星降る夜に

羽入 満月

星に願いを

 見上げた夜空に光る流れ星をいくら手を伸ばしたって届くはずないのに、僕はいつまでも空に向かって手をのばすのだ。

 キラキラといくつも流れていくそれをただぼんやりと眺めながら、つかめないとわかっていても飽きもせず手を伸ばす。


 本当は君と見たかった流れ星。

 いつまでも君が隣にいると思ってた。


「さよなら」を交わしたあの日。

 君が静かに瞳を閉じて、涙を1つ落とした時に「あぁ、君がいない世界に生きていくんだ」ってやっと気付いたんだ。


 悔しくて見上げた夜空も、君に会いたくて見上げた流れ星も、変わらずキラキラとしていたのに僕の隣に君はいない。 


 どんなに「あの時」と願っても時は戻せない。

 だから幾千もの夜を一人で越えて、君とまた会うことができたら、僕は君に何を伝えるんだろう。


 もう一度君に会えたら「また君の隣に並んでいいかい?」と聞きたいな。


 その言葉に君は何て返すのだろう。

 笑ってくれるだけで僕は嬉しいけど、君は笑ってくれるかな?


 もし願いが叶うのならば、

 一緒に流れ星を見たいと今日も夜空に願っている。


 そしてこの星たちを捕まえることができたら、僕は君に会いに行くね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星降る夜に 羽入 満月 @saika12

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説