『ハート・オブ・シティ』 下の6


 赤血警部補は、なにやらを、ぶっぱなした。


 丸い光の塊がトンネル一杯に広まり、黒い塊は、崩壊した。


 ふたりは、そこを蹴飛ばしながら駆け抜けた。


 多少は、踏んづけたみたいだ。


 『な、なんれすか? 今の?』


 『あねがさねえさんが発明した、超磁気麻痺弾だ。死にはしない。気絶するだけ。生き物には優しい武器なんだ。あ、警察には秘密だぞ。』



          🧲


 あねがさばあは、市役所からの映像を、移動した新城山のベンチで、入念に眺めていた。


 そうして、みてはならぬものを見てしまった、


 『この、首の傷………』


 それは、市民ホールの真ん中に立ち尽くしている、修道僧みたいな格好をした人物である。


 顔は、良く見えない。


 しかし、首は見えた。


 切り傷がある。


 間違いなく、見覚えがある傷だ。


 『こんなところに、居たんだ。』


 あねがさばあは、絶句した。


 それは、間違いなく、弟の、『やましーん』、だと確信したのである。



       🐜


 


 

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