第3話 王子と盟友

 クライス「あちぃ~...」

 アルタイル王国を出て3時間が経過した


 クライスはじゃんけんに負けて、操縦席に座っていた


 コロウ「おい!王子!おせぇぞ!」


 クライス「うるせぇ!じゃあお前代われよ!」


 ルーシェ「まぁまぁ、落ち着いて」


 ロイス「余計暑苦しいわね」


 そうしてクライス達は、盟友ダイカン王子のいるボルケーノ王国へと到着した


 警備兵「止まれい!」

 二人の警備兵の前に馬車を止めて、警備兵が馬車へと歩いてくる


 クライス「魔王討伐メンバーのロードクライスだ、ガロ国王と会議の予定があるはずだが」


 警備兵はびっくりした様子で「し、失礼しました!」とあっさり通してくれた


 ゴゴゴ...と大門が開き、街へと入った


 ボルケーノ王国は熱帯の国で年中夏のように熱い国である

 なので国民は皆半袖姿である


 ダイカン「おおお!クライス!」

 城の前で待っていたのは、旧き友のダイカン王子だった


 クライス「ダイカン!久しいな、10年ぶりか?」


 ダイカン「いやぁ、暑かっただろう、城内部へ案内する!ついてこい!」


 クライス一行はダイカンについていき、ガロ国王の待つ王宮に向かった


 ガロ国王「おお、来られましたか、クライス王子」

 クライス王子の父、アルタイル王と違って、ガロはにこやかで優しく、聡明な国王だった


 クライス「ありがとうございます。早速本題なのですが、魔王討伐に向けて各国の兵力を貸してほしく、各国を巡っています。」


 ガロ「そういうことなら、いくらでも兵を連れて行ってくれ。私も魔王の悪行には危機感をずっと抱いていた」


 ガロは「はぁ」とため息をつき、こういった

 ガロ「それにしても、君のお父上ときたら...我が息子を討伐メンバーに加えるとは...親の所業ではないな...」


 クライスはぎゅっと口を噤み答えた


 クライス「いいんです。俺は強い、これで魔王がいなくなるならおれは何でもする」


 ガロ「手段を選ばない...君は父上そっくりだ...」

 ガロはニヤッと笑った


 ボルケーノ王国 王都 商店街


 コロウ「クライスのやつ、大丈夫かな」

 コロウは八百屋で買ったりんごをかじった


 ルーシェ「今は一人にさせてあげようよ、きっとお父さんのことで...」


 商店街 路地裏


 クライスは壁に寄りかかり、下を向いた


 クライス「大丈夫だ...父上は...まだ俺を...」


 クライスは「よし」と言い、歩き始めた


 コツコツコツ


 路地裏の向かいにローブ姿の人物数名が歩いていた

 こんな暑い国の中で、ローブ姿?顔も隠して


 クライス「怪しいな...」

 クライスは調査魔法で彼らの会話に聞き耳を立てた


 魔王教徒「儀式の準備は済んだ...これで魔王様に合図を送れる...」


 クライス「奴ら...この国に魔王を呼び出す気か」

 チャキン!と剣を抜き教徒に切りかかった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る