第2話 王子出陣

 アルタイル王国 アルタイル城 王宮


 当時20歳の若き王子クライスは、魔王退治のため、出発の準備をしていた


 クライス「これだろ?」

 ガチャガチャと自室の武器庫を漁るクライス


 ルーシェ「準備できた?」


 美しい女勇者ルーシェがドアに寄りかかり、立っていた


 クライス「ノックくらいしてくれ、不敬だぞ」


 ルーシェ「お父上様が呼んでるよ!いっしょにいこっか」


 クライス「はいはい、わかったよ」


 ガチャリと王宮の大きな扉を開け、クライスとルーシェは王様の元へ歩いた


 コロウ「お、やっと来たな。あつあつカップル」


 クライス「うるせぇよ」


 クライスたちは父アルタイルの元へ魔王討伐の為、出発の挨拶を告げた


 アルタイル「魔王討伐へ、クライス王子、勇者ルーシェ、コロウ、魔法使いロイスの出発を認める」

 アルタイル王はアルタイル王国の王であり、クライスの実の父親であった。玉座に足を組んで座り、右手には煙草を持っていた


 クライス「感謝致します、陛下。では行ってまいります」


 クライスは国内でもとても強い魔力と身体能力を兼ね備えており、魔王討伐チームのメンバーとして抜擢された。しかし、クライスは気性が荒く、城の中でも話題になっていた


 コロウ「やっときたか」


 城の外に出ると、メンバーが馬車に腰かけて待っていた

 ロイス「そんな軽装で大丈夫なの?」


 クライスは長袖白シャツに黒のジーンズの腰にキラキラとした剣付けていた


 ロイスは王国内でも有名な魔法使いの女性。大きな杖を持って敵を殲滅する


 コロウ「これから魔王を殺しに行くってのに、危機感なさすぎだろ」

 コロウは腕の立つ猟師として、様々な魔獣退治に明け暮れているポケットにはソードオフショットガンを携帯している


 ルーシェ「私は良いと思うけどな、かっこいいし」

 鎧姿の女性勇者ルーシェは、魔力、身体能力が世界的に有名で、世界中を飛び回り、各国の抗争に加担している。その敵を一掃する姿はまるで女神だといわれている


 クライス「うるせぇ、どうせ死なねぇだろ。ここでもたもたしててもなんだ、さっさと馬車に乗ろうぜ」


 クライスはメンバーを一喝してそそくさと馬車に乗り込んだ


 魔王と呼ばれる"怪物"は、今から5年前、突如隣国のハッタン王国の砂漠に上空から降ってきた。


 その姿は巨大な蜘蛛のような見た目で、6本の腕と4本の足が生えそろっている


 怪物はすぐに街を襲い、エルフたちを食い荒らした


 その怪物の強さはハッタン王国の兵士でも太刀打ちできなかった。


 フロスト「なんてことだ、あんな魔獣が存在してたなんて」


 ぐるるるる...


 怪物はよだれを垂らしながら、泣き叫ぶ3人の女エルフをくわえて、海をめがけて走り出した


 フロスト「うてぇえええ!」


 ドン!ドン!ドン!


 城からの砲撃もむなしく、怪物に逃げられてしまった


 怪物は海を渡り、無人島へとたどり着いた

 上陸するとくわえていた3人のエルフを吐き出した


 ぎゃああおおお!!

 怪物が奇声を上げると、女エルフに噛みつき、喰いちぎった

 怪物は獲物を巣に持ち帰り、獲物を巣で食した


 その後、怪物は世界中の国や街を襲い、エルフたちを巣へと拉致送還していくのであった


 エルフたちは怪物を魔王と呼び、世界中から恐れられている

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