第3話 別にロリコンじゃないが、ロリもアリだと思う
光が綺羅々を包み、世の理を超えて、異なる世界へその魂を送り込む。
滝のように、川のように、雫のように。
光が徐々に薄れていき、完全に無くなった時、綺羅々の体も共に無くなっていた。
ここは何処だろう。暖かい。いや、温かい?ところにいる気がする。
『転生.........した....のか.....?』
全身黒タイツさんが嘘をついてなかったら、俺は転生した事になる。
周りを見渡した。俺が住んでいた六畳部屋より、ひとまわりほど大きい部屋だ。
俺はベットで寝ていたらしい。
そういや、フレイヤが俺に『○○の娘に転生させる~』とか言ってた気がするようなないような。
取り敢えず、立ち上がろうとするが、体が言うことを聞かない。なんで?
もう一回、立ち上がろうとするが、やはり、体が動かない。まるで、そもそも存在しなかったように。
「ヨイショ」っと女の子が気張る声が聞こえた。物凄く近くだ。
その後、一瞬の浮遊感を覚え、俺は押し潰された。
『イデデデデッッッッ!!!!』
「え?何?」
女の子が声のありかを探すように周りを見回した。
そう、見回した。
見回ると同時に俺は大回転を刻んだ。
『ギャァァァッッッッ!!!!』
「なになに?こわい!!」
今度は反対の方向に回る。
『オンギョェェェェェッッッッ!!!!!』
「お、おばけェェッッッ??!!!」
腰を抜かしたのか、倒れるように女の子はシリモチをついた。
インパクト。
『ハッギョアッッ』
女の子が倒れた衝撃で意識が飛びそうになったが、自慢のメンタル(先刻、女神の一言で破砕)で何とか耐え、状況把握をしようと、前を見つめた時、俺の目の前には大きな鏡があった。
そこには、銀髪で碧眼の幼女が怯えていた。
きれいだ。
ただ、きれいだ。
年頃は、12歳ぐらいだろうか?
どれぐらいかと言うと、テレビに出る俳優とタメ張れるぐらい?
ほら、可愛さ売りの子役とか。
でも、それを霞ませる程、強烈なものがあった。
この子の右腕は腐りきっていた。
骨が露出しており、血管がピクピクしていた。
Wow!! that's GURODESUKU!!
KOREGA ZINTAINOSINPI!!!
さらに、何故か....俺の名前が刻まれた指輪が腐った右手の中指に、はまっていた。
女の子のギャップ萌え(?)を見て、俺は激しく狼狽えていた。
「そこに......だ、誰かいるの?」
オロオロと女の子が鏡に問いかけた。
『いません。』
こういう時に「いまーす。」とか言うバカ野郎が何処にいる!!
まずは情報収集からだろーが!!
「..........い、いるじゃん。」
『だからいねーよ。』
指輪が「チカッ☆」と光った。
それを見て、女の子が中指の指輪を睨んで叫んだ。
「い、いるじゃん!!ぜ、絶対いるじゃん!!」
『いねーよ!!いないっつったらいねーよ!!!』
またもや、指輪が「チカッ☆」と光った。
あれ?俺が喋る度に指輪光ってね?
っていうか...........俺の体はどこに行った?
生命保険加入済みの俺の体どこ行った?
借金払いきってない俺の体どこ行った?
思えば疑問だらけ。思い返せば疑問まみれ。
だからこそ疑わざるを得ない。
俺って指輪か?
体を動かしてみる。指は動かない。
代わりに動くのは.........F***な指だ。ピクリと動く。
もしかして..........俺って........中指?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます