小鳥遊 悠里 2

「やほ」ニヤニヤ


「……」


悠里とのデートを見られた翌日、俺は桃花に放課後体育館裏に呼び出された


「暁人ー、なんで呼び出されたかわかるぅw?」


「ッ…」


この女……


「……やるなら早く終わらせろ」


そう言い、俺は服を脱ぎ出さそうとしたら…


「ちがうちがうw今回はそれじゃないよー」


「は?他になにすんだよ…金か?」


「ひひ、違うよーお金じゃない」


「じゃあ、なんだよ」


「まあまあ、待ってよ…ウチも色々聞きたい事あんの」


「…」


「暁人は悠里と空で二股してるって事でいいんだよね?」


「…ああ」


「じゃあ、会長とはどんな関係?」


「……ただの知り合いだ」


「いやw嘘つくなよ、ウチの事舐めてんの?正直に言え」


「………翼とも関係がある」

 

「…マジでクズじゃん…最低」


何も言い返せない


「悠里に空、会長に手を出してなんでウチとはちゃんとした関係になってくれなかったの?」


「お前とは友達以上恋人未満の関係でちょっとした遊びだった」


「…」


「普通に話してても楽しかったし、空が居ないときの性処理もしてくれたから…言葉は悪いが、話せるオナホ的な感じだった」


「…………」


「何も考えず、お前の気持ちを無下にし適当に弄んだ事は本当に申し訳ないと思っている」


「あの時は、マジでどうかしてた…ごめん」


「……いいよ、薄々気付いてた…相手にされてないって…」


「そっか…そうだよね、そう………ぅぅ」


桃花の目から涙で溢れ出た


マジで…俺…何やってんだ…桃花がこんなにおかしくなったのは全部俺のせいじゃん、好意を利用して雑な扱いをし桃花を狂わせた


何も考えず適当に生きすぎだろ…俺


「桃花…ごめん…本当に…」


そう言い、桃花に抱きついた


「…グスッ……暁人」


「…どうした」






「許さない」


「え?」


「悠里…もういいよ」


「は?」


ガシッ


いきなり後ろから肩を掴まれた…振り返ると…




悠里がいた……



「…土曜から、ずっと怪しいと思ってたけど…やっぱりね」


「ゆ、悠里…なんで…」


「昨日デートが終わった後桃花に暁人の事で詰めたの、色々怪しかったし桃花と暁人が同じ学校だってのも知ってたから」


「そしたら、思った通りの回答だった…それで桃花に頼んだの…実際にこの目で確かめたいって」


「今まで色々やってきたけど反省して、心を入れ替えたと思ってた…そう信じてた私が馬鹿だった」


「…まあ、私は長い話はするつもりはない…単刀直入に言うね」



「別れよ」


「………」


…まあ、そうだよな…当然だ


「わかった…今までありがとう」


「うん、じゃあね」


そう言った後、悠里はこの場から去っていった


「…」


……え…?なんか思ったより辛くない…


…ま、いっか…俺には空も翼もいるし…はは


もういいや、なんでも…俺は一人の女だけを愛するなんて無理な人間だ…そうだ…そうじゃん! 


悠里との関係は終わったしもう真面目を演じなくていいんだ!


むかつく奴はぶん殴って色んな女を抱きまくってやる!


そう思ったら、気分が楽になってきた!よし!


「桃花!」


「……?」


「俺の女になれ」


「え…いいの?」


「ああ、今まで悪かった…これからは桃花をちゃんと愛するよ」


「嬉しい…ウチ…暁人の彼女になれるの?」


「もちろん…いっぱい愛してやるからな」


ーーー


「ふー、ヤった後に吸うタバコはうめえーー」


ベッドでぐったりとしている桃花を見る…


こいつ、外見だけは良いからこれからたくさん稼がせてもらおう…あはは



「………」


ひひ、暁人も壊れてきた…ウチと同じ目になった…


会長に邪魔されてから色々考えてたけど、まさかこんなに早くチャンスが来るなんて…ウチツイてる…


後は空と翼…あの二人はこんな簡単にいかない…二人とも暁人が人を殺そうが何しようが絶対に離れないと思う…


んー…どうしよ…まあ…また待ってればチャンスが来るでしょ!




ひひ…暁人…幸せになろーね


ーーー


「………」


「暁人はクズ…どうしようもない」


「暁人は最低…あんな奴死ねばいい」


「暁人は駄目人間………………」


「私が……私がいないと駄目……ふふ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る