第24話 受領
「誰だ、お前ら」
振り向いて2人の男と相対すると揃って不機嫌そうに眉を吊り上げ、声を大きくする
「必要ない、ついて来い」
2人は背を向けさっさと歩いて言ってしまう、従う理由もないので予定通り馬車の発着場へと向かう、十数秒後・・
「おい!ついて来いと言っただろう!」
喧しい声と金属鎧の擦過音を響かせながら男2人が走って追いかけてくる
呆れながらも振り返ると顔を赤く、息を上げながら私を睨んでくる
「お前らに従う理由がない」
「ふざけるな!我々はプドゥール侯爵閣下に仕える領軍の一員だ、我々の命に従わないこれ即ち、プドゥール侯爵閣下の命に従わないことと同等であると・・」
「ああもういい、喋るな」
全く、
「一度だけ説明してやる、私はエルフ族、お前らの飼い主の侯爵は人族とその土地を治めているのだろう、その影響力が
「命令不服従により捕縛する!」
2人が斧槍を構える
駄目だなコレは、言葉が通じない、なら万国共通語で一方的に話をするしかないな
「『
「グガっ!!」
2人は同時に地に押し付けられ呻く、だが領軍の木端を自称するだけあってゆっくりとだが体を起こし始める
「『
「ンブッ!」
出力を上げると再び地に押し付けられ地面の味を感じている、余程美味いのか目尻から涙を流している
「おいおい、お前たちは領軍の木端ではなく奇食家だったのか、土の味とは敗者が味わうものと聞いていたが奇食家はそこにまで手を、いや、舌を伸ばしていたなんて驚きだ、私には到底真似できない」
2人は起き上がろうとはしているようだが指先まで地面と接しているので力を入れられず、脚や体を捩ることしかできていない
「さて、ウケた
地面に伏す2人は喋ろうとしているのか、息を吹き鼻や口周りの土を飛ばそうとしているが上手くいっていない
「侯爵からの開戦宣言、確かに受領した、安心しろ、使者であるお前たちは生かしたまま侯爵邸へ返してやる、その後どうなるかは知らんがな、『
新たな魔法をかけると2人は全身が震え、蹲り、穴という穴から体液が流れ出す
公衆の面前でさらけ出していい格好ではないが意に介さず、ガチガチと歯を打ち鳴らす音が耳障りだ
「立て、15分だけ待ってやる、死にたくなければ侯爵をここへ連れてこい、間に合わなければ攻撃を開始する、・・これ以上手間をかけさせるなよ」
2人はヒュッと息を鳴らし、全力で駆けて行った、騒ぎを遠巻きに見ていた住民も動かない
最後に面倒事を持ち込んだ連中には相応のものを支払ってもらうことにする
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