第5話 屋上おっさん事件・解決! そして、ざまぁ祭り! 始まるよ!!


「「っという訳でして」」


「なるほどなー」


 さて、平日にバイクで山に行ってる高校生を見かけ。


 パトカーで追ってきたという、土方パイセン。


 無能刑事とは、比べ物にならないくらい有能なので!


 俺達の推理と、物証である車の話を、全部してやった!


 すると。


「分かった。車は署に運ぶ。それと、ホワイト・スネークどもは、逮捕だ。傷害とも、窃盗ともいえるからな」


「「あざーす!!」」


「あと、一応お前らも署に来てくれ。スネークの事もそうだが、そっちの殺人事件についても、話を聞いてみよう。内容によっては、少年課の課長と殺人課の課長に、話ができるかもしれん」


「「はい!!」」


 常識的な対応をしてくれた!!


 これだよ! こういう警察が欲しかったんだよ!!


 てなわけで!


「うーん。なるほどなァ」


 俺たちは、人払いした会議室で。


 おっさん先生殺害の犯人は、高橋ってやろーだと説明した。


 これで、逮捕! 俺への疑いは晴れ、あの無能刑事二人に、ドヤ顔ができる!!

 

 っと、思いきや!!


「分かった。車を調べたら、ほぼ確定だろう。っが、ちょっと難しいな」


「「え」」


 どうやら難しいらしい。


 なんで???


「今の証拠だと、高橋が殺して、運転して、空飛んで、やけどで入院となる」


「「うんうん」」


「しかし、車は盗まれてた。別人が乗ってた~。とかいわれたら、その嘘を崩して、奴が乗ってたと証明しないといけない」


「「!! あああ!!!」」


 そうか! 車は、動かぬ証拠とは、言えないのか!!


「まァ、鑑識で調べたら、教師しか乗ってないと分かるだろうけどな。

でも、ちょっと時間かかるかもしれん。

少なくとも、今すぐ逮捕しにいこうぜ! は、無理かな」


 えー! ここまできてかよぉ!!


 あとちょっとで、逮捕できるのに!!


 無能二人を! ざまぁできるのに!


 ああああ!!!


「ごめんなさい。弥勒さん。私が、動かぬ証拠と言って」


「いや、いいよ。リリア。俺もそこまで頭が回らなかったし」


「いやいや、立派なもんだよ。鑑定待ちとはいえ、車から血痕が出て、入間先生のものとなったら、事件への関係性大。

任意でひぱってきて、事情聴取はできる。時間はかかっても、逮捕はできるだろ」


 く~。


 ここまで来たら、スパッと決めたいけどなァ。


 もっと、こう! 高橋が犯人って断定できる。物的証拠!


「そうねー。犯人しか持ってない。もしくは、犯人と示すものが現場にあればなー」


 そうなんだよなー。


 っと、言いながら。


 会議室の壁にある、曾野市の地図を見て……うん?


 あ、いや、え! あ!


「あるかも。決定的証拠!!」


「「え!?」」


 残っていれば、いや、絶対に残っている!!


 証拠の場所を、見つけたよ! ええ!!


* * *


「ここがそうです」


「どうも。では」


 そして、次の日の土曜日。


 土方パイセンに、俺、リリアは、南町にある病院の。入院部屋へと踏み込んだ。


 大部屋であるそこには。


「? あ?」


 休憩中にくわえたばこで寝てしまって、服に引火。


 小規模のボヤで新聞にも載った。


 小柄なタクシー・ドライバーの渡さん。


「え、誰……」


 家で天ぷら中に火災となって、大やけど。


 趣味は、ぱ、ぱ、パラグライダー! の、高橋先生。


「む? お見舞いかな?」


 職場で火事が起こって、人助けしたが自分も燃えた。


 元プロレスラーの郷田さんがいた。


 この三人、一緒の部屋だったんかい!!!


 っと、思いつつ。


「警察だ。この場に、北天堂高校教師・入間博士いるまはかせ殺害の容疑者がいるので逮捕しに来た」


「「「え!?」」」


 そう、推理ショーの幕が上がった!!!


「犯人って、冗談でしょ!?」


「そうだ! 犯人なんていない!!」


「私たちはずっとベットの上だよ。そこの先生は、数日前の深夜に来たが」


「わ、私じゃない! 何を言ってるんだ!! 私は家の天ぷらで燃えて! 足も怪我してるんだぞ!! 人なんて殺せるか!!」


 うーん。しらじらしい。


 リリア。始めようぜ。


「ううん。皆さん。言いたいことはあるでしょうが、まずは私たちの話を聞いてください」


「!? きみは五十嵐君!? なぜ」


「話を聞いてくれ。それですぐ終わる」


「!!」


 お、俺の姿にビビったかな?


