第8話 リリアと南町ストリートをぶらつき。金髪のチビを捕まえた


「っという訳だ」


「ふーむ」


 ケーキを食べた後。『後は二人で楽しみな~! あ! ゴm』とか言ってた母ちゃんは、家の奥に行かせた。


 何言ってんだ。若作りBBA!!! っとによー!


 で、だ。


「俺は西校に犯人いると思うわ」


「ヤンキーの常識的に、嘘をついているメンバーですか」


 そうだ。


 ぜってぇ怪しい! マジで!!


「そうですね。じゃあ、調査しましょう! 最初から!」


 最初?


「弥勒さんが、飛ケ谷と最初に会った! ゲーセンからですよ!!」


 なるほど。被害者の道をたどってみる。そう言うことか。


「ええ! そうしましょう! 明日に!」


 そういうことになった。


 っで!


「ここが南町の俺らのシマ。南町ストリートだな」


「おおお!!! すごい! お店の数! すごい!!」


 やってきたぜ! 次の日の朝から、南町のストリートへ!


 ああ、北町に住んでいるリリアをニケツに乗せて、バイクでやってきた。


 リリアの親御さん。お母ちゃんにもあったんで、ちゃんと挨拶。


 事件で疑われてるんで、協力してもらってます! 


 って、言ったら。


『まァ、あなたが弥勒さんね! うちのリリアがいつもお世話になっております! 

この子あんまり他の子と馴染めてなくて! 心配してたんですが! 最近は、あなたの事ばかり!』


『お母さん!! やめて! やめ! やめろッッッ!!! もう!!///』


 っと、なぜか俺が感謝され。


 リリアはめっちゃ恥ずかしがってた。


 かわいい。


 ……いや、冷静に考えたら、ダチが自分の親に挨拶してたら、ちょっとハズイか。


 うん。俺の母ちゃんがリリアと話してるのも、ハズかったからな。


 まァ、母ちゃんの場合は、下ネタぶっこんでくるからだが。


「おう。ここ店多いぞ。商店街を基本に、ドンドン店が出来て、大通りになってるからな」


「へー!」


 ちなみに、今いる此処が中心地で。


 東西に、5回信号渡った先も。まだストリートだからな。


「!? 長いですね!?」


「まァな。古い店がもともとの商店街の店で。これは、500メートるくらいしかない。のこりの10キロ以上あるのは、新しい店で。ほぼ南校の卒業生。先輩たちが起業した店だ」


「!? え、起業なんですか!?」


 そうだよ。在学中にいろいろやって金貯めて。店だすんだよ。南校生徒は。


 まァ、ここら辺は主に飲食店や、ゲーセン、バイク、特攻服、音楽系の人たちの店が多いな。


 たまーに、でっかいビルもあるが、それは建築業の社長してたり、格闘ジムの経営してたり。車の改造やりすぎて、自分で車発明したとか、そういう先輩たちだ。


「へー! すごいんですねぇ!」


「まァな」


 ってか、南町ならだれでも知ってるぞ。


 南町の経済は、南校生と卒業生で回ってるところあるから。


「いやー、実は私北町からあんまり出たことないんですよねぇ」


 え、そうなの?


「はい! なんで、噂には『南町は南校に支配されてる』って、聞いてたんですが。

冗談だと思ってました。本当だったんだ……」


 あー、そっか。そう言うレベルか。

 

 じゃあ、もう異世界だろ。ここら辺。


「はい! ヤンキー用の服とか、いかついバイク屋とか! これぞヤンキーってお店が多いかと思えば!

高そうなバッグや、アンティーク、アクセサリーの高級そうなお店に! 喫茶店や、パフェ、クレープなんかの可愛いお店もあって! ギャップがすごいです!!」


 ああ、あっちには、デカ盛りのラーメン屋に、定食屋。レストランもあるし。


 その反対には、ギラギラ光がすごいゲームセンターに、工具の店もあるしな。


「ですねー。かと思えば、居酒屋に、たこ焼き・お好み焼き・焼きそば屋? お寿司屋さんもあって、わ!? なにこれ!? え、エッチな本しかない本屋!?/// わ! わ///」


