2023/10/21 朝

 なんのオチもないし、なんの考察もない。ただ、赤リップに憧れるアラサー女の話である。

 私にとって赤というのはとても難しい色。赤リップを塗ると明らかに浮いて見えるし、赤い服を着ているときに褒められた試しがない。しかしながらやっかいなことに、赤色というのはめでたいときによく用いられる色であり、例えば七五三だとか、あるいは成人式の振袖だとか、そういうときに身に着ける色の定番はやはり、赤である。もちろん、どの写真も正直かなりイマイチな写りである。パーソナルカラーが春なので、当たり前といえば当たり前なのだが。

 さらにやっかいなことに、私は赤色が好きなのだ。子どもの頃からそうで、というより子どもの頃の方がよりその傾向が強かったような気がする。女の子の好きな色の定番はピンクとされているけれど※、私は赤が好きだった。じっと見ていると、引き込まれるような感覚に陥るほど。

 しかし、人間というものは、赤リップが無いと頑張れないことがある生き物である(?)。気合を入れたいとき、自分を大きく見せたいとき、あるいは単なる変身願望……。今まで、ドラッグストアで購入できるような、安価なリップで、何度か赤色に挑戦してきた。自分に似合わせるのはとても難しいが、それでも、化粧歴も10年近くとなる今、ようやく色の選び方やリップの塗り方など、ちょっとずつ分かるようになってきた。そしてようやく、デパコスの赤リップを一本買ってみたのだ。

 少しオレンジがかったような、シアーで、しかし深みのある赤。お気に入りの一本を、惜しむように、大切に唇に差すのを、毎朝ちょっと楽しみにしている。



※でも、実際の小学生女子ってむしろ水色とか好きじゃなかったですか? 水色の似合う女子は間違いなく一軍だったあの頃。

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