 センコーは黙り。


「ま、まァ、聞けば終わるなら」


「聞きましょう?」


 二人も同意した。


 では、どうぞ。


「ありがとう。弥勒さん。ううん! では、まず初めに、この犯人は『入間先生を殺す計画ではなく、突発的に殺してしまった』と考えます」


「ほう。それはまたなんで?」


 土方パイセンが先を促す。


 俺は、一応三人を見張っとく。

 

 当然暴れ出したら、ストレートぶち込んでやるよ。ええ!


「なぜかといえば、犯人の行動が、あまりにも杜撰だったからです。計画をしっかり練った犯行であれば、犯人は地獄の苦しみを味わうことはなかった」


「「地獄の苦しみ???」」


「……」


「ええ。地獄です。入間先生を殺した後、犯人はパニックとなり、死体を隠さなければと考えました。そこで」


「パラグライダーに括り付けて一緒に飛び、川に落そうと。突拍子もない考えを思いついたんです」


「「え」」


「……」


 本当に突拍子もないな。


 馬鹿だわ。馬鹿。


「なので、犯人は迅速な行動に出ます。入間先生の死体を車に入れて、パラグライダーも入れ、街を爆走! 罪から一刻も早く逃れるため、フルスピードだったでしょう。しかし!」


「そのスピードが致命的ミスを犯した」


「北町で遊んでいた南校の生徒を、引きかけたんですから」


「うわ」


「それは最悪」


「運転手死んだな」


 マジでそれ。


 なのに、逃がすとかさー。


 今年の1年、緩んでるわ。マジで。


「そう誰もが思いましたが、犯人は逃走に成功!」


「「え!?」」


「……ふふん!(得意げ)」


「……久しぶりに、母校訪問でやき、いや、指導した方がいいかァ~? これ」


 俺がやっときます。土方パイセン。


 確かに、他校になめられかねんよなァ。


 とりあえず、獲物は逃がすな。タイマンで勝てって教えるか。


「車は、ボコボコにされましたが! なんとか北山を走りきり!

犯人は、パラグライダーに入間先生を付けて! 空へ飛びました!!」


「「「おお~!」」」


「っで、ここで問題です」


 この犯人は、誰でしょう。


「「「え」」」

 

「まず、郷田さんは違います。元プロレスラーの力で、確かに入間先生を持ち上げられますが。『車が小さすぎる』ので」


「ああ、普通の乗用車は狭すぎて乗れませんよ。身長2メートルで、120キロあるんで」


 横にも縦にも、デカいもんなァ。


 これで、俺らが発見した乗用車は、めっちゃ狭そう。


 その状態で、ヤンキーたちの襲撃を逃げ切るドライビングテクは、発揮できないだろうし。


「ええ。そして、タクシー・ドライバーの渡さん」


「は、はい!」


「あなたも違う」


 そう。違う。


 小さい体で、入間先生を持ち上げることは、頑張ればできるだろうが。


 それでも!


「パラグライダーを始めて1週間の初心者が、自分よりでかい死体を付けて空を飛ぶのは、無謀です」


「それはそう」


「確かに」


 小柄すぎる渡さんじゃ、無理だ。


 なので!


「犯人は、あなた。高橋先生ですね」


「!!!」


 そう! あんたしか! いねぇな!!


 高橋ィィい!!!


「ち、ちがう!! 私はしてない!! ずっと家にいた! 本当だ!!」


「山に乗り捨てられた車から、あなたの免許証が出ましたし。あなたの車でしたが?」


「「!!!」」


「ち、違う! 車は盗まれたんだ!! 俺じゃない! 信じてくれ!! 

俺はずっと家にいたんだ! 犯人は、この二人のどっちかだ!!」


「なんだって!?」


「よくそんな嘘が言えるな!!」


 まァまァ。渡さん。郷田さん。ちょっと抑えて。


 ううん!


「こっからは、南校の番長である俺が言わせてもらう」


「「!! 番長!?」」


「ふん! ただのヤンキーの頭が偉そうに!」


「「ああ!?」」


 ――弥勒&土方の、にらみつける!!


「っひ!」


 ――高橋はおびえた!!


