【13】梨音・3

 二学期が始まった。

 三人での勉強会は花火大会を境にお開きとなった。涼子と未宇は連絡を取り合っていたらしいが、夏休み中におれが彼女と会うことはなかった。梨音とも楓ともあれきりで、残りの夏休みは去年までと同様、涼子とふたりきりで過ごした。

 久鵺高校では九月の下旬に文化祭があり、二学期が始まると間もなく準備に追われることとなる。本番の二週間ほど前から六限目は準備に充てられ、生徒たちはその時間を中心に用意をするのが決まりだった。とはいえ残るのは許されていて、当日が近づくほど皆思い思いに残って作業を進めた。

 おれたちのクラスはホラーをコンセプトにしたカフェをやることになった。一部の生徒が夏休み中に案出しをしていて、衣装やメニューも叩き台ができていた。そこに他生徒の案を盛り込み、企画自体はすぐに決まった。

 おれはあまり乗り気じゃなかった。コンセプトがホラーなせいだ。いちごソースをアイスにかけたり、から揚げにケチャップをかけたりして血に見立てよう……なんて案が普通に受け入れられていて、最近立て続けに本物を目にしてるおれは複雑な気持ちだった。

 本物を見ている……そのはずだ。

 あの日の死体は見つかっていなかった。毎日チェックしてるけど、平山で死者が出たなんてニュースは出ていない。あの道の先が本当になくなっているのか……見に行こうと思ったけど、涼子に止められた。警察が嘘をつくはずがないし、わざわざ行って嫌なことを思い出す必要はない、と言われて。それに納得して、おれは行かなかった。

 未宇ともあのときの話はしていなかった。学校が始まり、彼女は普通に挨拶をしてきて――おれはぎこちないながらもそれに応じた。

 おれの中で、未宇は人殺しだ。でも死体が見つかってない以上、証明する手段がない。あの場所が空間ごとなくなってるのもそうだ。

 あれは全部夢だったのかもしれない。リアルで最悪な……おれの夢。

 だが、そう思い切れない理由があった。梨音だ。彼女は確実に『未宇に襲われたおれ』を見ている。恐らく死体――倒れた男も見ているはずだ。それを確認できたらよかったのだが、二学期が始まって以来、彼女はぷっつりとクラスに来なくなった。

 梨音のクラスは知っていた。連絡先だって交換している。会おうと思えばいくらでも会える。だけどおれはためらっていた。

 会ったら話さなければならない。祭りでのことじゃなく、その前と、あとのこと。涼子が好きだと気づいた今、梨音の望むようにはできないということ。

 他人を傷つけることへの恐れがおれの腰を重くしていた。なるべくはやく、はっきりと伝えたほうが傷は浅い。わかっているのに、初めての恋と未宇への緊張、そして文化祭の準備にと……生活のめまぐるしさに翻弄され、そのことが後回しになっていた。

 いつか教室に来るかもしれない。そんな人任せな思いがなかったといえば嘘になる。おれは消極的に逃げていて……その日は、割とすぐにやってきた。

 準備期間が始まっても部活が中止になるわけじゃない。活動は各部の裁量に任されていた。文化部は比較的早い段階から休みになるが、秋に大会がある野球部は休みがあるかも怪しい。たいていの運動部は期間の後半から合流する。それまでは文化部や帰宅部など、部活の影響が少ない人間が中心となって準備を進めた。

 前半から遅くまで残ることはまれだ。だけどその日は衣装のデザインに苦戦して、おれたちは外が薄暗くなるまで残っていた。

 おれが所属するのは服飾担当の班だった。メンバーはほぼ女子で、男子はおれひとり。挙手制で行われた班決めだから自然な流れだ。だいたいが仲間内でどこに入るかを決めていて、相手がいないおれは誰とも相談しなかった。

