第11.5話 愛しき吾子の勇敢な歩み
(僕はじぃじとばぁばが大好きでした。この日本という国に来るまでは…。でもこの国に来てから、じぃじもばぁばも、そして一番大好きだったママも人が変わった様に、僕に接し始めました。そして空港に着いた時にママから言われた一言で、僕は誰を信じればいいのかわからなくなりました。そして、デパートにママと手を繫いで来て、色々見ていたけど正直、僕はほとんど目に入っていませんでした。それはずっと下を向いていたからです。そしてママから久しぶりに名を呼ばれて、ママ、と呼ぼうとした時に、空港で言われた事が脳裏によぎってしまいました。そして僕はママを傷付ける言葉を言って、お兄さん達の手も擦り抜けて逃げ回っていました。そして気が付いた時には、僕は玩具屋さんに一人取り残されている、クマさんのぬいぐるみに隠れる様に座っていました)
……
(クマさんのぬいぐるみに抱き付いたまま、僕はいつのまにか眠ってしまっていました。そして気が付いたら、僕の周りには日本人の人達が大勢取り囲んで来ていて、知らない言語で僕に語りかけて来ても、僕はどう対応すればいいかわからないでいると、人混みの後ろから、お屋敷のお兄さん達と同じくらいの背の人が僕に近寄って来ました)
君、どうしたのかな…ママとパパは?はぐれちゃったのかな?…おいで…?怖くないから…。ここにいる人達は皆、君のことを心配している人達、味方だよ…
(このお兄さんの言葉だけは、僕の国の言葉で、僕も理解する事も出来ました。そして僕も不思議な感覚に包み込まれました。このお兄さんと初めて会うのに、何故か初めてではない感覚だったからです。そして僕はお兄さんの手を恐る恐る掴むと、お兄さんの胸元に抱き寄せられて抱っこされました。すると、不思議と眠気が襲って来ました。まるでママに抱っこされているような、そして、まるでパパに抱っこされているような感覚でした。…あれ?そう言えば、僕、ママからパパの話聞いた事ない…そこで僕は眠りにつきました)
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