小鳥遊 悠里

「あーきと!」


「悠里……」


「ちょっと!久しぶりなのに、なによその顔は!」


「あ、ああ…ごめん」


「もーーー!今日のデート、すっっごい楽しみにしてたのに!そんな顔じゃ台無しだよ!」


「そうか…そうだよな!わりい」


「そうそう!笑顔で楽しくデートしたい!」


「よし!今日は全部俺が奢るぜ!……できれば一万円以内で…」


「もー、かっこつかないなあー…暁人はお金無いんだしいつも通り私が出すよー」


「それじゃ行こーー!」



悠里…やっぱ可愛いな…前よりも可愛くなってる…

ダークブルーのハッシュカットで毛先にパーマがかっかっていてメイクもバッチリキマッている 

 

韓国風スモーキーメイク?だったけ、悠里が今ハマっているらしい、確かにすげー可愛いし他の同世代の女と比べると大人っぽく色気がある…


口にはリップピアスがあって悠里のぷるっぷるの唇に良く似合う…

服装も韓スト系でカッコよくもありセクシーさも醸し出している


「ねえ…その首に沢山ある赤い痣どうしたの?」


やばいやばいやばい


「え!…あ、あのーあれだ」


「昨日外で寝ちまってよ、起きたらめっちゃ蚊に刺されてたんだ」


「ふーん…まあいいや……あっ!これ可愛くない?!」


あっぶねえ…なんとか誤魔化せた…悠里が鈍くて助かったぜ…


「…」


ーーー


「んーーー今日は楽しかったあーー!」


「だな、悠里との久しぶりのデート楽しかった」


「私もーー!…で・も・!まだ楽しい事あるよねー?」


「はは、そうだな…宿泊にする?」


「うん!久しぶりなんだからいっぱい暁人を感じたい!」


「おっけー、タクシー呼ぶわ」


「はーい!でもタクシーで行くの恥ずいカモ…」


「気にしなくていいって前に空といっ……」


や、やべえ!つい口が滑っちまった!


「あ、あの…」


「……」


「大丈夫だよ、鳴上と付き合ってた時の事不意に口から出ちゃったんだよね」


「そ、そうそう!マジでごめん!元カノの名前出しちまって!」


「うん、大丈夫だよ……次から気をつけてね」


「お、おっけー!気をつけるわ!」


「…」


ーーー


「……」


久しぶりの悠里との行為……良かった…けど…


全然物足りない!


空の様なテクニックがない、翼みたいな魅力的な身体もしてない…

桃花…桃花のいいなりになっていた時は辛かったけどどこか興奮し満足している俺もいた…


……前なら悠里と身体を重ねるのはすごい嬉しかったし興奮もしていたけど、今回は途中からだるくなって中折れしそうなった


クソっ……空に犯された日から頭がグチャグチャだ…前ならこういう時に悠里に相談していたが…この件は絶対に相談できない…


はあ…どうすれば…



ーー


「今日はあそこ行こー!荷物持ちヨロシクー!」


「おけー」


それからモールに行きしばらく悠里の買い物に付き合っている最中見覚えがある女がこっちに向かってきた


「あれっ!悠里!」


「わっ!とーか?!」


この状況で一番会いたくない奴がいた


「めっちゃ久しぶりじゃん!中学の卒業式以来?」


「だね!てか悠里今何してんの?」


「キャバだよー」


「そうなんだ!身につけているブランド物を見る感じかなり稼いでるなー!」


「ふふーん!先月はナンバー2でした!」


「マジ!やばー、確かに悠里昔から可愛いかったもんねー、今はもっと可愛くなってるし!」


「ありがとー!今度ご飯行こ?奢るよ!」


「さっすがナンバー入り!太っ腹〜ウチめっちゃ食うからね」


「おう!なんでも来い!」


「……んで二人はどんな関係?」


クソッ……やべえ…どうしよう…マジでどうしよう…悠里と桃花が同中だったなんて…中学違うから知らなかった…


「これ私の彼氏!暁人!格好いいっしょ!」


悠里のその言葉を聞いた時桃花はしばらく無表情だったがすぐにニヤけ始めた


「へーーwそーーなんだww彼氏ねえ…いつから付き合ってんの?」


「半年とちょっと前くらいかな…暁人から告白してくれたの」


「ふふ…そうなんだ…すごーいお似合いだねーw」


「でしょー!とーかは彼氏居るのー?」


「いや居ないよーちょっと前までは居たけど盗られたー」


「え!そうなんだ…ごめん…」


「いやw気にしないでー、そいつ実はさウチとは別に彼女がいて二股どころか三股掛けてたクズ男だったんだよ!だからマジで気にしないで!」


「そーなんだ…ひどいね、こんなに美人なとーかに三股掛けたなんて…最低だね!」


「www…うんw…まっ、この話は終わり!インス◯に後で連絡するねー」


「おけー、楽しみにしてるね!」


「ウチも楽しみ!…それじゃ…彼氏さん…カ・ノ・ジョを大切にね…」


「あ、ああ……」


そう言うと桃花は去っていった


「とーか可愛いかったでしょ?!浮気しちゃ駄目だからね!」


「……もちろん」



それからのデートは全く楽しめなかった

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