「弥勒さん。続きを」


「ああ、そうだな。えー、パラグライダーに死体をつけ。山から飛び降りたわけだが。郷田さん」


「あ、ああ?」


「パラグライダーに詳しいあなたに聞くが、『自分より重い死体を付けて、飛んだ場合』どうなると思う?」


「……そうだな。死体は俺くらいある?」


「ちょっと小さいくらいかな」


「分かった。それなら、かなり難しいと思う。渡さんのように小柄で、パラグライダー初心者じゃ、まずバランスが取れずに墜落するだろう」


 せやな。


「次に、高橋先生がどれほどうまいか知らないが。それでも、苦労するはずだ。

しかも、死体と飛ぶのは初めてのハズ。なら」


「絶対に、予定飛行ルートからずれる」


 その通り。


 高橋先生もずれたんです。


 そして。


「そのことに気付いて、パニックになり。入間先生を落そうと夢中になって。

自分がどこを飛んでるかの把握がおろそかになった。

だから」


 ――ヒュルルル!!! ドッガァァァ!!!


『!! ぐわああああ!!!』


 彼は、花火に焼かれ!


 校庭に墜落したんです!!


「「!! え!?」」


「ち、違う! 私は墜落などぉ! してなァい!!」


 いいえ。してるんですよ。


 あなたは、花火で酷いやけどを半身に負い! 


 パラグライダーも燃えて。南校から逃げた。


 しかし。


「時刻は10時過ぎ。正門はしまってた。もちろん、裏門もだ」


 あんたは、閉じ込められたんだよ。


 南校という名の檻に!!


「!!!」


「し、しかし。逃げたんでしょう? 出入り口がないなら、どうやって」


 ありますよ。出口。


「え?」


 脱策フェンスです!


「「脱策フェンス?」」


 ええ。我が南校の、伝統!! 放課後に正門と裏門が締まったら! 2メートルのフェンスを登り! 学校に出入りする!!


 パルクールや、卒業後に鳶職になれる素養を鍛えられるので! ずっと続いている! 


 南校の伝統です!!


「まだ残ってんだなァ。俺の時もやったわ。

おかげで、不良や窃盗犯が逃げても。パルクールで追いかけられて重宝する」


 たのしい上に、実用性高いですよねー。あれ。


「え、ちょっと待ってくれ。じゃあ彼は、足は骨折してて、体も焼けてボロボロなのに。

2メートルのフェンスを上ったのか!?」


 そうしないと捕まりますからね。


 死に物狂いで登ったでしょう。


「それこそ、折れた足を無理矢理動かし。焼けた腕の肉をフェンスに食い込ませ。登ったはずです」


「!!!」


 そう。焼けた腕をくいこませる!!


 そうでないと、逃げれられない!!


 ここが、ポイントだった!!


「さっきいましたよね? 高橋先生。家にずっといた。出てないと」


「あ、ああ! そうだ!」


 なら、なんで!


「南校の脱策フェンス! 来てないはずの、その場所に!」


 あなたの血が、あるんですか!!


「……!!!」


「一つ一つ調べましたよ。脱策フェンス! そこに、火傷から出た血と、皮膚の一部があり!」


「あなたのDNAが! 出ましたよ!!」


 お前が犯行現場にいた、動かぬ証拠だ!!


 夜で気づかなかったなァ!! 高橋ィィい!!!


「!!! うわああああ!!!」


 ふ、堕ちたな。


「その結果は偽物だァァあ!!!」


 あ?


「に、偽物だ! そうに決まっている!! 

あの馬鹿高校のヤンキーどもだぞ!! 死体があっても、のんきに登校して喧嘩してるんだ!」


「そんな奴らなら、今日も脱策フェンスを使ったはず!! 大勢が、フェンスを蹴り入った! それでDNA検査なんてできるはずがない!! 血液反応なんて! 土で汚され、流され! 出るはずがないいい!!!」


「だから、この検査はフェイク!! 俺を貶め、嘘の自供をさせようとした! フェイクだァァあ!!!」


「覚悟しろぉ! 警察ぅぅう!!! 五十嵐君ンンン!!! クソヤンキー野郎ぅぅう!!! 名誉棄損で、訴えてやるからなァァあ!!! 震えて眠れぇぇえ!!! あーはっはっは!!!」


 ……。


 言いたいことはそれだけか?


「あ? 何を言っている! クソヤンキー!! お前らクソどものせいで! 検査できなかったんだろ!」


「だから嘘の! でっち上げ! 犯罪を行ったんだ!!」


「本当に、検査が出来てたら! 逮捕状が出てるはず!! 上層部が、逮捕を許可するはずぅぅう!!!」


「なのにそれがないってことは! 証拠の改ざん! 作り上げ! フェイクってことだろうがァァあ!!! この犯罪者がァァあ!!!」


 フーーー。


「土方パイセン。ほんとーに、外の連中は南校をしらないんですね」


「ああ。知らないようだな」


「……あ? え?」


 やれやれ。


「あの、逮捕状ならありますよ。ね、土方刑事」


「ああ、リリアさんの言う通り。ここにな。

あるぞ高橋。お望みの逮捕状が」


「……あ? え? え!?」


 めっちゃ動揺してるなァ。


 さっきまでの勢い、どこ行ったんだ? うん?