 涼子と一緒になりたかったけど、わざわざ聞くのは気恥ずかしかった。それに直前の休み時間、史也が涼子に声をかけていた。彼は友人たちと店内装飾の班に行くつもりで、彼女を誘っていた。

「アキちゃんは?」

 涼子は当然のように聞いてくれたけど、はっきり返事ができなかった。どこでもいい。できれば涼子と一緒がいい。でも史也の前では言えなかった。仮に涼子が史也の誘いに乗ったとしても、店内装飾に手をあげることはできなかっただろう。

 結局、周囲を伺うこともせず服飾に希望を出した。班ごとに分かれる段階で知ったが、そこには涼子も未宇もいた。

「楽しそうな班でよかったな、アキちゃん」

 皮肉交じりに史也はささやき、友人と合流する。「フラれてんじゃん」と笑う声に「うるせえ」と返す。おれに対してとはまるで違う、友だちとの距離感がそこにはあった。

 そういうわけで、女子にひとり混じっておれはない頭を絞っていた。

 給仕を持ち回りでやるにしても、十程度の衣装はいる。狼男に吸血鬼、ミイラにゾンビに殺人鬼。プレーンな案はすぐに出たけど、残りが難しかった。安価でアレンジしやすく見た目も面白く。美術部の桑原美衣子(くわばら・みいこ)が熱く語るので、のまれたおれたちも真剣に話し合っていた。

「ホラーカフェとはいえ、ガチガチにしちゃったらお客さんも見込めないんじゃない? 可愛く、親しみやすくアレンジできるといいかも」

「ゾンビとかどう可愛くするのって感じだもんね」

「あ、ねえ。ゾンビメイドってどう?」

「あー、あり」

「性別限定しちゃうの増えてもだめじゃない? 狼男もそうじゃん」

「女子しかメイドやっちゃだめだって誰が決めた……?」

「そういう感じ!?」

「狼男も男女問わない風にデザインするってこと? 黒猫とかぶらない?」

「そこをかぶらせないようにするのが仕事じゃん」

「積木くんにゾンビメイドやってほしい……」

「なに言ってんの?」

「いや似合いそうだけども!」

 頭数が多いと一度逸れた話はどんどん逸れる。元々話す内容も浮かばなかったおれは、『どの衣装をどの男子に着せたいか』談義が始まったことで完全に沈黙した。存在をできるだけ小さくして置物に徹する。

 話題に出ているのはクラスでも人気の高い男子たちだった。最も人気があるのは野球部のエース町田紘平(まちた・こうへい)で、坊主にもかかわらず整ってるのがわかる容姿と背の高さ、誰にでも分け隔てなく接する優しさで男女問わず好かれていた。接点がないので話したことはほぼなかったが、それでも玄関で鉢合わせれば挨拶することもある。おれにとっては普通に接してくれる数少ない人間のひとりでもあった。

 始めに会話に出た積木風里(つみき・かぜさと)は史也のグループのひとりだ。背も低めで、長めの髪と細い線が女性的にも見えるから、ゾンビメイドは合いそうだ。史也と同じくバスケ部の一員で、仲間内ではフウリと呼ばれている。

 史也も明るさと調子のよさから女子には好まれているらしかった。バスケ部でも二年の中核を担っており「一度試合見たけどやばかった」と女子のひとりが言っていた。

 他にもサッカー部の松浦恵吾(まつうら・けいご)や将棋部の笠子一心(かさご・いっしん)なんかの名前が挙がって、彼らに似合うコスプレ(いつしかコスプレの話になっていた)も検討されたけど、なるだけ想像しないように努力した。女子の噂話に混ざってしまった男として、それが唯一できる義理立てみたいなものだった。

「あっ、ごめんね? 田嶋くんの前で変な話して」

 そのうち気まずそうなおれに女子たちが気づき、話は元の路線に戻った。ほっと息を吐くおれの横から「アキちゃんにもゾンビメイドやってほしいなー」なんて呟きが漏れる。涼子はずっと相槌を打っていたけど、自分の意見は言わなかった。ちらと視線をやるとばっちり目が合う。そこにはからかうような笑みがある。

