第23話一矢報いる

月宮俺と付き合って下さい。男子が告白していた。


ごめんなさい。


いつもの光景だ。


ちぃ腹立つ光景だ。私はそれを見て、更に月宮への苛立ちを感じた。

月宮と神宮寺この2人の男子の対応には、嫉妬の気持ちが溢れてくる。


以前は石黒がいればそれで良かった。しかし彼氏は最近神宮寺にお熱だ。


ふざけやがる。もう私とは終わりだろう。


月宮を潰したら次は神宮寺だ。月宮がいると邪魔だ。2人のいない学校は、男子は私に集中するだろう。

しかしやり過ぎるとばれる。落書きやらして精神的に追い込みたいが、それはすぐに他のやつに気づかれる。


それにしても、過去の事がたまにフラッシュバックして来やがる。父親が憎い。やつのせいで精神的にもズタボロだ。


もしあいつら2人が今回の件をチクったら、私は、男子にバレたら袋叩きにされる。幸い2人は誰にも言ってない。


それが恐ろしくて、もう引き返せない。慎重にやらないと、自分が窮地に追い込まれる。


アイツいつも男が、周りについてるし、前は葉山とか言うやつが、凄いついて回ってやがった。


中々1人になるチャンスがねぇんだよなぁ。


私は男の様な言葉使いをする様になっていた。それは何故だろうか?

常に怒りの感情が湧いてくるからだろうか?


そう思いつつ、月宮が1人になるまで見張っていた。


おし、やっと1人になったな。チャンス到来私は心が躍る様だった。


私は信用出来る2人に相槌して、月宮を襲った。


男を使っても良かったが、信用出来るのは、この2人だけだ。それはやはり離婚してもう離れた、父親に忌まわしいことをされたからだろう。


だから男で信用出来るのは今は石黒しかいない。

他のやつは信用出来ない。鬼塚はそう思っていた。


よう。月宮。私は気さくに挨拶してやった。


今日はアンタに美味しい物用意してやったぞ。


鬼塚さん、いい加減大人になって下さい。


そんな事しても虚しいだけでしょ?


うるさい。月宮に痛いところを突かれ、2人を使って、月宮の腕を抑えた。




今日はなんと…彼女がにやりと笑いながら言った。ミミズちゃんです。


美味しそうでしょ?



ひぃ、さすがに私は、それに身も凍えるほどに恐怖した。


なんて人なの、まともじゃない。しかも素手で平然と持ってる。



ほうら、と彼女が楽しそうにミミズとだんだんと近寄ってくる。


なんとかしないと。私は考えに考えた。

彼女になんとか隙を与えないといけない。


ブーンブーンブーン。


なんだうるさい。彼女は周りを見渡した。

虫の大群か?

小型の飛行機?


違う、なんだよありゃ、ドローンってやつか。


飛ばしてんのは誰だ?


いまだ!

私は鬼塚さんの持っているミミズを蹴り上げた。ミミズさんごめんなさい。


そのミミズが跳ね上がり鬼塚の口に入った。


うわっしまった。おぇ。


月宮を抑えていた2人の腕が緩んだ。その瞬間、月宮は、鬼塚に向かって突進した。


そして馬乗りになり、

えいえい、月宮は鬼塚に何回も平手でぶった。


うわっ。くそっ。油断した。



鬼塚は逃げるよに立ち去った。


2人も鬼塚のやられっぷりを見て逃げた。


はぁはぁ。やった、やってやった。


月宮はやっと、彼女らに、勝てたと思った。

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