム山盛りでかなりインパクトがある。
海坊主?というか、ガチャピンムックのムックの頭?みたいなビジュアルで、サイズも大きくてマロンクリームがこれでもか!と言うほど山盛り。 僕のスマホでもケーキとイロハさんのツーショットを撮影したけど、イロハさんの顔と同じくらいの大きさだ。
それをイロハさんはペロリと食べきった。
僕も一口だけ味見させて貰ったけど、本当に一人で。
体小さいのにね。甘い物が大好きなんだね。
終始ニコニコ笑顔で満足してくれたみたいで、一日遅れでもお誕生日のお祝いに連れて来た甲斐があった。
で、食べ終えてお店出て、ぶらぶらとウィンドウショッピングしてから僕んちに帰って来たんだけど、やっぱりその間もイロハさんはニコニコご機嫌なんだけど、チラチラと何かを気にしてた。
なので、家に帰って暖房入れて、着替えてコタツに入ってお茶飲みながら休憩中に、忠告した。
因みにコタツには、横に並んでくっ付く様に入っている。
今の僕たちのラブラブ距離感そのものだね。
「イロハさんに1つ忠告しておきたいんですけど」
「はい? なんでしょうか」
「今日のイロハさん、僕の股間、気にしすぎ。ずっとチラチラ僕の股間ばかり見てた――」
「見てません!」
僕が言い終わる前に、被せるように否定してきた。
「いや、見てましたよね?」
「見てません!」
「ムキになるところが、怪しい」
「ムキになってないし怪しくもありません!」
コロンブスは死ぬまでアメリカ大陸をインドだって言い張ったらしいけど、こんな感じだったのだろうか。
僕が疑いの視線をジトっと向けると、イロハさんはサッと視線を逸らした。
「また硬くなってないか、気になったんですか?おちんちん」
「・・・少しだけ・・・で、でも!あくまで勉強の一環としてです!男性器のメカニズムに関して学んだばかりなので、気になるのは仕方ないじゃないですか!」
「あ、開き直った。 別にダメだと言ってるんじゃないですよ?ただ、家の中ならまだしも、デート中に男性の股間ばかり見てるのはどうかと思うわけで」
「ううう、恥ずかしい・・・」
イロハさん、あまりにも恥ずかしくなったのか、コタツに突っ伏して、耳まで真っ赤にさせてる。
そんなイロハさんが可愛いし面白いんだけど、揶揄うつもりは無いので、宥めることにした。
「まだ勉強始めたばかりですもんね。気になりますよね。僕もイロハさんとキスしてから、もっともっとキスしたくなっちゃいましたからね。それと同じようなもんですよね」
「ううう、言わないで下さい・・・」
「じゃあ今夜は、実地の勉強しましょうか。おちんちんの」
「実地、ですか?」
イロハさんは顔を伏せながらも、チラリとコチラに顔を向けてきた。
「うん。まだ直接ナマで見てないでしょ?お風呂上りにお見せしましょうか?」
「ほ、ほほほホントですか?」
イロハさんは僕の提案を聞いて、バッと顔を上げた。
喰いつき、いいな。
「うん、まぁ、いずれセックスするのなら、いつかは見せることになるからね。 僕も恥ずかしがってばかりじゃ、先に進めないので」
「そうですか・・・分かりました。私も恥ずかしがってばかりじゃダメですよね。 今夜、お互いに確認しましょう。男女の性器の違いをしっかり観察して、勉強しましょう」
イロハさんは右手の指先で眼鏡をクイッと上げると、落ち着きを取り戻して、真面目な口調で語り始めた。
「え!?イロハさんも見せてくれるの!?」
「はい。タイチくんと一緒に学ぶと言い出したのは私なんですから、ここは公平にするべきです。それにお互い裸なら、恥ずかしさも少しは和らぐのではないでしょうか?」
「そうですね・・・確かにそう思います」
こうしてイロハさんがウチにお泊りした二日目の夜。
僕達はお互い裸になって見せ合い、観察し、そして少しだけ触り合ってみた。
◇
三日目の朝。
目が覚めると、昨日の朝と同じように、イロハさんは僕の腕枕でスヤスヤと寝ていた。
二人とも裸じゃないからね。
流石に寒いし恥ずかしいから、寝る時は寝間着を着て寝たからね。
で、困ったことに、目覚めからイロハさんの香りに包まれ、イロハさんの体温と柔らかな体の感触を感じていると、またムラムラしてきた。
昨夜寝る前に、僕はユニットバスに篭って、自慰した。
流石に昨夜は刺激が強すぎて、我慢出来なかった。
事前にイロハさんに「我慢出来ませんので、自慰して参ります」と伝えると、「
で、今、またムラムラしてきた。
っていうか、僕、普通に欲情してないか?
朝立ちだけじゃないぞ、コレは。
あれだけセックス怖いって怯えてたのに、イロハさんに普通に欲情してるよ?
むしろ、今までの反動なのか、元気過ぎる感すらあるですけど。
なんだか、直ぐにでも本番いけそうな気がしてきた。
いや、僕がそうでも、イロハさんの方がまだどうかだ。
おちんちんに並々ならぬ興味を持っていることは、昨日の様子からも間違いない。
でも、それが即セックスという訳じゃない。
女性は痛みを伴うわけだしね。
しかし、これはチャンスかもしれない。
痛みだって、いつかは乗り越えるべき物だ。
この二日間の流れに乗れば、このままセックスが上手く出来るかもしれない。
性交だけに成功するかもしれない。
で、イロハさんが目を覚まして、おはようのキスをしてから提案してみた。
最初、イロハさんは躊躇う様子を見せたけど、僕が元気過ぎるおちんちんを「今こんな感じです」とナマで見せると、「避妊具を用意します」と立ち上がり、コンドームを持って戻ってくると僕のおちんちんに装着してくれた。
因みに装着するのに手間取ったけど、二人であーだこーだとやりながら、なんとか装着することが出来た。
* * *
初めての本番チャレンジは、上手くいかなかった。
痛みに辛そうな表情を浮かべるイロハさんを見て、僕がそれ以上継続するのを断念した。
僕なりに『優しく丁寧に!』と頭の中で何度も復唱しながら試みたけど、上手に出来なかった。
でも、痛みで辛かったハズのイロハさんは僕よりもずっと前向きで、「素人の私たちが最初から上手く出来ないのは当然じゃないですか。 それにこれまでの私たちから考えれば物凄い一歩ですよ? 今夜また挑戦しましょう。私もきっと痛みに慣れ始めると思います」と言って、初めてイロハさんの方からキスしてくれて、落ち込む僕を慰めてくれた。
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