「う、嘘だ! 物的証拠はない! フェンスの血も! ヤンキーどもの蹴りで、土で! 汚れる! 流される!

だから検査できない! 証拠能力はないって! そう確信して!!」


 いや、土で汚れても普通に検査はできるし。


 なんなら、最近のDNA検査は『水で洗い流しても検査できる』ってことは、俺でも知ってるんだがァ。


 そもそも、『事件の日から誰もフェンスを蹴ってないから』。相当やりやすかったらしいぜ。


「……は? 蹴ってない???」


 当たり前だろ。


「事件発覚の日。番長である俺が、解散っていたんだ」


「全員そのまま帰って、それ以降も! 誰も学校に行ってねーよ」


「え」


 ――解散! 解散!!!


 うむ。あの号令は『俺が考えるから! お前ら! 解散してろ!!』って意味だったからな。


 それで、誰も学校に来なかったから! お前の血。めっちゃいい状態で、見つけられたってさ!


 おかげで、検査も早く済んだ!!


 逮捕状もはやくでたぜ!!


 イエーーー!!!


「あ、ああ! あああ!!! そんな、馬鹿なァァあ!!!」


「番長が解散と言ったら、次は集合と言われるまで、学校には来ない。

そんな不良を舐めた。番長の影響力を舐めた。

あなたの負けですよ」


 いいぞ。リリア! もっと言ってやれ!!


「ああああ!!! うわあああ~~~!!! ~~~!!! ~~~!!!」


 ああ、すっきり!!

 

 その発狂する! 泣き顔が、見たかった!!


 良し!!


高橋将司たかはしまさし。入間博士殺害容疑で逮捕する!」


 ――手錠! ガッチャン!!! 


 うん! 土方パイセンが手錠かけて!


 高橋逮捕! 良し!!


「うわあああ~~~!!! そうですぅ! 私がやりましたァ!! 学校の金、横領してたのを知られて! ゆすられて! 殺すしかなかったんですぅぅう!!! ああああ!!」


 高橋、怒りのぶちまけ良し!


 余罪追及の方針! よし!!


 っで!


「っさ、入れ。頭低くしろ」


「ううう」


 パトカーに乗せられる姿! 決まってるぜぇ!! ええ!!!


「すごくうれしそうですね。弥勒さん」


「ああ、待ちに待った光景だからな! 胸のすく思いだ!!」


「そうですか。楽しそうでよかったです」


 へへへ! まァな!!


 でも、まだメイン!


 メインが来てない!!


「メイン? あ!」


「ひ、土方く~ん! これはどういうことかねぇ!?」


「さ、殺人課は我々だぞ!! なんで少年課のお前が!! 逮捕するなら、俺か! 笹塚刑事だろ!! この事件の担当だぞ!!」


 無能ども!!


 キターーー!!!


 うっひょおおお!!!(ビクンビクン)


「? 何言ってるんですか? 刑事課の課長さんと、うちの課(少年課)の課長の話で、俺が逮捕するってことに決まったからですよ」


「「え」」


「もしかして、ミーティング呼ばれてないんすか? 俺、少年課ですけど、呼ばれて出ましたよ。北天堂高校教師・殺害事件対策本部。本部会議」


「え、いや、その」


「れ、連絡は来てないが……」


 ぶふぅ!! 


 本部の会議に、呼ばれてない刑事がいるWWW


 それで、担当刑事ですってよぉぉお!!! 


 おっほおおお~~~♡♡♡!!!


「あー、そうですか。まァ、俺も少年課なんで。殺人課のことは、殺人課に聞いてください」


「う、うむそうだな。しかし、君は優秀なようだ。この難事件を解決できるとは」


「っく! ヤンキー上がりの癖に……!!!」


「いえ、私の力なんて、微々たるものですよ! 実際、犯人と証拠を特定してくれたのは! 二人の高校生探偵ですから!」


「え?」


「探偵?」


「そうです! ほら、あの二人!」


 っで、俺らを見て!!


「!? な!?」


「!? え!?」


 驚愕の、間抜け面ァァあ!!!


 うっほおおお~~~!!!