 また男として見られてない気がしてムッとする。でも涼子が見たいなら着ていいし、おれのことを考えていたと思うとにやけそうにもなった。一瞬で感情がぐちゃぐちゃになって、「じゃあ涼子は黒猫メイドやれよ」とヘンタイっぽい返しをしてしまう。

「あっそれもいいね! 黒猫メイド」

 三枝友加里(さえぐさ・ゆかり)がすかさず言う。聞こえたとしても聞き流してほしかった。彼女はバレー部だが桑原と仲がよく、この場でも率先して案出しをしていた。

「メイド服って大変じゃない?」

「エプロンだけならどう? 使い回せるし。下は制服をアレンジしてさ」

「このスカートは味気なくないかな」

「一着くらいなら別パターンのスカート作れると思うよ。使い回せばバリエーションも増えるんじゃないかな」

 間仁田花枝(まにた・かえ)と言祝美優(ことほぎ・みゆう)がデザイン画を覗き込む。桑原、三枝、間仁田、言祝……加えておれと涼子と未宇とが、服飾班の全メンバーだった。

「矢代さんはどう思う?」

 桑原が尋ねる。何も話さない未宇を気遣ったのだろう。自分が話しかけられたわけじゃないのに、反射的に体がこわばる。

 挨拶だけは続けていたが、未宇と親しく話すことはなくなっていた。涼子と話すところに居合わせることはままあるが、ふたりきりでは話さない。その点でおれはしっかりと梨音のいいつけを守っていた。未宇と決してふたりきりにならない……いや、なれないと言ったほうが正しい。死体が見つからなくても、あの空間がなくなっても。おれの記憶はなくならない。未宇は人を殺した。

 あの力。人の首を素手で折るほどの力。あれはいったい――。

「浴衣……とか。どうですか」

 ぽそりと落ちた言葉に視線が集まる。懸命さの現れだろう、未宇の顔は真っ赤だった。

「合わせたり、できないかと……」

「いいね!」

 消え入りそうな声を肯定がかき消す。和風ネコ耳女給や和装狼男といった連想ゲームが再度始まるなか、誰かが言った「夏祭りの殺人鬼」というワードで心臓がまた跳ねた。

 横目で未宇を見る。自分の意見が受け入れられて心底ホッとしている彼女は、こうして見るとあまりに普通で……ふるまいには庇護欲すら湧く。なのにおれの頭にはずっと、あの夜のことがちらついている。

 夏祭りの殺人。浴衣からこぼれる白い胸、血塗れの手――。

「こんにちはぁ」

 沈みそうになる思考を間延びした声が遮った。おれたちの目は音の方向、教室の入り口へと向けられる。そこには声の主――梨音が立っていた。

「朝希いるよね」

 呼びかけには有無を言わさない調子があった。話がある。言外でそう言っている。

「あ……」

 周囲を見る。教室にはおれたち以外誰もいない。半数の人間は梨音を見て、呼ばれているおれを見た。だが涼子と未宇は梨音から目を逸らさなかった。

「行かなくていいの?」

 誰かが言った。促されるまま席を立つ。梨音の瞳はひたとおれを捉える。口元に笑みは浮かんでいたがわずかだった。

「梨音……」

「話があるの」

 わかってることを改めて耳にするのは寒々しかった。視線で促され、おれは黙って後に続いた。

 場所は決まってるようだった。梨音は無言で歩き続け、着いたのは体育館に続く渡り廊下だった。おれたちが初めて出会ったところ。未宇に告白をされた場所だ。外は暗く、宵闇が深まり始めた空には月が浮かんでいた。