「その隣には、勉強・資格本しか置かない本屋だ。んで、いろんな種類を扱うアイス屋に、ライブハウス。

キャバクラとか、風俗店。ラブホに、雀荘。地下釣り堀。

コスプレエロ、ううん! VR喧嘩ランド。遊園地なんかも普通にあったりするな」


「な、なんかもう、別世界ですね!! すごい!! てか、遊園地!? え!?」


 そうかー。俺らはこのごった煮というか。


 すきなもん! やりてぇからやってる!! って感じの、無法地帯感には慣れてるな。


 文化祭みてーで。


 けど、初めてなら驚くかもね。うん。


 って、待てよ。


 それなら、むしろ、南町の初手で来たのが、俺の家ってこと?


 まじかよ。初手番長の家とか、ぱねぇな。


 その行動力に、乾杯!


「っと、着いたぜ。ここが飛ケ谷と合って、ワン膝したゲーセンだ」


「あ、ここがそうなんですか。普通のゲーセンなんですね」


 ここも、卒業生が開いたゲーセンだ。


 特徴としては、もう他の店じゃやらなくなった、古いゲームを買い集めて。綺麗に直し! プレイ出来たり。


 あと、地震発生装置の上で何秒ヤンキー座りできるかの『揺れるな! ヤンキー君』とか、ヤンキー用語だけのクイズゲーム。


 あと、マジの単車を期待にしたレースゲームや。


 殴り、蹴り、頭突き、肘打ち、膝蹴りで、ヤンキー何人分の破壊力かを測定できる。『ヤンキー戦闘力・測定マシーン』なんかがあるな。


 全部南校OBが、お遊びで作った奴だけど。


 結構人気で、全国から遊びに来るらしいぞ。


「全然普通じゃなかった!? 濃いですね!!」


 まァな。


 あ、あともう一つ特徴。


「やんのかコラァ!!」


「なんゾこらァ!! ああ!?」


 ――ドガ! ドゴ! ボゴ!


「キャー!」


「始まったぞぉ!!」


「ヤンキーバトルだァァあ!!! わあああ!!!」


 ヤンキーの生の喧嘩が見れるってこと。


「え、特徴なんですか?」


「人気らしいぞ」


「えぇ……」


 ま、ちょっと止めてくるか。


 情報収集したいしな。


 オラ!


 ――二つの頭を一度に貫く! 右ストレート!!


「ほげ!?」


「ぶっへ!!」

 

 はい。喧嘩そこまでー。


「「だ、だれ!? 極道番長!? チャース!!」」


 ん。


 喧嘩してるところ悪いけどよ、聞きたいことあんだわ。


「「なんなりと! どうぞ!!」」


 おう。


 昨日、殺された西校の番長。


 あれについて聞きたくてよ。


 あいつの事知ってそうな奴、いるか?


「西校ですか?」


「うーん。いつもはいっぱいいるんすけど、今日はいな……あ、待てよ」


「あ、あいついたろ」


「そうそう。あそこに」


 ん?


「西校のメンバーで、死んだ奴の腰ぎんちゃくしてた。金髪頭の小せぇのがい。あ」


「!!」


 ――ダッ!!


 ……。


「今、逃げた奴か?」


「「そうっす」」


 ありがとな!


 じゃ!!


「「いえ! お疲れっした!!!」」


 おっしゃ! 追うぜぇ!!


 待てこらァァあ!!! 金髪ぅぅう!!!


 ヒャッハーーー!!!


「ひ、ひいいい!!!」


 金髪のチビは、ゲーセンの裏から出て、裏道を走るが。


 それは悪手だったな!


「っよ! っは! っほ!」


 こちとら、南校の脱策フェンスで鍛えてんだ!


 パルクールの要領で、裏通りにある、建物壁に、フェンスを蹴り! 


 屋根を走って、電柱を超え!


 屋上を走って、飛びまわる!!


 これで、お前より早く移動が可能!!


 高い視点から! 金髪ぅ! お前が見えるぞぉ!!


 じゃけん! 移動するルートを読んで、先回りしィ!


「っは! っは! っはァ! ここまでくれば、だいじょ」


 だいじょばない。


 ――物陰から、アイアン・クロー!!!


