『ハート・オブ・シティ』 下の4
それで、ふたりは、照明の入っていない通路を、LED懐中電灯を頼りにして進んだ。
しかし、これは、人間が、かっちりと作ったもので、自然にできたものではない。
片側の壁には、整理だんすが並び、様々な物品が備蓄されていた。
『本来は、明かりが自動で入ると聞いていたんだ。一方、ドアは自動ではないと、な。』
赤血警部補は説明した。
『そら、話が、ちんぐはんぐですな。』
らんぼう刑事が答える。
『そうさ、ちんぐはんぐもいいとこだ。だから、何が起こるか解らないわけだ。ちょっと通信してみよう。あ〰️〰️、あ〰️〰️、こちら、あかち、通路に侵入した。どうぞ。』
『あ〰️〰️、あ〰️〰️、こちら、あねがさ、ちょっと薄いけど、聴こえてるよ。』
『さすが、警察の備品だ。』
『まあね。あ〰️〰️、なにか、かわりは?』
赤血警部補が尋ねた。
『かわりは、ある。市役所を中心にして、周囲より、さらに暗くなってきているよ。どうぞ。』
『はあ。なんだそれは、どうぞ。』
『わかりません、照明は入ってるけど、そのひかりが、地中に吸い込まれてるみたい。どうぞ。』
『ぶ。そんなこと、ないだろう。どうぞ?』
『あ〰️〰️、つまり、深い闇に照らされ始めてるんですよ。ありえないけどね。または、地上の光を意識的に吸収するような力が働いています。どうぞ?』
『あのなあ。ブラックホールじゃあるまいし。』
『制御されている、ブラックホールかも? どうぞ?』
『ない、ない。なにか、上空に居るんじゃないか? どうぞ?』
『いやあ。そうしたものは、見当たらない。まして、もう、この時間だよ。あのでかいヘリでも、そうんなことにはならないよ。どぞ。』
『ふうん、……ま、わかった。こちらは、このまま、通路を進む。せいぜい、200メーターだ。すぐだ。また、通信する。以上。』
『なんですかね? たしかに、この時期の薄暮は長いです。』
『さあ。しかし、普通は、あんな、表現はしないだろ? 何かが起こっているんだ。しかし、我々は、さきにすすめだ。』
『あいよ。』
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