 梨音はためらいなく外に出た。暗闇が彼女を包む。少し行って振り返り、光る目をおれに向ける。蛍光灯の白を受け、瞳は生々しくきらめいた。

 対しておれはためらっていた。白い光はよそよそしかったが、それでも闇に沈みゆく梨音と比べたらまだ親しみを感じた。彼女からは何も読み取れなかった。怒りや悲しみや呆れや……なんらかの感情を抱かれるのは当然だと思っていたし、それがぶつけられるものとばかり思っていた。でも梨音は淡々としていた。ただそうするのだというように、おれと話す場を作ろうとしていた。

 最後に別れたときのことを思い出し、覚悟を決める。迫られたからなんて言い訳だ。おれは一度受容して、そのうえで拒絶した。

 どんなに強く詰められても、なじられても受け入れよう。それが誠意だ。

 白灯の元から出て梨音の前へ進む。一度彼女の姿が消えたが、すぐ目が慣れた。おれたちは少しだけ無言で見つめ合った。

「好きなの」

 梨音が言った。細い声だった。向かい合ったおれの体が建物からの光を遮り、表情は見にくかった。けれど甘えた調子を含んだ、絞り出すような声は、おれの頭を抱え込んだときの彼女を思い起こさせた。

「付き合ってほしいの、アタシと。未宇じゃなくて、楓じゃなくて……涼子でもなくて。アタシを選んでほしい」

 心臓が重くなる。責められるとばかり思っていたのに。投げつけられた直球の告白は、罪悪感で心を締めつける。

 でも……言わなくては。

「ごめん」

 梨音の纏う空気が固くなるのがわかった。直視できず言葉を重ねる。

「気持ちは嬉しい。本当に。でも……応えられない。おれ……」

 いつの間にか落ちていた視線をあげると、梨音の瞳とかち合った。その目は先を促している。

「……ごめん」

 結局おれはそれだけ言った。口にした途端どっと疲れが押し寄せる。人の気持ちを拒絶する――その行為はする側にもつらいのだと知る。体力が根こそぎ奪われる心地がした。

「……そっか」

 梨音は言った。どこか乾いた口調だった。おれはそれにも拍子抜けする。こんなものなのか。呆けていると手を取られた。小さなぬくもりが指先に絡む。

「じゃあ、最後にいっこだけ。いいよね」

 最後、という言葉に胸が痛くなる。勝手な体だ。頷くと、誘うように手を引かれた。

「抱きしめて……一回だけでいいから。恋人にするみたいに、強く……抱いてほしいの」

 促されるまま抱きしめる。力を込めれば耳もとでかすかな笑い声がした。

 小柄な体を腕の中に閉じ込めながら、頭には涼子がちらつく。おれの好きな子。あの子にできないことを、おれは別の女の子にしている。乞われるままに。

 目を閉じる。瞼の裏も宵闇も、暗さはさほど変わらなかった。

「ごめん……」

 応えられなくてごめん。別の子のことを考えてごめん。こんな人間でごめん――。

「――いいよ」

 低い声。感情を廃したような平坦さの中に、あざけるような色が混じった。

 腹を強く押される感覚があった。驚いて目を開けた瞬間、雨風のようなものが全身に吹きつける。視界がぶれて体が傾ぐ。足元から地面が消える。

 倒れたような気がする。でもおれの体はまっすぐで、足は宙を掻いていた。

 遠く足元に草むらが見える。そのうちひとつは特に茎が太く、丈も長い。

 いや、違う。あれは――。

「えっ!?」

 理解が追いつかない。足元にあるのは草じゃない。太いのは木の幹だ。告白すると上手くいく……そんな噂がある、あの木。

 視界に家屋が入った。遠くまで連なるミニチュアみたいな家々。指くらいの幅の道路。その脇に連なる豆電球みたいな街灯。町を俯瞰する視点。

 月。

「なっ……!」

 宙に浮いていた。細かい泡が生き物のようにまとわりつき、体を押し上げている。衝撃は最初だけで、今は圧迫感もない。ただ皮膚の表面をぞわぞわしたものが撫でる感触と、頬を切る冷たい空気があるだけだ。

