第68話 好きだから
こんな風に女性から身体を触られたのは人生で初めてのことだ。
みっしーの手が俺の太ももの内側を優しくなでたり揉んだりする。
うっとりした顔で俺をみつめるみっしー。
上気して息も荒い。
「基樹……さん……」
思わず抱き寄せる。
みっしーの体温と髪の匂い。
「モトキ……」
ローラが俺の手を取り、その指をぺろりとなめ上げた。
くゎ、気持ちいい……。
ローラのぬるぬるとした舌の粘膜が俺の中指を這いずり回り、舌ピアスがコリコリとアクセントを加えように刺激的で、もう、もう、俺は……。
「お兄ちゃあん……苦しいの? 苦しいんだよね? ね、あたしたちで、お兄ちゃんの苦しいの、すっきりしたげるよ……」
耳もとで
あ、もうこれだけで、これだけで俺は……。
「だめだよ基樹さぁん、ちゃあんと私が……シテあげるから」
「そうだよモトキ、私が気持ちよくしたげるからさー、少しは我慢しなさい。ほら、ここでしょ?」
ああああああああああああぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!
そこ駄目そこ駄目!!!!!!!!
そこ今触られたら俺は俺は――!!!
爆発しちまうーーーーーー!!!!!!!
脳細胞が快感で焼かれていくのがわかる。
これはもう俺はこのまますべてを搾り取られてもかまわない。
だから、だから……。
ぼんやりとした頭のまま、みっしーの顔を見る。
みっしーは舌をちろりと出して、
「えへへ、どこ、なめてほしい?」
といい、ローラは舌をベロリと出してそれをねろねろと煽情的に動かして、
「モトキ、……してほしいこと、あるんならさー、言ってみ? したげるよ」
ローラの青い舌ピアスがピカリと光った。
「お、お、俺は……」
目の前には鋭くとがった顎があって。
とてもとてもとがっていて。
角度としては30度くらい?
いやまて、人の顎の角度として30度はおかしくね?
だってさ、そんな鋭角だったらそれで突き刺して人を殺せそうだぞ。
「モトキ、舌、出せ」
そんな声が聞こえてきて、俺はもう言われるがままに舌を出した。
ああ俺の舌をどう気持ちよくしてくれるっていうんだ?
ブスゥッ!!!!
にぶい音がした。
瞬間的な激痛が俺の舌に走る。
ブワッと血が噴き出る。
「な、な、な、」
噴き出た血を、アニエスさんがアゴのとがったキャラが描かれた風呂敷でぬぐった。
「ローラ、抑えてろ」
「あれ、私なにしてたんだろ」
「いいから抑えてろ」
アニエスさんとローラさんにふたりがかりで押さえつけられる。
なにがなんだってんだ、痛いぞ、そういうプレイなのか?
どっちかというと俺は自分が痛いプレイはあんまり……Mっ気がそんなにないから……。
「舌出せ、舌」
そしてアニエスさんが俺の舌になにか金属片のようなものを突き刺す。
いててててて。
なんだこりゃ。
ええと。
いってえなあ。
あれ、俺、なにしてたんだっけ?
あれ?
ハッと、我に返った。
「モトキさぁん……ちょーだい……私のをあげるからぁ……」
「お兄ちゃん……あたし、あたし、悪い子ですぅ……お兄ちゃんで、こんなになっちゃってるのぉ……」
なんか女の子二人が悶えている。
ローラさんは正気にもどったみたいで、
「あらららー。私、やってしまいましたかねー」
「……ローラ、パンツちゃんとはけ。半分脱いでるぞ。……濡れてるからちゃんと拭いてからはけ」
「あらららー。やってしまったねー」
「お前も、わたしもマジェスティクリスタルを装着している。わたし、催淫かからなかった、なぜ、ローラ、お前はあっさりと催淫にかかる?」
呆れた顔でそういうアニエスさん。
俺は自分の舌を触ってみる。
あー、ピアスされているな―。
なるほどねー。
俺もその状態異常を防ぐっていう、マジェスティクリスタルを舌に埋め込まれたってことか。
しばらくしてから、ローラは答えた。
「……私、まあこういうの、好きだからかかりやすいのかも?」
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