【18】朝希・5(3)

 男が大きく斧を振る。未宇は懐に潜り込みその手元を押さえた。相変わらずの力で、男の――おそらくネジが外れているであろう――勢いをぴたりと止めてしまう。もう一方の手も掴んで正面から組み合う。目つきや腕、足の動きから、男が力んでいるのは明らかだったが、彼女は微動だにしなかった。男の力を裁ききっていた。

 おれは彼の口元を見ていた。開け放たれたそれ。他のすべてに力が入ってるのがわかるのに、あそこだけは違う。はめ込まれた異物みたいに弛緩している。

 何かが変だ。何かが――。

 喧噪。サイレン。エンジン音。町中の音が久鵺高校に集まる。風が吹き、草木のにおいも鼻に届く。秋のにおいだ。

「ああっ!」

 未宇が悲鳴をあげた。左の肩甲骨辺りに深々と斧が刺さっている。ふたりの体勢は変わっていない。ただ男は手を離していた――斧の柄から。

 他の男たちが短く握っていた柄を、彼だけが長く持っていた。組み合ったとき、そのぶん刃先は高くあったのだ。男が指先から力を抜いて――斧は落ちた。重力の力を借りて。

 未宇の両手から力が抜け、男は斧に執着せずその体をなぎ払う。未宇は背中から床に倒れ、衝撃で背を逸らして跳ねた。

「いっ……ぎ……」

 足の先がコンクリートを掻く。おれは駆け寄ると宙でこわばる指先を握った。

 斧を抜かなきゃ。いや、このままにしておいたほうがいいのか。

 傷口からとろとろと血が出ている。斧は刺さったままだったが、倒れたときに傷がえぐれたのか、赤黒い部分は斧の幅よりも広く見えた。

「あっあっ……」

 未宇は細く喘ぎ、合間に体が跳ねる。斧がこれ以上刺さらないように慌てて彼女を支えた。膝を腰の下にねじ込んで抱きかかえる。

「未宇、大丈夫だから……」

 気休めだ。大丈夫なことなんて何もない。未宇の顔は真っ白だった。はくはくと口を動かし、懸命に息を吸おうとしている。うつろな瞳。目尻を薄く涙が伝う。指先がおれの手にきつく食い込んだ。

 体を丸めて未宇の頭を隠す。首を差しだしてるみたいだ、と思う。実際そうだ。もし一撃で去ってもらえるなら、未宇は助かるし……そうでなくても、こうしていれば……未宇は何も見なくていい。

 ぎゅっと目を閉じる。サイレンの音はなぜか遠くに聞こえ、辺りは静かだった。未宇の脈に合わせてこぷこぷと溢れる血の音が、自分の鼓動と同化する。

「人間もどきは大変だ……」

 声がした。男の方から。

 男は完全に空を向いていた。ずっと開き続けていた口元で、ごぼごぼと泡が立つ。これから水を高く吹き出すというときの……直前の……噴水の動きみたいに。

「多少の怪我は平気でも……刃が……刺さらないわけじゃ……ない」

 ごぷり、ごぷり。口いっぱいに大きな泡ができ、ぱちんと弾ける。声は溺れてるように聞こえた。水の向こうにあって、性別もわからない。

「思ったよりずっと……フフ……苦しむんだね……当たりどころが悪かった……? 骨に当たったみたいだったものな……」

 男は勢いよく両膝をついた。コンクリートと骨がぶつかって硬い音が鳴る。上半身が前後に大きく揺れた。両腕は胴とがっちりつながり、揺れに合わせて硬く痙攣した。

 首だけが折れたように曲がっている。おれたちに向けて晒された喉はひっきりなしに波打っていた。蛇の腹。芋虫の背。蠕動に合わせて水音は大きくなり、ガボガボと……壊れたパイプじみた音を出す。

 泡が高く立ちのぼる。口から溢れて一部は顎を伝うが、残りは上へと層を増す。押し出すような勢いはないのに、不自然な重なりかたをして。いつしか泡は、小さな子どもが肩車したくらいの量にまでなる。

 そして。

「ばあ!」

 中から梨音が出てきた。

 たぶん、梨音だ。大半が泡で、水で……どこまでが彼女かよくわからないけれど。浮かぶ輪郭とか、髪型とか、シルエットの感じとか……何より、空気中で伝わる張りのある声は……紛れもなく梨音のものだった。

 腰から下はまだ口の中に埋まっている。その男はといえば、もう動かなくなっていた。つなぎの前を別の液体で汚し、両腕を力なく垂らしている。

「り、おん」

 梨音は両手で腰の辺り――男の口だ、あそこは――をぐっと広げる。そこから体積のある水――泡――とにかくそんな感じのもの――を引き抜いた。勢いで男の体が揺れ、前方にどうと倒れる。梨音も一緒に倒れ、人ごとのように「あらら」とこぼした。

