第23話 えんま様の秘書

 

「いやぁったぁぁ!!!」

 数日後、美紗子は珍しく叫んでいた。

 今日は閻魔秘書試験合格発表の日。

 美紗子は見事に閻魔秘書試験で合格した。

 むろん、弥里も合格で、煉獄荘で祝いをすることになった。

 

「お疲れ様、美紗子、弥里…楽勝だったじゃん?」

 煉獄荘に戻ると、都が二人に声をかけた。

「…大変だったんですよ?」

 美紗子は少しむくれたような顔で答える。

「ははは、さ、お鍋できてるよ。

 閻魔ちゃんと白河さんも来てるし」

 そう言って二人は煉獄荘で何度目かの鍋パーティに参加した。

 

「弥里さん、美紗子さん、おめでとうございます!」

「「おめでとう!!」」

「「ありがとうございます」」

 閻魔様、白河、都のおめでとうの声に、弥里と美紗子が答える。

「いやぁ、神原ちゃん、見事に上級の部屋クリアしたねぇ、よかったよかった」

 弥里はそう言って笑った。

「ありがとうございます…あ、ところで、都さん?」

「うにゅ?」

 肉を食べるのに夢中になっている都に、美紗子はいたずらっぽく問いかけた。

「…お母さんの名前、みつこさんって言いません?」

 

 ひとしきり盛り上がったあと、今夜は美紗子の部屋に閻魔様、弥里の部屋に白河が泊まることになった。

「…閻魔様、ありがとうございます。

 私、閻魔様の秘書として…がんばります」

「…何をありがとうなのかはわからないですけど…むしろお礼を言うのはこちらでは?」

 そう言って閻魔様は微笑んだ。

「あ、そうそう。

 美紗子さん、今後は天国に来てもらいますね?」

「…え、あ、はい…そうですね」

「そして、私のアパートに一緒に住んでもらいますよ?」

「…へ?」

「…死者出身の閻魔秘書は、閻魔とルームシェアすることになっています。

 よろしいですね?」

 毅然と言い放とうとして、耳まで真っ赤にしている閻魔様がそこにいた。

「…ハイ!!」

 美紗子は元気に返事を返した。

 

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