第4話 俺YOEEEEEEE!!!!!

勝手にピクピクする中指を見つめ、女の子が呟いた。


「こ、これが……力?」


『違う。綺羅々だ。』


俺は勇気を出して、自己紹介と事情説明をした。


女の子は最初こそ、疑いの眼差しで見つめてきたが、ピクピク動く中指(俺)とチカ☆チカ☆と光る指輪を見て、納得してくれたらしい。


続けて、ここがどこで、きみは誰なのかと質問した。


女の子は緊張した顔で、口を開いた。



女の子曰く、ここは古くから【魔王】が治める宗教国家【ヘルエアウィム】で。


今いる部屋は、その国の首都。【タナトス】にある魔王城の一室だそうだ。


後、女の子の名前はイリス・ヘル・タナトス。


端正しすぎてる顔のイリスは、驚くことにお姫様らしい。


そう、言われた時、驚きつつも、納得する自分がいた。


確かにあの顔で、一般人とか言われたら、世紀の大発見だろ。


でも、お姫様と言っても、大きな権力は持っていないみたいだ。


何故かは教えてくれない。


そりゃぁ、初対面だし、言いづらい事はあって当然だ。


認めづらいが、結論から言うと、俺は【魔王】の娘の中指に転生した。しかも、喋る度に指輪が光る特別仕様だ。


最低限の情報は得たとはいえ、まだまだ情報不足。


さらに質問をしようとしたが、


グリュゥゥゥゥゥ


と、イリスのお腹が豪快にハウリングした。


「........」『.......』


イリスの顔がやや紅潮する。


安心しろ、イリス。お前の気持ちは俺もわかる。


腹減ったんだろう?


同じ体なのか、俺も減ってる。腐ってる指なのに、そういうのは感じるんだなー。


あ、何で腐ってるのか聞き忘れた。


まぁ、後で聞けば良いか。


そんなこと考えてたら、イリスが立ち上がろうとしていた。


ん?...._.....待って。落ち着け。俺はまだ死にたくない。


遅かった。


赤い顔でイリスが立ち上がる。


「い、行きましょうか?ナカユビさん?」


『待ってケアギャァァオォォォオオァアウ!!!!!!!!!!!!!!!!!』


まだ、先は長そうだ。

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