第18話 鳴らない爆弾をもーいちどーばーぜーてー❗

ヤバイです。



私の作戦用トラップ"特攻神風"が、私を助けてくれたA級に歯向かおうとしてます。



さっきから危ないから離れてくださいと何度も叫んでいますが、反応と距離的に聞こえてなさそうです。


後、右手の腐った少女がこちらに走って来てます。


私も巻き込まれるぅぅッッ!!!


ハハハ、終わりました☆



・・・



ドラゴンの上半身を着地と同時に消し飛ばしたイリス。


俺はその反動で、酔っ払った時みたいな気分になっていた。


『もう少し、安全運転出来ないか?』


「ご、ごめんなさい‥...‥い、急がなくちゃっと、お、思って‥....‥」


『いや、謝らなくていいよ。注意し忘れたこっちも悪いし。』


それよりも、生徒さんは無事なのか?


「な、なんか言ってます!」


「に‥...‥て!あ‥.....‥です!」


生徒がこちらに向かって叫んでいるが、遠いから聞こえん。もっと近くで言わないと。


イリスは再試験暫定合格が嬉しいのか、トロッコの線路から足を踏み外さないようにして、生徒の方へと足を弾ませた。


小学生の頃よくやったなー。道路の線に沿って歩いて、踏み外したら死ぬ設定の遊び。


やってる人と場所が違うけどな。


右手の腐った少女が炎上する鉱山を楽しそうに歩く。


世紀末だよ。全く。


線路に沿ってすてっぷ!すてっぷ!していたら、何かが線路に沿ってユックリと近づいてきた。


『おい、イリs「あ!と、トロッコさんだ!」


ス、あれは何だ。は、言えなかった。


ゴトゴトとトロッコがユックリとこちらに近付いてきている。


イリスはそれをモノ珍しそうに覗いた。


「わー!ば、爆弾がいっぱ‥...‥爆弾?」


覗いた中身に気付いたイリスは、ビックリしてのけ反った。


その時、トロッコに付いてる半分切れたワイヤーに絡まっている赤色の石を見て、さらに驚愕した。


「ま、魔石?え?ちょ、ちょっと待ってぐださい?!」


その仕掛けが意味する数秒後の未来を避けるべく、全速力で逃げようとするが、もう遅かった。




絢爛と燃え盛る焔が鉱山を抉った。




・・・




ハデシスの女子寮の一室。


部屋の相方がいなくなり、寂しそうに私は言った。


「ステラは無事かなーーー...‥」


初級魔法と、なけなしの中級魔法しか使えないあの子が心配で、昨日はマトモに寝れなくて寝不足だ。


「やっぱ殴ってでも、課題をやらせるべきだったかなー...‥...」


私はこう見えてもB級のライセンスを持っている。


校則を破ってでも、課題に乱入した方が良かったんだろうか?


A級の人が付いて行くとはいえ、ステラがインパルスドラゴンの討伐なんて、自殺と一緒だ。


教師ならば、生徒の命を守らなければならないんじゃないのか?


教師達の行動がオカシイ。


今回だけじゃない。


先日、公爵の私兵達を惨殺した王女が休学を終えて、学舎(ガクシャ)に戻ってくると聞いた時は、心臓が止まるかと思った。


殺人鬼と同じ学び舎で学べと?


しかも、只の殺人鬼じゃない。A級の殺人鬼だ。


乾いた笑いを堪えるしか出来なかった。


「終わってるー--..‥...マジで終わってるーーー...‥」


私は席から立ち上がり、窓を開けた。


涼しい風が私の髪をなびかせる。


ステラが戻ってきたら優しくしよう。


後、殺人鬼は極力警戒しよう。




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