一条 翼

俺…最低だよな…悠里の事を裏切らないって誓ってたのに…裏切ってしまった…


首や胸にキスマがあるから最近は悠里に会えていない、メッセージのやり取りはしているが本当は会って話したい


けどこのキスマがある限り会う事が出来ない…あの時は空に流されたけどいずれはどっちかに決めた方がいいだろう…


はぁー、しんど


「おい」


「あ?」


声のする方を見ると男が三人いた


サッカー部の國…なんたらとバスケの佐藤……いや後藤かあとバレー部の新庄?だっけか?こいつらは確か学校でかなり人気ある連中だ、イケメンで高身長スポーツも全国レベルtik to◯やインス◯のフォロワーもかなり多いらしい…こいつらがなんで俺に声を…


「音村…お前…鳴上さんと今すぐ別れろ」


「はあ?」


「別れろっつてんの、聞こえねえのか?」


「なんでオメエらに空との関係にとやかく言われなきゃいけねーんだよ」


「お前みたいなチビゴリラ、空ちゃんに相応しくねーからだよ」


チビゴリラ……172cmあるからチビではねーだろ…クソッ…自分らが180超えだからってチョーシこきやがって…


「意味わからねえよ…空から俺の方に来たんだし相応しいもクソもあるか」


「……俺らお願いをしてるんじゃない…命令してるんだ」


はあ?マジでこいつら意味わからん


「逆らったら……大体察しはつくよな?」


「あ?上等じゃん、やってや…」


いや、駄目だ!問題を起こしたら終わりだった!


「んで?返事は?」


……コイツらまとめて潰すのは簡単だ…指の付け根あたりの骨の浮きが全然ないから人を殴った事すらあまりないだろう…もちろん喧嘩慣れもしてなさそうだし、いくらリーチがあってもどうにかなるとは思うが……


問題はそこじゃない…喧嘩自体が問題なのだ


こいつら学校の中どころかネット上でも人気者だから何かあったらすぐに問題になる…だからと言って抵抗せずに殴られても俺の顔の傷を見たら何か問題を起きた事がバレるだろう


クソッ!マジでだりい!


「おい…黙ってないでさっさと答えろ」


「國枝くんこいつやっちゃおうぜ」


「俺も後藤の意見に賛成……こーゆー馬鹿は殴らないとわからないだろ」


「……そうだな…それじゃ…」


キャラ作ってテキトーに煽ってこの状況を打破する方法でも考えるか…


「おいおい、待てよ…俺をボコっても空はお前らの所になんてこねーぞ」


「つかよ、俺と空が別れて半年経ってんのに空が誰かと付き合ったなんて聞いた事ねーのよ、つーことはさお前ら……」


「フwラwれwたwだろwww」


「「「……………」」」


「ぷははは!マジ笑える!え?何?俺をヤれば空がお前らの事受け入れてくれると思ってんの?!」


「……違う」


「あー!じゃー何?ただ単に俺の事が羨ましいからかー残念!空は俺の事しか見えてません!」


三人が俺を恨めしそうに見ている


「もし俺に何かあったら逆にお前らが空に嫌われるぞ?」


「マジ空は俺にゾッコンで復縁してからS◯Xしかしてねーからよ、見ろよこの首と胸元のキスマ…付けられすぎてマジ困ってるわー」


「「「ッ……………」」」


「あとよ、お前らtik to◯でよく空とコラボしてんだろ?あいつマジで嫌がってたぞ、コメント欄で 誰が空ちゃんの彼氏なんですか? って言われんのがつらいって」


「だからさ諦めろよ…な?」


「黙れ!」

 

バレー部の上条?がいきなり殴ってきた…がスピードがなく躱すのは余裕だった


「おー…こわ」



「オラッ!!」


サッカー部の國なんたらが蹴ってきた…その蹴ってきた足を掴み捻った


「うぐっ…」


「死ねや!」


バスケ部のさと…後藤が後ろから殴ってきた


これは避けられねえな…


バキッ


「ぐわあああ!」


やべっ…ついクセでパンチに頭突き合わせちまった…後藤の指が逆方向に曲がっている…


やばいやばい!終わった!バスケ部の有名人に怪我させちまった!


「お、おい!大丈夫か?」


「……うる…せえ……クソッ」


マジでヤバい…指がぐちゃぐちゃだ……終わった……


悠里……ごめん……俺……


「おい!お前ら!ここで何をしている!」


……もう…完全に終わった……はあ……


そこに現れたのは…一条 翼 (いちじょう つばさ) この学校の理事長の娘でもあり生徒会長でもある人物だ…容姿端麗で文武両道、空並みのスペックの持ち主だ 


顔は中性的で美しいが性別が女性とすぐわかるくらい胸が大きい身長も俺より少し高く男子より女子にとんでもなくモテる…優しく頼り甲斐がある皆の憧れの存在……らしい


「ここで何をしているんだと聞いている」


「い、いや…何も…」


「へー、私から見たらそこの三人がコイツを襲っている様にしか見えなかったけど?」


「うっ……」


やべえ…どんな理由があっても問題を起こしたら俺は終わり…ここは…本当は嫌だけどあいつらを庇ってやるか…


「いやいや!俺らはただ遊んでただけだって!なあ?」


「お……おう…」


「…………」


「ほら!お前らもう十分じゃれあっただろ!部活もあるだろ?さっさと行った方いいんじゃね?!」


「……チッ」


そうして三人は去っていた


「じゃー俺もそろそろ…」


「誤魔化せると思ったの?」


「後藤くんの指…折れてたよね」


「い、いや…」


「それに普段は寡黙なのに今はまるで別人のようだよ」


う……駄目か…全部バレてる…


「確か次問題起こしたら退学…だよね?」


「………」


「はは、大丈夫だよ…前みたいに全部無かった事にしてあげるから……」


「………」


「そのかわり……わかってるよね?」


そう言い俺の股間を摩ってきた


「ッ…」


「そろそろ 二人目 欲しいなーって思ってたんだー」


「いいよね?」


俺は頷くしかなかった


「ふふ…それじゃあ生徒会室に行こうか」




俺はニヤついた顔の翼について行った

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