「……そんな顔しないでよ。助けてあげたのに」

 梨音は立とうとしていたが、うまくいかないようだった。下半身が泡のままだ。上半身も同じで、梨音の名残はあるものの形にはなっていない。輪郭は泡と水に包まれていた。溶けたスライムみたいだ。

「まいったな……意外と……」

 梨音は呟き、手を軽く振った。濡れそぼった指先からコンクリートに水滴が飛ぶ。それはぐちゃぐちゃの下半身に近づいていき、混じって見えなくなった。

「助けた、って……」

「ここにはもう来ないんじゃない? 九人はいたと思うけど、五人は殺したし……これも入れたら六人か。警察も来たから残りも捕まるでしょ」

 もし来ても殺してあげるよ、と梨音は言った。皮肉に笑った顔をぐずぐずの下半身に向け、今度は不快そうに眉をひそめる。

「まあ、それはいいんだけど……こっちはちょっとまずいな。三階にひとりいるはずだから、すぐにここまでは来ないだろうが」

 言っておれたちを見る。おれと、おれに抱かれたままの未宇。もはや声は聞こえなかった。息こそしているが、唇は青く震えている。

 両腕を使い、這うように梨音は近づいてくる。未宇を抱き寄せておれはわずかにうしろへ下がった。それに動きを止め、彼女は視線で未宇を指す。

「怪我してるんでしょ」

「それはおまえが――」

「いいから」

 傍へ来た梨音は躊躇なく斧を引き抜いた。血が噴き出し、思い出したように未宇が呻く。露わになった傷口に顔を近づけ、梨音は「そんなに深いのか?」と呟いた。

「おまえが操ってたんだろ!? だったら未宇の怪我は――」

「操ってたんじゃない。入ってただけ。六人目だから時間がかかったんだよ。途中まではアレの意志だ。変な風に殺すわけにもいかないだろう。こっちだって例のやつが溜まって……」

 苛立たしげに言って、梨音は一度言葉を切った。大きく深呼吸する。

「とにかく不可抗力だ。あんなの、避けられないこいつが悪い」

「そんな――」

「未宇。未宇、聞こえるか」

 梨音は片腕と思われる部位をまるっと傷口に当て、もう一方の手で未宇の頬を叩いた。うつろだった目が焦点を結ぶ。

「お前の迎えは来るよな。でもその怪我じゃ、おそらく正規での回収は難しい。そんなに傷は深いのか? 歩けないくらい?」

「い、いた……」

 未宇の口が動く。喘ぐように続ける。

「痛い、です……変な……ところに……入って……」

「どこに?」

 そう尋ねる梨音はぎらついた笑みを浮かべていた。口調や声色は軽いのに、目つきは重く、剣呑な雰囲気がある。

「梨音、なにを――」

「静かに」

「腕の、感覚が……ない、です……そこから、ずっと……全身に……」

 目の縁がぷつぷつと盛り上がる。瞬きとともに大粒の涙がこぼれる。

「こ、壊れちゃう……やだぁ……あ、あ、朝希くん……朝希くん……」

 白かった頬に赤みがさす。顔をぎゅっとしかめ、繋いだままの手の感触を確かめるように力を込めながら、何度もおれを呼ぶ未宇に胸が苦しくなった。

「だが、どうにかしないといけないぞ。ここで人間に回収されていいのか? そんなことをご主人さまが望むかな?」

 未宇はいやいやと首を振る。その仕草は愚図る赤ん坊のようだった。何かに耐えて……耐えきれない何かを逃がそうとしているような。

 無力感とともに眺めていると、未宇の表情が徐々に和らぐのに気がついた。緊張がほどけ、瞳がとろりと溶けていく。

 梨音はおれを見てにやりと笑った。見せつけるように未宇の耳元へ唇を寄せ、含んだ口ぶりで言い聞かせる。

「いいか。今の私ならしばらくは、お前の痛みを止めてやれる。一緒にここから飛び降りるんだ。衝撃は軽減してやれる。多少は感じるかもしれないが……まあ、歩けはするだろう。そうしたらフェンスまで行けばいい。乗り越えられるならそうすればいいし、そうでないなら……ご主人さま次第だな。私が協力できるのはそこまでだ」

 立て、と梨音が言う。未宇はその通りにした。ふらつきながらも立ち上がる。

 梨音は未宇におぶさっていた。今となっては、未宇にしがみつく腕と頭以外、まったく形を留めていない。梨音の体――と思われる泡混じりの水――のほとんどは、未宇の傷口周りにくっついていた。