「!? ぎゃあああ!!!」


 おう。逃げるなよ。ちび助。


 そのまま握りつぶすぞ。おん?


「わ、分かりましたァ! 逃げませんから! 放して! 放して! ああ! 頭蓋が割れるぅぅぅ!!! ひいいい!!!」


 絶対話せよ?


 その気になれば、すぐ追いつけるからな?


「ひ、ひいい!! はいいい!!!」

 

 っと、話が聞ける状態になったので解放。


 同時に。


「お、追いついた! 弥勒さん! 早すぎです! 壁蹴って、屋上超えて、忍者ですか!? はァ! はァ!!」


「おう! おつかれー」


 ゲーセンから追ってきたリリアもやってきて。


 話を聞くことにしたのであった。


 んで。


「ごめんなさい!! 極道さんの家に、自転車投げ他の俺です! ごめんなさい!!」


「は?」


 場所を移して、公園。


 ああ、あのゲーセンの夜に、こいつら土下座させた公園で、また話を聞いたんだが。


 初手、罪を自白してきやがった。


 これは処すべし!!


「どうどう。待ってください。あの、できれば最初からお願いします。飛ケ谷さんが、公園でシャバイ負け方したところから」


 まァ、確かに。それは気になるな。


 っち! 待ってやらァ!!


「わ、分かりました。えっと……」


 そうして、金髪のチビ(犯罪者)が語ったのは、飛ケ谷がシャバ負けした後の事。


 鼻と口がボロボロの飛ケ谷を、全員で運び。


 病院に行ったらしいのだが。


「その、お前らが加勢しなかったから負けたって。治療帰りに言われて。それで。

皆、切れて飛ケ谷をぼこぼこにして、買えったんです」


「「うわー」」


 あの馬鹿。マジか。


 本当に空気読めないし、バカなんだな。


「ええ。っで、俺も去ろうとしたら。気絶からよみがえった飛ケ谷が。俺につかみかかろうとして来て。それで」


 それで?


「むかついたから殴ったんです! そしたら……。

動かなくなって」


 ――ドサ!


『ぐえ!』


『はー! はー! もう知らねぇ! 死んでろよ! バーカ!! ……あれ? 番長? 番長? ば、ひえええ!?』


 なるほど。殺したと思ったと。


「はい。白目むいて、泡ふいてたんで」


 なるほどなー。


「では、アリバイ作りのために、自転車を投げ込んだんですね?」


「そ、そうです! 飛ケ谷が生きてる時間をごまかすために! 友達とかに電話して、なんとか極道番長の家を知ってるか聞いて、それで行ったんです」


「っで、もし家が外れてても『極道コノヤロー! 西校の飛ケ谷なめんなやァ!!』 とか言えば、近所の話で『飛ケ谷が生きてる』ってことを、偽装できると思って」


 っで、家は当たってたけど、失敗したと。


「そうです! で、失敗して南町。飛ケ谷の倒れた場所を見たら!


『飛ケ谷が、消えてた』んです!


すんませんでした!」


 ふーむ。


 まァ、未遂だし。


「これで許したるわ」


 ――ガッチィィィンンン!!!


「!?!? ぎゃいいい!!!」


 げんこつ一発な。


 二度とやるなよ。クソが。


「は、はいいい~~~!!!」


 ふー。


 しかし。


「消えた飛ケ谷はどこに行ったんだ?」


「警察が言うには、西町のコンビニのカメラに映ってたってそうですし。西町じゃ?」


「いや、されだと時間がなァ。カメラは4時か半ごろ。

ここから徒歩でも。2時間か3時間歩けば行けるはず。つまり」


 1時間か2時間。


 どこかで、なーんかしてたはずなんだわ。


「あー、そっか。時間の関係が。そうなると、ふーむ?」


 おい。お前。なんか知らんか?


「は、はい! えっと、いつも行くコンビニがあります! 南町ストリートの、ファミレスの前の奴です! でも、俺はその時パニックで。見てなくて。飛ケ谷がいたかどうかは、正直……」


 なるほどな。


 じゃあ店員に聞くか。


 っということで。


 俺たちは金髪を解放し。


 コンビニに向かったのだった。

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