 地面がどんどん離れていく。梨音の姿は見えなかった。

 空間が開けた。空は大きく四方に広がり、足元には建物が現れる。

 学校だ。

 おれの体は空中で止まった。重力が身を引き始め、既視感に硬直する。

 ざざ、と泡が波打つ。力が込められ、おおよそ自然ではない動きをして体は斜め下に落ちた。背中に泡が溜まって空へと流れる。

 だが勢いは変わらない。このままいくと下は学校の屋上だ。地面よりは近いが、だからなんだという高さ。無事でいられるはずがない――。

 正面を見れば月があった。空にぽっかりと空いた穴。視界に据えながら、まもなく頭のうしろに来るだろう衝撃を待つ。

 何が起こってるのかわからない。でも、二度、三度、死の近くまで来て。わかることもある。

 それはいつだって突然だ。そして……こんなにもあっけない。

 疑問だとか怒りだとか後悔だとか。そんなものを抱く暇もない。突きつけられた事実を、ただ受け入れるだけで精一杯だ――。

 衝撃はいつまで経っても来なかった。

 気づけば冷たい床で寝ていた。乾いた砂と埃のにおい。視界はほとんど変わらなかったが、月は先ほどよりも遠くにあった。

「そうだろうとは思っていたよ」

 梨音の声がする。薄い膜を通したような、こもった音。

「これでもしっかりやったほうさ……向いてないのを別にしてもね。そもそも未開人だからと侮りすぎなんだ。こうなった場合どうするか考えたことがあったか? 餌をぶら下げておけば勝手に食いつくだろうって? 甘すぎる……腐っても生き物なんだ……彼らなりの物差しがある……」

「り、おん……?」

「敬意を払えと言っている……同じ場所に落ちつくとしても……私たちが先んじるためにはそれしかない……誠意を示し報酬を提示する……単純な話だ……原始的生物と軽んじるがゆえにそれを怠ったから、こういうことになる……」

 何かが蠢いている。それは人の形をして、おれの足元に立っている。スカートから伸びる細い足。腰。腹、胸、腕……。

 人影を通して、向こう側が見える。黒い空に浮かぶ月。降りてくる月光。

 細かい泡が腰の上でうねる。腹と胸のようなものを形作り、人に似た輪郭を構成する。胸の上に首が乗り、顎の線ができていく。

 上部に行くにつれ大きくなる泡が、おれの視界で結実する。見覚えのある顔が少しずつできあがる。アーモンド型の目。瞳の向こうに月が透ける。

 蠢動はそこで落ちつく。左目から頭半分だけが、梨音の形を取らずに泡として風に流れる。とはいえ一定の距離に留まり、遠く離れることはない。

「協力してくれ、田嶋朝希」

 声は聞き取りやすくなっていた。意図して変化を持たせられるのかもしれない。そんなどうでもいいことに注意が向く。現実逃避だ。ただの。

 梨音が――梨音に見えるものが。おれの傍までやってくる。横たわったままの体をまたいで、ぐっと顔を近づけて。彼女が動き、喋るたびに、合わせるように泡が動く。月光が表面で弾け、周囲を瞬かせる。

「私たちはきみの――人間の遺伝子を欲している」

 脳が固まる。初めてされた話なのに、なぜかその先がわかる。梨音が――この生き物が。おれに何を望むのか。これから何を言うのか。わかる。わかってしまう。

 告白。遺伝子。夜。月。

 異形。死。

 未宇。

 視界が歪む。涙が出てくる。

 生理的なものなのか。それとももっと、根源的なところからくるのか。

 こわい。

「人間の雌相手に行う性交渉を、私を相手に行ってほしい」

 どうして。

「きみが射精できるなら、どんな協力も厭わないつもりだ」

 どうして、みんな――こんな。

「だから――」

 こんな。

「アタシとセックスしよ、朝希」

 ひどいことを言うんだ。

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