「いいぞ……優秀だ。さすがだな。聞こえているだろう? 見えてもいるのかな。そういうことだから、ひとつ貸しだ。恩義を感じてもいいぞ」

 梨音は誰かに話しかけていて、おれは理解できなかった。彼女は未宇を促し屋上のフェンスへと向かう。思わず未宇の手を掴んだが、梨音の冷たい瞳に遮られた。

「邪魔するなよ」

「でも――」

「朝希をつれて上がったことがあったろ。その逆だと思えばいい」

 言われてしまえば反論できない。あのときのおれも、怪我はなかった。

「朝希も、警察が来る前に移動した方がいいよ。さもないと――」

 戸口に視線をやり、梨音は小さく笑った。

「あの死体の説明をしなきゃならなくなる」

 手の力が緩んだ隙に、ふたりはフェンスの向こう側へと消えた。柵から身を乗り出して下を見る。どうやら無事着地したようで、人影は予定通り敷地外へ歩いていった。辺りに他の人間の姿はなかった。

 振り返ると戸口には変わらず死体があった。今ここに警察が来たら、なんと言えばいいのだろう。また男に襲われて……また目の前で倒れました、だなんて……さすがに信じてもらえない気がする。

 死体の横を通り過ぎる。扉を開けて階段を下りた。三階は騒がしかったが、人の気配は遠くにあった。それをいいことに、おれはまっすぐ一階まで下りた。

 一階はまともな世界だった。血や死体の残骸こそあったが、怪我をした生徒や、怪我はしてないけど立てそうもない生徒が、制服を着た大人たちに運び出されている。おれもその流れに捕まった。みるみるうちに拘束され、校舎の外まで連れていかれる。

 校門に面した道路にはパトカーがぎっしり止まっていた。思ったよりも来ている、というのが感想だった。そのうえまだ増えそうだ。だけど、ふたりが見とがめられずに逃走できたのには納得した。

 おそらく集まっているほとんどの人員が、不審者の制圧と人命救助に割かれているのだろう。暴れ出した場所が場所だ。近隣住民から見える範囲にけが人やら死体やらを放置しておく訳にもいかない。校門近辺に警官が多いのに対し、それ以外の部分は手薄だった。

 警官の数自体は多かった。交番しかない久鵺にいるはずのない量だ。近隣から呼び寄せたのかもしれなかった。なんせ、こんなに大きな事件なのだ――。

「あ」

 人混みをかき分け歩いてきた大柄の男が声をあげた。同行者の注意を引くと、まっすぐこちらへ向かってくる。

「久鵺ってきみの高校か。嵯峨さん、田嶋くんです」

 呉竹刑事だった。続いて嵯峨刑事もやってくる。

「田嶋くん……」

 嵯峨刑事はおれを見て表情を険しくした。「話せるか?」と聞かれ、おれは頷く。

 ガラスが割れる音がした。ぎゃあ、と男の叫びも聞こえ、辺りの空気が凍る。耐えきれなくなったのか、近くで女生徒が悲鳴をあげた。

「俺は中に行きます」

「わかった。すぐ行く」

「お待ちしてます」

 呉竹刑事は背広の内側を確認すると校舎へ駆けていく。その背を追うおれの視線を、嵯峨刑事が遮った。

「何人いたかわかるかい」

「九人はいる、みたいです。でも、今動いてるのは三人くらい……だと思います」

「どうして」

 嵯峨刑事の語気は強かった。説明できない――でも嘘はつけない。変に嘘をついたら、助かる人も助からないかもしれない。

「…………し」

 絞り出した声は止まってしまう。死んだんです、また、おれの前で。今度は梨音が――別の女の子――いや、宇宙人が――殺した。そろいのつなぎ、そろいの斧。みんな薬でもやってるみたいだった。甘いにおい。人が死ぬときは、必ずあのにおいがする。あれが普通なんですか? あれが死のにおい?

 嵯峨刑事はおれをじっと見て、おれも彼から目が離せなかった。見合っていたのは数秒だった気がするし、もっと長かった気もする。でもそれだけで察してくれたのか、嵯峨刑事は「わかった」と頷いた。

「大丈夫だ。あとは警察の指示に従いなさい」

 こくこく頷く。そう。もう大丈夫。大丈夫なんだ――。

 言い聞かせるおれの頭上から、固い呟きが降ってくる。

「もう偶然じゃない」

 見上げた目が一瞬、嵯峨刑事の視線を捉えた。冷徹なそれは容赦なく注がれ、おれと目が合うことで外される。

 嵯峨刑事の背が遠ざかる。怪我をしないで……無事に帰ってきてほしい。嵯峨さんだけじゃない。呉竹刑事も――誰も。そんなことを考えながら、心臓は恐怖で縮んでいく。

 そうです。偶然じゃない。偶然じゃないんです。

 おれの周りでこんなことが起きるのは偶然かもしれない。でも彼らが――その襲撃者が――おれの周りで死ぬのは。もう、偶然じゃない。

 寒気がした。体を抱え込んで粟立つ腕をさすっても、怖気は少しも収まらなかった。

 しばらくそこでじっとしていた。敷地内に止まった車の側。パトカーではないが、ランプがついてるから警察車両なのだろう。ボンネットに寄りかかり校舎の音に耳を澄ます。

 一度歓声が上がったが、誰も出てくる気配はない。まだ続いているのだろう。

 何がかはわからない。捕り物、救助。おれは安全で、大丈夫になったけど……とにかくまだ続いているのだ。

 疲れ切っていた。脳が信じられないほど疲弊している。考えなきゃいけないことがあるはずで、心にずっとひっかかってるのに、それが何かさえ認識できない。緊張する体表とは裏腹に、中身は重く、落ちかかっている。