 犯人扱いしたヤンキーが! お前らより先に真相を! 解明してる事実ぅぅう!!!


 それに驚き、目を見開いて!! 顎が外れそうになってんぞWWW!!!


 ファーーーWWW!!!


 ま、実際は半分だけどね。


 のこりは、リリアのおかげだ。


 リリアがいなかったら、解決できなかったろう。マジ感謝!!


 でも! それでも!


 半分は俺という、事実ぅぅうWWW!!!


 震えるお前らを見れて、うれしいぜぇ! 


 へへへ!!!


「ば、バカな!!」


「あ、あり得ない! そんな! あのヤンキー風情が!!」


「いやー、特に六道は大活躍ですよ! 今回の犯人の証拠に気づいただけでなく! 別口で、ホワイト・スネークのメンバーも逮捕!! 壊滅に追い込みましたからねぇ!!」


「「え!?」」


 あ、そうなってたの?


 壊滅したんだ。へー。


「う、嘘だそんなこと!!」


「あ、ありえない! 窃盗・薬の密売・殺人にも関与してると噂のギャングを! どうやって!!!」


「窃盗の現場を、現行逮捕ですよ! で、そいつらから情報が芋づる式に出て! 4課も大張り切りでした!! いやー、凄い成果ですよ!!

これほどの活躍ですから! 二人は表彰されるでしょうね!!!」


「「!? ひょ、表彰!? あのヤンキーが! 警察から!? ええええ!!!」」


 !!! んほおおお~~~~!!!


 気持ちいい~~~!!!


 怒りで、体がブブブ!!!


 痙攣してる、無能どものォ! バイブレーション~~~!!!


 無様すぎて、面白いよォォお!!! 


 おっほおおお~~~!!!(ビクンビクン!!!)


「あ、そうそう! そういえば! 一つ、殺人課の課長さんから伝言です」


「「え?」」


「明日。早朝から所長室に出頭せよ!


辞表書いてこい!! いいな!? 以上です」


「「(絶句)」」


 WWW!!!


 ふァァあ!!!WWW(大爆笑)


「では伝えましたので! じゃ!」


 そう言って、土方パイセンは、パトカーを走らせ!


 病院を去ったのであった!!


 ああ、あとに残された顔面蒼白の無能の顔!!


 この世の終わりのような、青ざめた醜態!!


 その顔が見たかったァァあ!!!


 はああああ!!!


「すっきりした。最高の気分だ」


 夏に飲む、冷えた炭酸!


 冬に入る、あったかい風呂並みに! 気持ち良いぜぇぇえ!!!


 ヒューーー!!!


「いや、ありがとう。リリア。お前のお陰で、犯人捕まえれたし、警察に吠え面かかせられた! マジでありがとう!!」


「いえいえ。弥勒さん! こっちも、あなたの発想とパワー。調査力に助けられました! 私一人では、解決は難しかったでしょう! 感謝です!」


 お、おお! そうか!?


 そう言ってくれると嬉しいな!


 よーし!!


「じゃあ! お互いにありがとうってことで! 飯行こうぜ! 飯!」


「飯?」


 打ち上げだ!! 何か成し遂げたら、店で食って、飲んで、騒ぐんだよ!


 いい店知ってんだ! 中華・洋食・ハンバーガー! いろいろあるぜ!!


「……ハンバーガーは洋食じゃないんですか?」


「あ? ハンバーガーはハンバーガーだろ」


 たしか、ドイツ料理……あれ? アメリカ、いや、日本発祥だっけ?


 っま、いいや!


「バーガーの話してたら食いたくなってきた! 行こうぜ! おごるわ!!」


「いいんですか!? 私結構食べますけど」


 いいんだよ! 番長が女に金ださせるとか! んなシャバイことできるか!!


 っつーか、お礼でもあるんだから! 遠慮せずに食おうぜ!!


「! 分かりました!! じゃ、行きましょう! へへ!!///」


「おう!」


 っという訳で。


 俺たちは、2ケツのバイクで! 風をきり!


 南町の行きつけのバーガー・ショップへ! 向かったのであった!!!

 

 しかし、この時の俺は知らなかった。


 この時だけで、終わるかもなと考えていた、俺とリリアの関係は。


 逆にここから始まっていくことを。


 そして。


「美味しいですね! バーガーは久しぶりですが! いつでもおいしい!!」


「お、おお。そうだな」


 リリアは、本当に食う女だった事。


 俺より小さいのに、俺より食ってる。


 次々とバーガー、ポテト、チキン、シェイクが消えていき。


 会計が10万超えたのが、一番のミステリーだった。


 すっげえええ!!!


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