「アキちゃん!」

 聞き慣れた声がした。緩慢に向けた視線の先には涼子がいる。長い髪を振り乱して駆け寄ってくると、おれの体にしがみつく。

「無事だったんだね、よかった……!」

「涼子……」

 呟いて、それ以上何も出てこないことにぎょっとした。好きな子が無事で、よかったなと思うのに。無事だったんだ、そうか……くらいの感覚で。知らない自分になったみたいに、心の動きが鈍い。

 おれは周囲を見回す。彼女はひとりだった。

「……史也は?」

 涼子の顔がこわばった。途端に空気がひりつく。何かが足下からのぼってきて、心臓を撫でていく。

「途中で、はぐれちゃって……」

 涼子は顔を覆った。

「見てないの……」

 ボンネットから身を起こし、周囲に視線を巡らせる。身を寄せ合う生徒たち。ぐったりとしてたり、泣いてたり、血にまみれていたり。クラスメイトの姿も確認できた。だけど史也はいなかった。

「ごめん……アキちゃん……」

 涙声で肩口に顔を埋める。そんな彼女の背を支え、おれは首を振る。

「涼子のせいじゃない。きっと無事だよ。史也だぜ?」

 頷く顔をのぞき込む。涼子は元気そうだった。少なくとも立って歩けている。

「涼子は平気? 怪我はない?」

「大丈夫……」

 細く言うのを聞いて、どっと肩の力が抜けた。お返しのように肩へ顔を埋める。薄く鼻孔に残る死の香り。その向こうに涼子の熱を感じた。

「あ、アキちゃん……!?」

 困惑の声が上がる。いつしかおれは、力任せに彼女を抱きしめていた。涼子の都合だとか人前だとか、そんなことは頭にない。生きていてくれて嬉しいとか、無事でよかったとか……そんな甘ったるい思考もなかった。

 緊張から解放されて、枷が外れて。感じているのは怒りだった。すべてが疎ましい。反面、すべてがたいしたことじゃないとも感じる。

 おれにもっと力があったら、背骨を折っていたかもしれない。そのくらいきつく抱いていた。薄く喘ぐ涼子の口から「アキちゃん、痛いよ……」と声が漏れる。しかし制止の手はなかった。

 もっと嫌がればいいのに。突き飛ばせばいいのに。理不尽にも腹が立った。

 腕の中の背がひどく反っているのに気がつき、ようやく力を緩める。折れやしないのに意味がない。無力感と失望があった。自分のなすことすべてに意味がないのだと強く感じる。逃げたって、生きていたって……。

「アキちゃん……」

 涼子の香りがする。優しくて懐かしい、おれの好きなにおい。

 死臭は消えた。そのはずなのに。

 まだ吐き気がしていた。寒気も止まらなかった。


 時間は流れていく。そのうちすべてが終わった。おれたちは家に帰れた――とにかく、とりあえずは。

 文化祭は中止になった。涼子はその日おれの家に泊まった。母親は涼子の親に電話したが、つながらなかった。あとであたしからかけます、と涼子は言った。

 おれたちは事件の詳細をニュースで知った。犯人たちは、梨音の言うとおり九人いた。近所に住むフリーターを中心とした一団らしいが、関係性が明らかでない人間も混じっているという。捕まったのはひとりだけで、残りは「死亡が確認された」。

 あれだけ血まみれだったのに、死んだのは教師も含めて六十人ほどだという。多い気はするが、全校生徒の七分の一くらいだと言われると、そんなもんかとも思う。怪我で済んだ人間が多かったのだろう。でも一般的に、これは大量殺人で……感覚が麻痺しているなとぼんやり感じた。

 次の日、クラス担任から親宛にメールが配信された。それはクラスの死亡者リストだった。おれたちのクラスでは七人が死んでいた。そのころには死者数がおおよそ確定していて、六十八人ということになっていた。病院に運ばれてから死んだ人間もいたのだろう。一学年五クラス、三学年。単純に割っても、平均より少し多いなと思う。あんな状況で、平均もクソもないけれど。

 リストには史也の名前があった。それで今度こそ――おれは吐いた。

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